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  作者: 東稔 雨紗霧
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それを拾うにあたって

出来るだけ毎日更新するよう頑張って書いていきたいです。

 うちの家の近所には積水ハウスの工場がある。

 そこの工場は規模が大きく、それに比例して従業員が多い。

 そしてその従業員の多くは外国人だ。

 人が多い=住む場所がたくさん必要

 ということで工場の近くにはその外国人達が住むマンションやアパートがたくさん建っている。


 うちの家の裏にもアパートが一軒建っている。

 そこの住人はブラジル人しか居なかったので、うちと妹は『ブラジルアパート』と呼んでいた。


 うちと妹の部屋は二階にある。

 部屋には窓が二つありその一つはベランダに、もう一つはブラジルアパートの砂利の駐車場の真横にあった。

 アパートの出入口は全て砂利の駐車場に向かって付いている。

 そのため、アパートの住人全員の出入りが良く見えた。

 ブラジルアパートの住人は交遊関係が広いらしく、アメリカ人やフランス人らしき人達など様々な人種の外国人が良く出入りしており、色々な人種の外国人が出入りするのが面白くてよく妹と二人でその窓からブラジルアパートを覗いていた。


 更に、うちの家の屋根はブラジルアパートの二階の通路のすぐ近くまでせり出しており、家の鍵を忘れたり、親から締め出しを食らったりすると、その通路の柵を乗り越えて屋根を伝って自分の部屋の窓から家の中に入ることが出来た。


 ある土曜日のこと。

 その日うちは中学校の(自業自得だが……)宿題を提出しなかったペナルティとして小学校六年生用の問題が書かれた二十枚のプリントが宿題とは別に出されたので必死に参考書を片手に問題を解いていた。


 それにしても中学二年生に小六の問題って先生完璧に馬鹿にしているだろう。

 確かに馬鹿だけれども、参考書無ければ分からないけども。


 もう、妹にやって貰おうかなぁなどと考える。


 妹は頭が良く、小学校卒業時に受験して中高一貫の進学校に行っているからだ。


 終わらないプリントにため息を一つ吐き、勉強の息抜きがてらに伸びをする。

 窓から風が入って来てショートカットの髪を揺らす。

 Tシャツの袖から入って来る風が心地よく、思わず目を細める。


 ふと、ブラジルアパートの駐車場を見てみると、駐車場の端っこで何かが太陽の光に反射して光っているのが見えた。

 目の錯覚かと思い、目をこすってみるがその光は消えない。


 気にはなったが、当面の問題は目の前に積み重なった二十枚のプリントの消費であるので再び、嫌々ながら勉強机の上のプリントに目をやった。



 次の日

 うちは残り一枚となったプリントの半分までを埋めることができたので一息つくことにした。

顔を上げるとまた、駐車場の端っこで何かが光っているのが見えた。

 時計を見ると十三時三十一分を指している。

 残りの問題を見て十分でプリントが終わることを予測し、プリントが終わったら見に行こうと計画した。


 十分後

 ようやくプリントが終わった。

 開放感を味わうために伸びをし、さあ、遊ぼうと思った所で本来の目的を思い出し、窓の外へ目を向ける。


 やはりその何かはさっきと変わらず光を放っていた。

 太陽の光を反射している何かの位置を確認し、外に出る。


 特に意味は無いけれど、家の周りの膝までしか無い低い塀の上をバランスを取り歩きながらブラジルアパートの駐車場まで行く。

 塀から下り、さっき確認した場所の辺りの地面でしゃがんでみる。


 それは(・・・)、すぐに見つかった。

 それは(・・・)、透明なポリ袋のような物で包まれていた。

 そして、さっき見た時と同じように太陽の光を反射し、輝いていた。

 真夏の昼下がりの日差しは強く、反射した光が顔に当たるともの凄く眩しい。


 袋が開いていたのか、拾い上げると中の物が一つ落ちた。

 気が付かなかったが袋の中には二つ入っていたようだ。


 うちは思いもよらぬ綺麗な落とし物を拾い、気分のままにスキップしながら家まで戻った。

 途中、スキップを隣家のおばさんに見られ、生暖かい目を向けられたが気にしない。


 玄関を抜け、親に見つかる前に階段を駆け上がり、部屋に入るとドアを閉めて一息つく。

 部屋で勉強をしてた妹は騒々しく入って来たうちを訝しげな表情で見つめてきた。

 うちは体の陰に隠していたそれ(・・)を妹に見せた。

 「うわぁ………」

 妹はそれ(・・)を見て感嘆の声を上げた。

 窓から射し込む光を受けて、それは(・・・)、うちの掌に乗る程の大きさの金と銀で作られた・・・・・・・・・は二色の綺麗な光を放っていた。


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