小松シリーズ第二号 その1
こんにちは、来てくださってありがとうございます。
小松君の二つ目のお話です(/ω\)
【1】
「私は浮気責めているわけではないの。どうして黙って他の女と一緒にホテルに行ったの? 私じゃあ、不満?」
「いや、英雄色を好むって言ってさ。俺ほどモテる男は少し遊ぶくらいがちょうどいいんだよ」
「信じられない。本命の女の子を大切に出来ないで、何が色を好むよ」
「それって遠まわしに浮気責めているよね。俺付き合う時言ったよね。常識で物を捉える女性は苦手だって」
「でも、あなたは私を選んでくれたよね?」
「うわー、結婚もしていないのにそういう話する? 重いね。俺には扱いきれないや」
好んで浮気を問い詰める現場に居合わせたわけではない。俺は空き教室で眠っていただけなのだ。言い訳ではない、本当の話だ。
寝始めた時はそれなりにいくつかの人のブロックがあって、和気藹々を話したりしていたのだが、机に突っ伏していた俺が少し顔を上げると痴話げんかをしている二人と俺以外は教室から姿を消していた。
痴話げんかってどっちもどっち感があるよな。
けんかの時点で冷静じゃないから、ってかこの場合はけんかでは無いよな。
男の方は冷静だ。それにしてもこの男はよくモテるんだな。俺もこれくらいモテれば、英雄色を好むを実践したいところではあるが、そんな希望に満ちた未来は俺の前から尻尾を巻いて逃げていそうだし、それはそれで仕方ない。
「だいたい、付き合うって選ぶ行為でしょ? 付き合う時に約束したよね」
「俺は人を喜ばせることが行動理由だから、相手が喜ぶならどんな約束でもするよ」
「ねぇ、知ってる? 約束って守るためにあるんだよ」
「違うね。約束は一時の安心を得るためにあるんだよ。破るためにってまでは言わないけど、それだけ俺が優しいってことだよ」
パンッと乾いた音がした。どうやらオイリー肌ではないらしい。
「……」
「何? 頬をはたいた上にだんまり?」
「呆れて物が言えないだけよ」
女の声は怒りを抑えた非常に力がこもった声だった。
「言えたじゃん。良かったね」
男の方は飄々としてどこかからかう風だった。
「揚げ足取らないで。あなたはもう他の女との関係をやめる気はないのね」
「それも細かく言うと君の理解とは違うのだけど、俺はどの女の子と付き合っても、他の女の子も本命の女の子も平等に扱うさ」
「……さよなら、もう連絡してこないで」




