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026 国葬と対策会議と勇者召喚

 ピレイネ王国の王城。

 この城はピレイネフォートレスの真上に建造されたため、外見は岩山の上に建つ白亜の城といった風情だ。街から城までは岩山に設置された階段を利用する(出入り業者には不評)。階段は正面と裏に合計二つある。階段を登り切ると城門があり、この城門も正面と裏手に二つある。どちらも硬い構造になっている。


「あ、起きましたね。」


「……どなたですか?」


 起きたらベッドの正面に知らない人がいた。栗色の髪で大地教の神官服を着ている女性だ。ちなみにベッドの右側はルビーが突っ伏して寝てて、左側はリュミドラが椅子で寝てる。


「いえいえ私のことはお気になさらず。スタールビーさーん、リュミドラさーん、王子が起きましたよー。」


「はっ! ヒョーちゃん起きた!」


 飛び起きたルビーにほっぺつんつんむにむにされて顔が伸びる。神官服の女性は『ごゆっくりー』と言いながら部屋から出ていってしまった。遅れて目覚めたリュミドラもルビーの真似をしてもう片方のほっぺをつつきだした。


「やめろルビー(変な声)……とりあえず、状況を説明してくれ。」


「ヒョーちゃんが中庭で転がってから三日がたったわ。お城のほうは地方から出て来た貴族や騎士が生き残りの近衛兵と分担して仕事を引き継ぎしはじめたところ。ギルマスが手配してお手伝いさんも雇ったわ。今日は国葬の日だからヒョーちゃんも出席してね。」


 バァン!とドアが開いてカゴをもったマクバーンが入ってきた。カゴの中身は黒い喪服らしい。後ろにはギルドの受付嬢の一人と、さっきの栗色の髪の女性がいる。


「おうヒョーが起きたって? んじゃこれ、喪服な。オメェ喪主だから病み上がりで辛いだろうが頑張って突っ立っててくれ。これ弔辞と演説の草稿。メェ通しておいてくれ。あと参加者の一覧これはあらかじめ名前を覚えて現地で顔も覚える。オゥケィ?」


 マクバーンがカゴの中から喪服のほかに紙束を出してくる。結構厚い。仕事も熱い。病み上がりだが体調は悪くなかった。足の傷も完治している。寝てる間に色々な魔法で治療されたらしい。


「……がんばる。」


 俺は紙束を受け取ってパラパラと目を通した。演説の草稿はマクバーンと行政官が数人で会議して仕上げたと書いてある。

 内容はマクバーンが王城突入前に宣言したことをなぞる形で、俺が魔族と魔王崇拝者を許さず、奮戦の末討ち死にをした王族の唯一の生き残りの責務として立派に跡目を継いでこの国の発展に尽くすが、まだ若く未熟なのでどうか皆様の力を借して頂きたいという文言だ。


「ヒョーちゃん、がんばって!」


「が、がんばってお父様!」


 ルビーの激励にリュミドラが追随する。数日前からうすうす気づいていたが、リュミドラはルビーのまねっこをすることで知識不足・経験不足を補うことにしたようだ。仲が良くて何より。マリの真似をされるより百倍いい。


 そんなわけで俺は目が覚めた直後から国葬の喪主として活動を開始した。まだ王子扱いだが、即位式は国葬の喪が明けてからになるらしい。


 まずは地方から来た貴族、騎士と挨拶をする。彼らはこれから行政官や執事やメイド、家令として王城の切り盛りをしてくれる人々だ。王城の執事やメイドは貴族の子弟・子女が務める役職である。今回の葬儀は王族に加えて、彼らの親族の犠牲者も少なくない。


 さらに教会関係者と挨拶及び打ち合わせをしてから国葬の儀式がはじまった。日中は昼食を挟んでずっと葬儀に参列して演説もした。


 夕方から夜にかけては王城で食事会を行い、葬儀に出席していた関係者や街の商業ギルドや職人ギルドの代表者と挨拶と面通しと今後の打ち合わせをして一日が終了した。冒険者時代の知り合いも数名いたが、改めてということで挨拶した。

 本来、国葬は三日間を要する長い儀式だったらしいが、情勢を鑑みて一日に短縮されたという。たしかにこの状況で三日も葬儀をしていられない。


 朝に出会った栗色の髪の女性は、大地教の神官でヒーラー。両足を負傷した俺の治療と看護のためにマクバーンの手配した金等級冒険者だという。ヒーラーとは治癒の魔法や介護を専門とする冒険者の職業の一つだ。

 このヒーラーさんは仕事……公務中にで俺が倒れないようにずっと俺の後方で待機し、時には魔法で回復をしてくれた。


 その日は食事会の途中で割り当てられた部屋に戻り、泥のように寝た。ルビーやリュミドラは控えめに寝室へついて来たがったが、ヒーラーさんが追い返した。マリは姿を見かけなかった。



 そして翌朝。


 朝食を食べた後に王城の一室にマクバーンが招集した面子が集った。魔族との戦いに巻き込まれた仲間たちだ。

 まず俺、ヒョーマ。スタールビー、リュミドラの身内三人。加えてマリ。

 マリはひと目見てわかるほど異常な存在感を放つ姿をしているので、普段は王城の隠し部屋に潜んでいるらしい。メイドさんたちに見つからなけりゃいいけど。

 クジョウさんと嫁のリナリーアさんもやって来た。国葬の時には見かけなかったが、いろいろ忙しく働いていたらしい。

 最後にこの王都の黒幕っぽい男、マクバーン。合計七人。ヒーラーさんは徹夜したので帰っていった。


「よっし集まったな。んじゃクジョウ、説明してくれや。」


「オーク兵士たちと戦ってから今日で六日目だけど、凄いことが起こってる。まずそれを説明するよ。」


 クジョウさんの話を要約すると、オーク軍の様子を使い魔を使って偵察・追跡していたところ、アンリが二日目の朝(俺が黒紳士と戦ったのと同時刻)に復活してオーク軍四千人を率いて王国に侵入。開拓村を襲撃した。

 アンリは王国の王ピレイネ及び美の神シーザーを自称し降臨を宣言。開拓村に物資を要求。

 そして開拓村で巫女の少女を一人殺傷。瀕死となった巫女が勇者召喚を実行して巨大な門へと肉体を変化。村の広場に異世界につながる転移門が発生した。

 アンリは即座にオーク兵士三千五百人とともに門の向こうへと向かって消えた。残ったオーク兵士五百人は村をそのまま制圧。村人を監禁して野営準備をした。


 三日目。門の向こうから地球統一政府と名乗る国家が侵入してきた。最初は数人だったが、安全がわかると一気に人数が増えた。彼らは大量の重機や建築資材を持ち込み開拓村を要塞化し、転移門を壁と天井で覆い軍事基地を建造しはじめた。


 四日目・五日目。軍事基地化が順調に進んでいる。増援や物資や食料もさらに転移門の向こうから送られてきている。


 六日目。今朝だ。異世界人の人数は一万人を超えた。


「……と、ここまでは王国領内の開拓村の情報。それで、これだけじゃないんだ。実は辺境の魔女の山でも異変が起こってる。四日目にオーク兵士たちがフォートレスを発見したんだ。」


 クジョウさんによると、オーク兵士千人が辺境に残って魔女の山を山狩りしていた。どうやらマリが持ち去った魔族のツールを捜索していたらしい。千人の兵士は文字通り草の根をかき分けて徹底的に山をひっくり返した。その結果、フォートレスの入り口が発見されたという。


「未開の辺境でフォートレスの入り口が発見されたということは、もうそこは辺境じゃなくなる。新しい領地を求めて、世界中から冒険者が集まるフォートレスラッシュが開始される。門前町が形成されるんだ。」


 転移門から現れた一万を超える異世界人は開拓村の要塞化と並行して道を敷設し始めており、それは魔女の山へと向かっているという。


「間違いなく、開拓村からフォートレスまでの道を作るつもりだね。そして道の次は基地をつくってフォートレスを攻略する足場にするだろう。彼らはこの世界に領土を手に入れるつもりなんだ。」


「えっとね。あのね。魔王軍と同じなんだね。異世界からやって来てフォートレスを取るということはね。つまりね。侵略だね。」


 とんでもない事態になった。というのが皆の感想だった。


「どうしようか……皆はどう思う?」


 俺は駄メガネからの情報で、転移門は復讐のための装置であり、くぐった者が全員セン・ニンかテン・センになって『悪を滅ぼせ』という使命が刷り込みされることを知っている。


 しかし、その情報には神託という以外の根拠がまるでないためマクバーンやリナリーアさんが信じるかわからないということとで説得力に欠けると俺は思っていた。


 早い段階の情報共有……いわゆるホウレンソウは大事だが、情報ソースの関係で信頼してもらえない可能性がわずかでもあるため、今すぐ全部ぶちまけてもいい方向に行くとは限らないと判断をした。

 切り出すタイミングが重要だ。さりげなく誘導して情報を出していかないといけない。


「チキュウトウイツセイフねえ。……まず、異世界人の目的を知りてぇなぁ。この世界に来た目的はなんなのか。何を目指しているのか。」


「目的ですか。」


「そうだ。目的だ。それによって対応が異なる。」


「対応って?」


「和平か戦争だ。」


「戦争! あるんですか。この世界に?」


「異なる種族民族異世界が出会ってやることと言えば、戦争……つまり『発見済みだが、いまだ未踏破なフォートレスコアの先取り合戦』だ。それが常識だ。ルール化されてるが立派な戦争とその結果、もたらされる支配ってやつだ。」


 フォートレスコアによる土地の支配力が強すぎるこの世界では、通常の戦争というものはないらしい。あくまでフォートレスコアを制する勝負となるようだ。


「それで魔女の山への道を?」


「十中八九そうだろうね。」


 この場合の戦争とは、異世界人より早く魔女の山のフォートレスを踏破して、フォートレスコアを入手することとなる。

 おそらくフォートレス門前町をお互いに一つづつ造り、そこを拠点としてフォートレスの階層攻略を競うだろう。もちろんお互いに探索の妨害もあるだろう。ひどい時は街ごと戦争になるかもしれない。


「そうならないように冒険者ギルドがあるんだけどな。」


 マクバーンが言うには門前町で国家規模の乱闘になった場合、冒険者ギルドが事情を調べて、片方あるいは両方を殲滅するそうだ。怖い。


「ちなみに、これは興味本位なんですが、和平を望むパターンだったらどうしてました?」


「和平っても結局やることは技術交換と移民と観光と輸出入つまり商業活動に集約される。モノのやりとりだ。物資か知識かは大差ねえ。まー交易してぇならそれでもいいんだが、不利な条約で転移門のちかばにある王国やらダークエルフの里が被害を受けねぇようにしないと。技術や魔法や資源や食料や雇用や土地をただ同然でもっていかれると困るしな。」


 戦争の目的というのはやっぱり資源や物資や食料や人材の確保なので、和平交渉だけでそれを得られるなら実質勝利といえる。だが交渉というものは武力が背景にないと平行線が続いて進展しないものでもある。転生前の現世なら防衛費に使った予算額イコール武力だったりするからある意味わかりやすいのだが……


「なんによせ、すぐに連中が自分らで転移門をぶっ壊さねぇって事は、この世界に対して領土的な野心があるってことだぜ。」


「結局はそうなりますよね。」


「薪の一本でも持って帰りゃ、この世界から資源が消滅して相手の世界に資源が増えるんだ。薪一本程度ならいいが、百本、千本、万本となるとおおごとだぜ。エスカレートしていけばこの世界が無くなる。それは防がなけりゃいけねぇ。」


「……それってこちらから仕掛けるという意味での戦争……領土の防衛戦ですか?」


「ああ。そうだ。少なくとも開拓村は王国の領土だから、他国の軍に侵犯・占拠されてる現状はえらい問題がある。だから出てってもらう。おっと、他国の軍ってやつはまず相手国家を承認しねぇといけねぇから、現段階では正体不明の集団つまり蛮族とか野盗の群れって解釈になる。なにせ相手国の名前もお偉いさんの存在も公式には知らねぇ見たことねえしな。」


 クジョウさんが地球統一政府と言ってたが、それは偵察の結果わかっただけなので相手から使者や外交官が派遣されてきたわけではない。公式には正体不明の集団が開拓村を占拠したことになっているのだ。


「それは相手国も同じで、まずこちらから公使をたてて使者を出さないといけないのでは?」


「開拓村の連中がいる。そこの村長なり住人なりが王国の存在を伝えていれば、王国の王都へ公式な使者を送りだそうとするモンだが……その様子が全くねぇ。我が物顔で占拠をしているぜ。こりゃ明確な敵対行動だ。」


「恐らくだけど、もう相手はこちらの国と同盟ないしは協力関係を結んでいるつもりなんじゃない?」


 クジョウさんがとんでもない発言をした。


「なぜです?」


「最初に門をくぐって異世界へ行ったアンリがそのまま最初に異世界の政府と交渉したと考えるのが妥当だよ。彼は巫女を殺害した時に、自分を王であり神であると自称していた。だから相手政府は権力者と交渉済みと勘違いをさせられている。」


 あー、と全員がうんざりとした声を上げた。


「アンリは自分を神に選ばれた支配者だと思ってる異常者だから……そのノリで異世界人は騙されたと?」


「僕たちは、まず彼が異世界の政府とどんな交渉をしたか調べないといけない。」


「うわぁ……。じゃあ王国が改めて接触をとろうとしたら?」


「まず、アンリは逃走中の犯罪者……指名手配犯だとちゃんと伝えて、引き渡しと、改めての交渉を提案しないといけないと思う。」


「そうですね。誤解を解いてアンリをこちらの世界に戻さないと。」


「あのね。アンリってオーカスだよね。こんな不始末やらかしてどうするんだろう。四天王が制裁に出てきてもおかしくないんだよ。」


 マリが俺にこそっと話しかけてくる。他の面子は異世界への対応についての相談を続けていた。


「魔族も話に噛んでくるのか?」


「多分ね。チェルノボグじゃ事態の収拾が出来ないと判断したら、ベルゼブブあたりが来そうな気がするよ。」


 ベルゼブブ……殺す。なんか夢で見たような。よく思い出せないけどとにかく殺す。大帝国を支配下に置く上級魔族の四天王だっけ。殺す。


「異世界の政府が、最初にコンタクトした存在がほら吹きの異常者であると理解して騙されていたと素直に認めるなら話は簡単だと思うけど。絶対にそうはならないと思うよ。アンリを正統政府と認識して、こちらを反政府組織と教え込まれているかもしれない。あるいは、そういうことにしたがるかもしれない。アンリと有利な条約を結んでいればいるほど、覆したくはないと思う。得てしてこういう場合、ヒトは常に自分が選ぶ権利を持っていると思いがちだ。」


「アンリと俺たちの選択肢を自分たちが選ぶことができると思ってる……わけですね。」


「例のアンリが異世界で逮捕されているッてェ可能性はネーかな?」


「相手政府も未知との遭遇で、いきなり逮捕はしないと思うよ。アンリが暴れれば別だけど……オーク兵士三千五百人の護衛もいたし。交渉のテーブルは用意したとおもう。そのうえで、数日で開拓村を要塞化するほどの人員が送られてきていることを考えると、かなり協力的かつ積極的にこちらの世界の情報を流していると思う。」


「うへぇ。なんてぇこった。」


 マクバーンが天を仰ぐ。一同げっそりした。異常者に扇動と先導された異世界の勇者たち一万人以上というとんでもなさに疲れてきたのだ。

 リュミドラがお茶をいれなおす。ガチャ娘二人は積極的に会議に参加してこない。ルビーは俺の仕事を見守っていて、リュミドラは経験値が足りなくて発言がまとまらないのだろう。


「じゃあまずは相手の誤解を解くためにも……使者を送ります?」


「そだなァ。侵略してるって認識を持ってくれりゃぁいいなぁ。」


「人選はどうするの? 正直かなり危険だと思うけど。」


「うーん……人選は貴族の外交官一人とその家中の騎士と従者。あと護衛の冒険者を十人くらいだなぁ。最悪を想定してディメンジョンゲートを使える魔法使いを雇わねぇとだ。」


「使者の人選は? 相手の言語は何でした?」


「異世界人の使っていた文字は……この世界じゃ見たことがない言語だったね。」


 そこでクジョウさんは俺にだけ聞こえるようにボソッと伝えてきた。


「英語と広東語だったよ。」


 英語は俺もわかる。ただし広東語はさっぱりだ。


「えーっとね。言葉の件だけどね。転移門をくぐると勇者召喚に該当するみたいで、この世界の言葉を自動で話せるようになってた。異世界人がオーク兵士や村人と会話できてた。」


 一同、ほっと安心した。言葉が通じれば交渉ができる。相手が聞き入れるかは別として。


「じゃあ使者は言葉の問題クリアーですね。……て、ちょっと待った。」


 これはチャンスだ。駄メガネ情報をひとつ公開してしまおう。


「転移門をくぐると勇者召喚に該当ということは、さっき言ってた巫女?の宗派で伝承されていた勇者の能力が付与されたりはしませんか?言語の理解がつくだけでなく。」


「ああ、そうだね……たしか巫女の子は、『召喚します。異世界の戦士を。ゲンス・テソンの兵士たちを。そう。いにしえの勇者セン・ニンを! 天に選ばれし知恵者テン・センを!』……って言ってたね。」


「じゃあ転移門をくぐってこちらにきた異世界人は、みんなそのセン・ニンとテン・センになってしまうのでは? 冒険者のジョブのような能力が強制的についてしまうのでは。」


「鋭いねヒョー君……相手は異世界人だから未知の武器を持っていて油断ならないと思ってたけど、さらに召喚勇者としてのチート能力を持っている可能性もあるわけだね。これはとても重要だよ。想定する危険度が跳ね上がる。」


 よし。この認識を皆が持っていれば事故はかなり防げる。クジョウさんが言ってた未知の武器とは多分、銃火器のことだろう。あとは使命の件も話題に出しておこう。


「他に気になったことがあるんですけど。」


「ん、なんだい?」


「勇者召喚に際して、召喚者は条件をつけると思うんですよ。使命を果たせとか。敵を倒せとか。転移門をくぐると言葉が身につくということは脳に影響を与えています。言葉の他に、転移門になった巫女の都合に合わせた行動を取るように植え付けられている可能性は?」


「ありえるね……その巫女は理不尽に殺される反撃として勇者召喚を行ったね。だから、うん。恐ろしい想像をした。いま、この世界にやって来た一万人の異世界人に『巫女を殺したのはアンリだ。アンリを倒せ』って言ったら……どうなるのかな?」


「そりゃオメェ、転移門にすっ飛んで戻ってあの変なの探し出してぶっ殺すんじゃねえの? そんなら全員いなくなった後に転移門ぶっ壊して終わりなんだがな……」


 その時、ドンドンと扉が叩かれた。近衛兵の声がする。マリは雰囲気を察して姿を消した。


「会議の途中、申し訳ありません! 緊急事態です。」


「どうした?」


「王城の上に飛空艇が現れました! あれは東の大帝国……『光の大帝国』の飛空艇です!」


 俺たちは顔を見合わせると、会議を中断して中庭へと走った。

誤字等ご指摘願います。

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