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第13話 「アカウント開設です」

ランキング七位にのってました!ありがとうございます



 俺はマネージャーの五十嵐さんにSNSアカウントを作りたい旨をメッセージで報告した。彼女からは直ぐに電話がかかってきて「注目も集まってるしそろそろ情報解禁かしらと思っていたのよ」と言ってもらった。



 「祐太郎くんなら大丈夫でしょうけどSNSでの注意事項はMAKOTOから聞くのよ。あとウチの事務所、ウィルストーム・エンタテイメント所属ってプロフィールに書いておいてちょうだいね」


 「はい。わかりました」



 夜分にお返事ありがとうございますと伝え電話を終える。



 「許可が降りました。では真帆さん」


 「はい!作りましょうか」




 それから俺は真帆さんの指導のもと、インステとツミッターのアカウントを作成した。パルブックというSNSも有名らしいのだが、真帆さんもよくわからなくて使いこなせてはいないとのことで後々に保留することにした。



 「プロフィール画像やヘッダーなんかはこの間の撮影場所で撮って貰ったオフショットを貼りましょうか」


 「どれがいいんでしょうか。選んでもらっても?」


 「承りました!」



 たくさんあるんですよ~と真帆さんが嬉しそうに背景に花を飛ばしている。二人で画面を覗きつつああだこうだと話すのは楽しかった。



 そういえばあのときたくさん撮ったもんな……とその時のMAKOTOと三人の女性スタッフのはしゃぎようが今も目に浮かぶ。


 率先して撮影してくれたのだが、有り難う御座いますと礼を言うと黒髪ショートヘアの女性が涙と鼻血を出してしまって場が騒然としたのだったなと思い出す。



 「事務所のホームページにのせるアーティスト写真もそのうち撮ることになると思いますので、そのときご一緒できたら衣装のまま少し撮らせていただきたいです」


 「それも載せるんですか?」


 「可能なら……もちろん撮影の邪魔にはならないように致しますので!」


 「先方が宜しいようでしたら俺は構いませんよ」



 やったあと喜ぶ真帆さんはとても可愛い。



 事務所といえば、ホームページには今俺についての情報や写真は貼られておらず、名前だけが所属として連ねられている状況だ。


 それがまた秘蔵っ子だとか憶測が憶測を呼び込む状況となっているらしい。


 SNSで話題の注目の新人がもう事務所に所属をしており、しかもその事務所は年齢性別不詳のスーパーモデルMAKOTOをはじめ、幅広い年代の主役級俳優たちが勢揃いしている日本の大手映画制作会社・芸能事務所・音楽プロダクションなのだ。話題にならない訳がない。



 「さあ開設出来ましたよ!」


 「何から何まで有り難う御座います真帆さん」



 アカウント開設は本当に簡単だったのだが、教えてくれる人がいて良かったなと思う。もし俺だけだったらはじめもしなかっただろう。


 さて、まずはMAKOTOとウィルストーム・エンタテイメントのアカウントをフォローしなくてはな。



 「へへ……あの、祐太郎さん?」


 「どうしました?」


 「私が最初にフォローしても良いでしょうか……?」



 当たり前のことをおずおずと聞いてくる真帆さんは本当にすれてないなと微笑ましくなる。



 「俺も最初は貴方がいいですから」




 ***



 その後、あのとき撮影したオフショット一枚に簡単なコメントを添えて投稿するとMAKOTOがすぐにいいねを押して、そしてリツミートもしてくれた。

学校が落ち着いたら、今度あの絵を描いてくれた絵師にお礼を言おうと思う。


 ……SNSについてはそれで終わりだ思っていたのだが。



 俺はまだ知らない。このアカウント開設がどのような顛末を迎えるのかを。



 


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