巫女がいる村にオークが攻めてくるなんて・・・(※オーク騎士視点)
※※※ オーク騎士視点です。 ※※※
辺境の森。魔女の山の麓。
森の中で二日を過ごして三日目の朝があけたオーク兵士五千人。食料も尽き、士気は下がり、軍隊を維持するのも限界に来ていたとき、ご主君様がお目覚めになった。
身体が真っ二つに引き裂かれ、焼け焦げ、瀕死の状態から三日で再生して復活したのだ。さすがご主君様。さすご主。さす主。
「ちょっと! 魔族のツールがないじゃない! 早く探してきて! はやく!」
早朝のテント(兵士のマントを集めて作った)に金切り声が響く。声変わり前の少年の罵声だ。オークヒーラー総掛かりで看護していたため、何人かのオークヒーラーがテントを飛び出す。
私はテントへ向かう。出入り口の仕切り布を持ち上げあけて挨拶をした。
「ブ……ご、ご主君様。快復お喜び申し上げます。」
「あらアンタ生きてたの?……あれ?ブヒってないわね。言葉覚えたの?」
「はい。二日ほどありましたので、基本だけは覚えました。それで早速ですが、食料が不足しております。」
「なによ~。買ってくればいいじゃない。コンビニで。」
「この近辺にあきないや(商い家)はありません。人里は遠く、また我らに通貨の持ち合わせもありません。」
「それじゃ徴発しなさいよ。アタクシはこの国の王よ? 民衆も喜んで差し出すわ。あ、それとアタクシのご飯まだー?」
「物資が不足しております。」
「なによそれ! 信じらんない! アタクシは王よ!? 神よ!? あんたらの創造主よ!? 朝おきたらご飯はもちろん、お風呂に衣装にコスメにチ●ポを用意しておくのは当然でしょ? アタシの乙女心を癒やしてくれるデカくてカタいオチ●ポを! なんでも言うことを聞く奴隷も!」
「お許しくださいご主君様!」
「食料だけじゃなくコスメも買ってくるのよ! はやく! 十秒待ってあげるわ。いーち、にー……」
「我らの食料すら不足しております。」
「あんだけ殺されてたんだから死体くらいあるでしょ!? ぶたあじよ!?」
「共食いは天罰が下ります。」
「なにそれ? ばっかじゃないの?」
「至急、オークグリフォンライダー部隊の残存兵に買い出しにゆかせましょう。近所の村へ。ご同伴なさいますか? 宿屋や風呂屋もあるかと。」
「ん~そうねえ。やっぱりね。ワタクシ王様だし~相応のお供が必要だと思うのよー。グリフォンライダーはそりゃはやいしカッコいいけど~ここには兵士たくさんいるんだし~。たくましいオチ●ポに囲まれてないと不安っていうか~? オトメだし~。やっぱ安心感が違うのよね~。人数がいると~。つおいし~。村人も驚くていうか?」
「全軍で移動すると、フォートレスコアから狙い撃ちされる危険があります。」
「大丈夫大丈夫。全軍で出撃よ。目標、近くの街!」
「至急、号令をかけます。」
そういうことになった。
約五千人の兵士のうち、千人は魔族のツールの捜索に残して山狩りをさせ、残しの四千人で出発した。
◆ ◆ ◆
辺境を出て、王国の領土内。
グリフォンライダーが偵察で発見していた最寄りの村までは移動に半日かかる。ご主君は最初、トリケラトプスに乗っていたが、上下に揺れるため発情してくるそうなので、オーク兵士八人で担ぐ輿を作らせた。丸太を組み合わせた簡単なものだ。
「村に行って村人が物資をくれたらお礼が必要よね。あんたら、村の女全員とセッ●スしてあげなさい。感謝ックスよ。誠意よ。」
「それはお礼ではないのでは?」
「ばっか! はー(ため息)、ばっかねえ。いい?よくお聞き。女ってのはね。いつもカタくてデカくて長持ちするオスチ●ポを待ってるの。求めてるの。本能なのよ。その隠された欲求。アタシはよ~く理解しているわ。理解者よ。最大の理解者よ。女心の理解者なのよ。ワタクシだけがわかってあげてる女のホントのキモチなのよ。だからアンタら、ババアも子供も関係ないわ。突っ込みなさい。びしゃびしゃにしてあげなさい。突き破りなさい。殺す勢いで腰振りなさい。それが感謝。それが誠意。それが人類の共通言語『ありがとうのキモチ』よ。相手をキモチよくして差し上げるのよ。いいことなのよ。善行よ。善人よ。善人オークが村人に感謝をするのよ。だれもが得して幸せになるわ。涙すら流してよろこび絶頂するわ。幸福イキよ。幸せの輪が広がるのよ。これぞ善よ。最善よ。だからレ●プしてあげなさい。」
「オークの男児はオークの女人としか交わりませんぬ!」
んぬってなんだ。驚きのあまり口調が変になっている。
「ンモー。頭かたいわねえ。硬いのはチ●ポだけでいいのよ。いい? モノをもらったらお礼をするのは当然なのよ。だからチ●ポで返すのよ。誠意は言葉や態度じゃないのよ。お金とセッ●スよ。」
「それは理屈おかしいのでは?」
「全然おかしくないわよむしろ普通よ。常識よ。学校じゃおしえてくれない社会の常識よ。大人の礼儀作法よ。『食べ物やお金をもらったらセッ●スする』。これは当然のことなのよ。働かざる者食うべからずなのよ。お金をもらったらセッ●スは人類最古の職業なのよ!?歴史と誇りが詰まっているのよ!?だーれにも否定なんてできないのよ。」
「それは論点のすり替えでは? あとレ●プは普通、泣いて嫌がります。」
「わかってないわねえ。それは演技よ。そのほうが燃えるのよ。プレイよ。女っってのはね。複雑だから。普段固く閉ざしているテイセツってやつがあるの。それを出したり引っ込めたりするためにレ●プって様式美が必要になるのよ。だからね。誠心誠意、服をびりびりして服の下の肉体をさらけださせてあげなさい。それが必要な手順なのよ。あらやだ!こんな手順まで教えてあげなくちゃいけないだなんて!ホント、オークって使えないわね!ぶさいくだし!ぶひ!」
「はあ。」
「でもアタクシは好きよ?オスって感じがして。この好きをすべての女に届けてあげたいくらい!! そうそう、セッ●スするときは親や夫や子供の目の前でやるのよ。それもプレイよ。燃えるのよ。」
「はああ。」
誰か代わってくれないだろうか。この役目。
◆ ◆ ◆
王国領内。辺境方面へ向かって最先端の開拓村。
特にフォートレスコアからの雷撃も降ってくることなく到着できてしまった。
村の規模として家屋が三十四。家畜小屋二十。村人は百人ほど。
オーク兵士四千で進軍し、取り囲み、制圧する。
何人かは軍隊が迫るのを察知して逃げ出したのでグリフォンライダーたちが先回りして捕まえてきた。
村人は全員、村の中央の広場に集める。百対四千だ。誰も抵抗しようとはしない。村人の中には何人か獣人も混じっている。その中から、代表者っぽい爺さんが進み出た。
「ワシがこの開拓村の村長じゃ……」
「ジジイと話してもたのしなーい。もっとイキのいいの出して頂戴。」
ご主君様のわがままで村長が固まる。テンプレ演出を出鼻で砕かれてどうしようという風情だ。
「わ、私がご対応します。」
集めた村人の中から白い服の少女が進み出る。清楚そうな銀髪美少女だ。
「ティア様! 危のうございます。」
「村長さんよりは、この場は、いいかと思います。」
「お嬢さん!あっしらのために……す、すまねぇ!すまねえだ!」
カエル頭の獣人、フロッグマンも止めに入るが、少女は頷いて黙らせた。村の社会から人望があることが読み取れる。
ちなみにフロッグマンとは上級魔族カエルスキーが創造したと伝えられる種族だ。水場が得意だが、比較的どこの土地でも生息できる。そう、開拓村でも適応可能だ。
「あらカワイイ!うーん、薄幸そうでいいわね!あとでたっぷり遊んであ・げ・る!」
カワイイのはフロッグマンではなく銀髪の少女だ。ご主君様はフロッグマンには興味がない。
(ねえ、カエルのチ●ポってデカいのかしら?)
前言撤回。興味津々だった。
(フロッグマンには穴しかありません。オスとメスがそこから卵と精子を出して受精させます。)
(穴はあるのね! 興奮するわ!)
とりあえずオッケーらしい。はぁ……。
「私の名前はゲー・ティアという者です。あなたのも、目的は何ですか?」
「説明したげなさい。」
「はっ! 我が軍は食料が不足しております。どうか、可能な限り分けて頂けませんでしょうか。」
「ちっが~う!いい?アタクシは王よ?この国の王なのよ。頼んでどうするのよ。命令するのよ!全部よこすのよ!徴発よ!」
「国王陛下?……グントラーゼ・ピレイネ陛下?」
「違うわね。アタクシは新王。アンリ・グントラーゼ・ピレイネよ。う~ん。この名前もそろそろ飽きてきたわねえ。そうだ、シーザーにしましょう。アタクシ今日からシーザー・グントラーゼ・ピレイネよ!」
「アンリ……僭王ですか。第三王妃の連れ子。血縁はなかったはずなのにピレイネを?」
「当然じゃない。アタクシ神に選ばれた転生者……ってのもダサいわね。天使者よ!神の使徒よ!ゴッドよ!アテクシこそが神よ!」
「天使者とははじめて聞きます。……神? 地上に降臨した神はいないはずです。」
「ところがどっこい。いるのよ。アテクシが。ん~~~、何を司ってあげようかしら? 死とかはダサいし……そう、美!アテクシ美の神になるわ! 美の神シーザー! 美しくて聡明なアテクシにぴったりね! 今日が予言を授かった日よ! 天啓記念日よ! 宗教の幕開けよ! 聖典の第一章よ!」
村人も、オーク兵士たちも呆れて声が出ない。ご主君様はたった一人、輿の上で輝いていた。ワンマンライブだ。地上に存在するアッパラ太陽だ。
「……で、アンタからも異教の神の気配するわね。どこの神よ? ただの信者にしては気配が強いわ。」
ご主君様は上級魔族の憑依体なのでそういう気配には敏感なのだろう。
「……ゲンス・テソンです。はるか昔に伝えられた異界の神です。」
「知らないわねぇ。よっぽどマイナーなのねぇ。ゲンス・テソンって男神なの?それとも女神?」
「明確な伝承はありませんが、絵姿では男神の姿をしておられます。」
「ティア様。……ゲー・ティア様は、唯一最後のゲンス・テソンの巫女なのです。よって、神の加護を一身に受けておられますじゃ。」
村長が補足する。
「あらまぁレアなのね。レアものね! じゃあちょうどいいわ。アンタをアタクシの妻にしてあげる!このアタクシという新たなる神の血を残す実験の一号機にしてあげるわ! 最後の神の使徒なら、そりゃ加護もスキルもどっさりつくことでしょう! そして宗教改革よ! ゲンス・テソンは美の神シーザーの従属神にしてあげるわ。シーザーの美しさにメロメロになったホモチ●ポタチ奴隷神よ! さあ経典を書き換えなさい! ふにゃチ●ポの神様は縦割れキツキツア●ルのシーザーに従うと! おお新しく生まれ変わった新時代の宗教が幕を開けるのよ!」
「下衆い。」
「あ?なにいっちゃってんのこの小娘。よりにもよってアテクシがゲスいですって?取り消しなさいよこのクズ。ブス!ブスブスブスブス!!ドブス!!!」
「私、礼には礼を持って接しますがゲスには相応の対応を取ることにしています。」
「あら。言うわね。いいわ。予定変更よ。血の小便流すまでギタギタのボコボコのズコバコにしてあげるわ。このたくましいオーク兵士たちでね!」
ご主君様がスッと腕を上げる。軍隊に動揺が広がった。多数で少女を囲んでボコるなど兵士の仕事とは思えない。ざわざわと相談がはじまる。
「ゲス様の配下は悪役の自覚が足りないようですが? 貴方よりもよっぽどまともな人達のようです。」
「全く使えないわねぇ。使えないブタねえ。でもアテクシ、女には容赦しないのよ?だってアタクシも女だもの。アタクシからイイ男をかすめとっていくぬすっとだもの。だからこうしてやるわ。」
ご主君様が輿に座ったまま指先を向ける。指先に魔力が集中する。
ビシュン!
ご主君様の指先から放たれた細い魔力弾がティアの腹を貫通した。子宮だ。まず子宮から狙うとはご主君様の性格がわかる。少女が貫通した腹を押さえて両膝をついた。白い衣服が血で赤く染まる。
「あ~~~ら!あらあらあらあら!もう子供うめないわねぇ!!いーーーい気味!ざまーみろ!根絶やし!根絶やし!!きゃはっ☆」
ご主君様が輿の上で盛り上がる。逆に村人も兵士も盛り下がった。
「不敬、ふけい。フケイザ~イ!! アタクシを馬鹿にしたやつは皆死ぬのよ! さあ、食料とコスメを出しなさい。化粧水と脱毛クリームと口紅とマスカラよ! ああと、そのメスガキは死ぬ前にオチ●ポの味を教えてあげなさい。アタクシ心が広いから。不敬の罪は一発で許したから。ホントに許したから。あとは慈悲の心よ。善意よ。オークヒーラーの治療で長持ちさせつつ下のお口でチ●ポしゃぶらせ続けさせてあげなさい!命令!はやく!はよ入れろ!」
「ははっ……ここまでの悪がいたとは……村長さん……あとは頼みます。」
ゲー・ティアの足元に魔法陣が出現した。巨大な魔法陣だ。村の広場を包み込む大きさ。
「ゲンス・テソン様の名において……召喚します。異世界の戦士を。ゲンス・テソンの兵士たちを。そう。いにしえの勇者セン・ニンを! 天に選ばれし知恵者テン・センを!」
これは召喚の魔法……勇者召喚?
魔法陣が輝く。もっと輝く。ゲー・ティアという少女の肉体が高く高く浮かび上がり、地上からたちのぼる光の柱となる。少女の肉体はみるみるうちに大きくなり、横のへ広がり変化していき、巨大な扉となる。
ご主君様は最初ビビっていたが、途中から『なによー。光るなんて生意気』と指からビームを連射していた。しかし穴だらけにしても止まらないと見ると今度は輿を飛び降りて一人で魔法陣から逃げ出した。。
やがて村の中心に巨大な扉ができあがる。大人十人が横に手を広げて通ることができるくらい大きな扉だ。
扉はひとりでに開いてゆく。その向こうは開拓村ではない。この世界ではない。どこか別の世界だ。銀色の巨大な建造物がひしめき、黒く汚れた空、行き交うカラフルな乗り物。こちらを覗き込む人々。
「あら摩天楼。香港かしら? やるじゃなーい! きゃはっ☆」
扉は消え失せる気配がない。向こうには人だかりが集まってくる。魔族のツールのような板をこちらに向けてパシャパシャとフラッシュが瞬く。
勇者召喚というわりにはセン・ニンもテン・センもでてくる気配はない。カラフルな服装に身を包んだファッショナブルな男女が観光気分で群がってきているだけだ。
「なんとかテソンって、ゲンシテンソンのことだったのかしら?まわいいわ。オーク兵士たち記録しなさい。今日から美の神シーザーの華麗なる異世界転生最強チート無双現代往復疲れたらマンションに帰ってホストにちやほやされて寝る伝説のはじまりなのよ!!」
誤字等ご指摘願います。
ここまでで約97,000文字。一区切りです。
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