ラプラスティックを登る夢を見た
ラプラスティックを登る夢を見た
欠けた角砂糖と一滴のバニラエッセンス
登っても登っても崩れる白亜の塔は、その頂きに黄金を抱える一つの蒼い虚無である
舌の上で転がすキャラメルと茶色に濡れるチョコレート
新緑の草原でお茶会を開く少女はテーブルを、何かの色に塗りつぶす
絞りたてのミルクと甘く煮詰めたコーヒーシロップ
お茶会の招待状は月を掬う少女には届かない
可愛らしく包んだクッキーと蜂蜜を固めた溶けないキャンディ
めちゃくちゃな色をしたテーブルの上には二つのティーカップ
ほろ苦いお茶にはたっぷりの角砂糖を加えましょうと
白い少女はバニラが香る吐息を漏らす
黒い少女はキャラメル色の眼差しを愉快に撓め
招待状の代わりにビターチョコレートを少女に差し出す
彼女はミルクで
彼女はコーヒーシロップ
真ん丸クッキーを二人で分けて
甘いキャンディ二人で舐めて
ラプラスティックの頂上に
黄金は本当にあるのかしら