表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

音色

作者: 海之本

カラダの中

日毎に

砂つぶ

さらさらと降り積もる

骨となり

肉となり

やがては

鳴り響く音色となった


夜の隙間から

張りぼての街が

ゆっくり

廃れていく


このまま


寝息のように

吐息のように


もし


もし


もし叶うのなら


耳を浸らせ

届かぬ指先

覚めぬ夢の

向こう側へ


このまま

ずっと


夜を染めた弦

星空は無数の針穴

吹き抜ける音色

心地がよく

微睡む


皮膚から

さらさら

音譜がこぼれ


星は弾け

月は綿毛

風は雅楽

雲は溶け

雨は眠る


ただ

今だけは


今だけは


昼を消し去り

届かぬ指も

許されぬ望みも


さらさら

さらさら

さらさら、と


廃れた街が起き上がる

その時までは


朝を忘れて


見えぬ弦

あばらの砂で形造る


睡魔の悪戯

あるいは

既に夢なのか


音のない音色


まだ少し

あと少し


どうか

我が目よ

覚めないで


どうか


どうか

せめて夢の中で


このまま



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ