捨て男
誰か僕を拾って下さいと書かれた段ボールの中に男が両脚を抱えてすっぽりはまっている。
「うわ、きもーい」
(あ、JKだ。)
「拾ってくださーい」
「え、ちょー受けるんだけど」
「僕はJK結構好きだよ」
「え、なにそれチョー受けるんですけど」
2人が出会った瞬間だった。
「にゃあ、にゃあ、」
「こらこら、慌てない、慌てない、」
「にゃああ、にゃああ、」
「お座り」
「お手」
「おかわり」
「伏せ」
「早く。」
「ごめん、ごめん、」
最初はこんな風にぎこちなかった関係も1ヵ月を過ぎると
「じゃあ、行ってくるよ。」
「あ、あなた忘れ物!」
「ああ、ありがとう。」
「じゃあ、行ってらっしゃい。」
「にこっ」
バタン
こんな感じになる。
捨てられていた男はひとりのJKに拾われ就職先を見つけ、ひとりの妻を手に入れた。
そんな男のサクセスストーリー。