甘党彼氏
別サイトで書いていたものの番外編を少しアレンジして再掲。
「お待たせー」
少し掠れた声に振り返る。
微笑んで私を見るのは、私の大好きな人。
「待ってないよ、行こっか」
そう言って歩き出しながら、自然と手を繋いだ。
学校が終わって他校の彼と待ち合わせ。他の学生カップルみたいにカラオケとかじゃなくて、ゆっくりお話しながらおやつタイムが私たちの定番。
「楽しみだなぁ、パンケーキ!」
今日は新しく出来たカフェに彼の希望で向かっていた。
彼は生クリームたっぷりのパンケーキ目当てだ。
カフェに着いてメニューを開けば、彼は目を輝かせた。
「お目当てじゃないのもめっちゃ美味そう…」
甘い物に目がないところがとても可愛い。
「私はアイスティー」
「お前甘いのあんまりだもんなー」
そう言って彼はお目当てのパンケーキと私のアイスティーを店員に注文した。
それからいつも通り何気ない話で盛り上がる。
今日お互いの学校であったこととか、共通の友達の話題とか、昨日のテレビの話とか。
何でもない話ばかりだけど、彼と笑い合って、いつも時間が過ぎるのが早くて、そんな時間が愛おしい。
そんなこんなしているうちに店員が注文したものを持ってきた。
店員は迷わず私の前にパンケーキを、彼の前にアイスティーを置いて去っていく。
少し彼と目を見合わせて、私たちはまた笑い合った。
彼がそんなに甘党に見えないのか、私がそんなに甘党に見えるのか、初めてはいつもこうなる。
そっと交換して、アイスティーを飲む。
彼が美味しいと差し出すのでパンケーキを1口もらった。
「あま…」
「当たり前じゃんー」
顔をしかめる私をけらけら笑いながら、彼は嬉しそうにパンケーキを頬張っている。
「すきだなぁ…」
私は彼に届かないくらい小さく、だけど確かに呟いた。
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放課後のカフェ。何気ない会話。
繋いだ手の温もりや、彼の笑顔。
なんでもない日常の小さな幸せが集まって、私は明日も笑顔になれる。
こんな日々が、ずっと続きますように…。




