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KILLDOLL  作者: 青空ショコラ
第2章 人形の世界
12/15

12衝撃の真実

人形たちが稲刈りを始めた時期にそれを知った。


ある時瑠奈がテレビが欲しいと言った。

ゲームがしたいらしい。

俺とキラーは困った。

テレビは人形たちの間では高級品でなかなか手に入らない。

遊び場で仕事で得た点数と交換できるがなんと必要な点数は2000点。

俺とキラーの点数を合わせるても1900点くらいであり、あと少し足りない。

しかも瑠奈が食べる食材を買わないといけない。

点数でお金と交換してそれで得た金銭でコンビニやスーパーで食材を買っていた。

ここでテレビを買ってしまうと食料を買うお金が無くなってしまう。

それに俺は外出券がほしい。

どうしたものか。

しかしここでキラーが提案する。

他の人形から点数を分けてもらうことにしようと。

実際これが可能なのかというと可能である。

実は俺たちみたいに一軒家に人形が複数住んでいることはこの島では当たり前なので一緒に住んでいる人形たちで点数を出し合って娯楽物や家電を買うことはけっこうよくあることである。

つまり何が言いたいかと言うとテレビを買うことに協力した人形は家のテレビを使っていいことにするのである。

瑠奈が見つかるかもしれないのは不安だが使用時間制限や日付で調節すればどうとでもなる。

さっそく俺たちは友人の人形たちに相談を持ち掛けた。

するとかなりの人形たちが点数を分けてくれることになった。

特にベアは乗り切だった。

やはりみんなテレビが見たいのである。

普通点数は身近な手の届く娯楽に使用するのが普通で、俺たちからすればテレビは一種の宝石のようなものだ。

なかなか手が届かない。

だから自分の点数を全部じゃなくて余裕のある点数を残しつつ、分け与えた恩恵でテレビという娯楽にありつけるのはむしろ大歓迎な提案なのだ。

そして点数が集まりいよいよテレビと交換するときがやってきた。

テレビを家まで運んでいる俺たちをみんな羨ましそうに見てた。

そして家まで運び2日後業者が来て観れるようにテレビ線をつけたりしてくれた。

俺も久しぶりのテレビでテンションが少し上がっている。

いよいよテレビを見る日になり点数集めに協力した人形たちが家に集まってきた。


キラーがテレビの設定をしている時みんなそわそわしていた。

人形はベア、ガイコツ、坊ちゃんと彼が連れてきた教徒の人形がが3人、キツネ、オオカミ、チーターのなりをした人形である。

みんないつもより口数が少なくて、視線を窓に向けたり、部屋を見まわしたりして気持ちを紛らわしていた。

一番落ち着きのないべアがキラーに


「なぁキラーまだなのか?」

「もう少しだね」

「そ、そうか」


人形たちは今か今かと待ち望みテレビの設定画面を凝視していた。

そして設定が完了した。

俺がリモコンを持つと


「ど、どうする。何を見る?!」

「落ち着けベア」


ガイコツがベアを制した。

それから続けて、


「まずテキトーなチャンネルをつけてみたらどうだ」

「そうだな」


俺はコクンと頷いてテキトーにチャンネルのボタンを押した。

テレビが最初に写したのは野球の試合だった。

みんな最初は静かに見ていたがだんだん口数が増えていきついに熱狂は凄まじいものとなった。

選手がホームランを打つと歓声が上がり、三振の空振りにすら声が上がった。

その日は明け方までテレビを見て、そのまま朝になりみんな仕事へ直行した。

みんなが帰ると瑠奈が現れ、もう大丈夫?って顔でこちらを見る。

俺は大丈夫と伝えて瑠奈にリモコンを渡した。

すると瑠奈がさっそくテレビをつけてすごい笑顔で画面を見始めた。

そしてこちらを見て、


「ありがとう、ディア、キラー」


瑠奈の幸せそうな顔を見て俺は本当に買ってよかったと思った。


ベアがまた家に来てもいいと聞いたので時間を決めてその時刻に来いと言った。

俺とキラーがみんなが来る前に瑠奈を物置部屋に移動させようと急いで帰る。

するとなんと家の前には坊ちゃんと昨日テレビを見た教徒計4体の人形が玄関の前にいた。

まさか・・・。

そのまさかで家に帰ると瑠奈がテーブルの下に隠れて泣いていて、それを人形たちが呆然と見て立ち尽くしていた。

キラーはすぐに瑠奈に寄って泣き止ませようとして背中をさすった。

俺は人形たちを家に入れた。

そこで坊ちゃんが最初に口を開き、


「すまん。ディア、つい我慢できなくて来たら人間の女の子がいて・・・」

「・・・・・」

「ディア?」

「このことは他言無用でお願いしたい。もし誰かに言ったら二度とテレビは見せない」

「わ、分かった・・・なぁお前ら」


他の人形たちは頷いて、瑠奈はようやく泣き止んだ。

そのときドアが開き、ベアがプレステージ2とゲームソフトを持って家の中に入ってきた。


「ん?どうした。みんな?」


そして昨日集まった人形たちで話し合いをした。

ガイコツも途中から加わり1時間くらい話し、こう結論を出す。

瑠奈が見つかった時の責任は俺がすべて背負うからみんなは黙っていること。

俺が瑠奈を隠していることは俺とキラー以外の人形たちは全く知らなかったことにする。

テレビを見たりゲームをプレイしたりしたかったら余計なことはしない。

もちろんこのことは看守はもちろん、他の人形にも言わないこと。

そう話しているときベアと瑠奈はゲームしていた。

瑠奈はベアに笑顔を見せてすっかり馴染んでいる。

俺は今日ほどベアに感謝した日はない。

その日は解散した。

瑠奈に大丈夫と伝えたが不安そうな顔をしてたのでキラーがまた背中をさすって落ち着かせた。


しかし杞憂だった。

瑠奈はすっかり人形たちと馴染み一緒にスポーツ観戦をしたりゲームをプレイしたりと楽しんだ。

ベアとガイコツとは特に親しくなり、テレビ以外でもトランプで遊んだり、キャッチボールをしたりした。

ホントに楽しかった、この時間がずっと続けばいいと思った。

俺は人間時代をいつもなつかしみあの時がまた来てほしいと考えていた。

しかしそんな考えが薄れていき、渇望していた外出券もそれほどほしいとは思わなくなっていった。

だがここから信じられない出来事が起きる。


ある時またみんなで集まってテレビを見ようとした。

いつも瑠奈が最初にリモコンで好きなチャンネルを見るが今日は寝ていた。

しかたがなく俺がリモコンでおもむろにニュース番組を開いた。

普段みんなはニュースは見ずバラエティー番組やスポーツ番組を見るのだがなぜかその日はニュースを開いた。

最初は国の経済や外国との外交問題を取り上げていた。

みんな退屈そうにしていたのでチャンネルを変えようかとリモコンを持ってテレビの前に向けたそのとき衝撃的なニュースが流れてきた。

女性のアナウンサーがニュースを読み上げた。


「今年の7月に起きた飛行機墜事故でいまだ行方が分からない大量殺人の容疑者である仙道瑠奈について速報です。捜査官は飛行機事故当時は仙道瑠奈の正体を極秘にしていたことが分かりました。捜査官がインタビューで混乱を避けるためと話しています。仙道瑠奈容疑者は7月15日通っていた女子高で銃乱射事件を起こし9名死亡12人に重軽傷を負わせる事件を起こしました。その事件の後すぐに仙道容疑者は飛行機で逃げましたがその飛行機が墜落してそのまま行方不明ななりました。現場で人形が仙道瑠奈らしき人物を救助したなどの情報が入りましたが真偽は分かっていません。そしてなにより特筆すべき点は人を殺しても人形にならなかったことです。人形科学研究所は前例がなく、ありえないと言い続け、彼女がもしかしたら人形化についての謎を解くカギになるかもしれないと答えました。引き続き総力を挙げて捜査を続けると警視庁は声明を出し・・・」


俺たちは固まった。容疑者の写真がテレビに映ったが、写っている人物は紛れもない瑠奈、仙道瑠奈だ。

ニュースが終わったとき瑠奈が二階から降りてきた。

唖然としている俺たちを見て瑠奈は言った。


「どうしたの・・・みんな。」



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