プルを歓迎する悲(喜)劇
アマリが歩き出すと、プルが見えていた風景が変わりその先に家が見え出した。
「あれ?奥に変な家がある?...さっきはなかったのに?...ツッコ達の家なの?」
プルは興味深そうに家を見ている。
「そうだ、あれが俺達の家だ。...しかも結界で俺たち以外は入れないらしいぞ」
ツッコはそう言いながら思った...結界って本当に見えてないんだなと。
「まあ、この家もらったものだからね。僕達も仕組みは知らないんだよ」
ボッケはそう言って苦笑いした。とりあえず神様からもらったことは説明がめんどくさいので省くことにした。
「そうなんだあ...少し変な形だね」
プルが街で見る家の形と若干違っていたが、特別気になるとこはなかった。
「そういえばカンフォラさんに了承取らないといけないんじゃないの?」
そのアマリの言葉からツッコ達はギルドへ報告に、プルは泊まれるかを聞きに巨木へ向かうことになった。そしてプルは結果を聞いたら、この家で待っていてくれということになった。
その後ギルドから帰ってくると待っていたプルが飛んできた。
「早く、ご飯食べようよ。あと泊まっていいって言ったよ」
「よかったなプル」ツッコがそう言って笑った時だった。
「ただカンフォラも誘ってみたけど、人間の家は同族の死体が、そこら中に散らばってるようなものなので遠慮します。って言ってた」プルは頭を傾げている。
「同族の?...そういえば木製のスプーンとか家具とかたくさんあるな」
ツッコは手を片方は腰に片方は頭におき考えていた。
「そうだよ僕達でいえば骨でスプーンとか家具が作られてる感じなのかな?...怖すぎるね」ボッケは想像したのか嫌そうな顔をしている。
「まあそう考えると、絶対行く気がしないね」
アマリも肩を落とし落ち込んでいる。
「立場が変わると、こんなに違うもんなんだな」
ツッコは難しい顔で自分の木製の盾を触っていた。
「そう考えると、カンフォラさんが喜ぶものってなんなんだろね」
ボッケの言葉に答えられる者はいなかった。
「いつか何かお礼がしたいね」
アマリがそういうとツッコとボッケは頷いた。
「ワタイ早くご飯が食べたいいいい!」
プルはツッコ達の顔の周りを飛んでいる
「そ、そうだったな、まあ今日はプルの歓迎会みたいなもんだしな、始めるか!」
ツッコがそういうと、全員が笑顔に戻った。
そして台所に全員が集まりアマリがメインでツッコとボッケがお手伝いで料理が始まった。
プルとドゥエンデは最初はその様子を見ていたが、飽きたのか2人はクッションで何か喋っていたが、ドゥエンデが寝てしまうとプルもつられて眠ってしまった。
その後しばらくすると夕食支度が済み全員が席についた。
「最近、獲物の肉をもらえることがわかってな、この前のアオイノシシの肉でシチューを作ったんだ」ツッコは鍋を指差し、反対の手は力強く握られていた。
「報酬は減るけどね...けど街で買ったアカウシの乳も入れたからご馳走だよ!」
ボッケは目を閉じて鍋から出た匂いを嗅いで心地良さそうな顔をしている。
「食堂のカインさんに教えてもらったんだよね」
アマリは嬉しそうな顔で鍋を取り分けるオタマを持ってきた。
「干し肉以外の肉なんて、食堂以外じゃいつぶりだよ」
ツッコは少しは気軽に肉が食えるようになるまでの苦労が一気に思い浮かび目頭が熱くなった。
「毎日、お粥ばかりだったからね...これからはたまには食べれると思うと...」
ボッケも辛かった日々を思い出し、少しうるっとしていた。
「早く食べたあああいいい」
プルはもう我慢できないのか皿を持ってアマリに入れてくれと催促していた。
「ワタシモ タベタイ」
ドゥエンデもプルを遮って皿を差し出し始め、妖精二人は自分が先だとほっぺたを引っ張りあっていた。
「じゃあ、もうみんなに配るから食べよ!まずプルとドゥエンデからね」
アマリはそう言ってまず押し麦のクレープを小さくちぎって妖精達渡した。
そして鍋からまず具を取り出して細かく切ってから皿に入れ、その後具なしの液体を入れてあげた。
その途端妖精二人はほぼ無言で食べ始めた。どちらも美味しいのか時々羽をブンブン振っていた。
「なんかすごい、美味しそうに食べてるね」アマリは嬉しそうな顔で言った。
「オレ達も食おうぜ!いただきます!」ツッコはそう言って食べ始めた。
「「いただきます!」」ボッケとアマリも続いて食べ始めた。
ツッコは無言でがっつきながら思った...なんだこれ!うめえええ...噛んだら出てきたこの肉汁といい、この噛みごたえといい...干し肉なんて比べらんねえ...しかもこのダシの複雑な味は...アカウシの乳も押し麦を引いた粉を入れたからか...おかわりはあるだろうかと。
ボッケも無言でがっつきながら思った...本当にうまああああいいい...昔食べたクリームシチューに似ているけど...味付けが塩だけなのに...野菜のきのことアカウシの乳と肉の旨みがこんな...噛んだら肉汁が溢れ出てきてうまああいいい...もう毎日肉入れたいなあ...あと2杯は余裕でいけるかなあと。
アマリは無言で味わいながら思った...すごい美味しいいい...アカウシの乳も加えたりして今までで1番時間がかかったし...もっと時間かけると美味しくなるのかなあ...このお肉...噛むと肉汁が溢れてくる...カインさんに言われた通り最初に良く焼いてから入れるとパサパサにならないと言われ焼いたのも良かった...母さんの料理美味しかったな...ドゥエンでもプルもすごい食べ方だなあ...ああまたこぼれてる...あれ、もうちょっとしかないな...あと1杯は食べれるかなあと。
「ワタイおかわり!」プルが顔をビチャビチャにしていった。
「オカワリ!」ドゥエンデも同じように顔をビチャビチャにしていった。
アマリは二人にさっきのと同じように用意しつつ思った...まあ顔は最後に拭けばいいかと。
「「おかわり!」」
そしてボッケ、ツッコが同時に皿を持って立ち上がりおかわりを食べ出した。
「私もおかわりする!」
その後アマリがおかわりした後、残り少なくなった分を大体当分にみんなの皿に盛ると空になった。
「もうお腹いっぱいいい」
プルは嬉しかった...酒を飲んで現実逃避じゃない日々...初めてできた一緒に行動する仲間...歓迎され、ご馳走までしてもらえたことに。そして気付いた、お礼を言わないといけないことに。
プルは両手を組んでキョロキョロしながらも勇気を出してみんなにお礼言った。
「...ワタイ...嬉しかった...ありがとう」
しかしその顔は、さらにビチャビチャだったのでみんなで笑ってしまった。
誰が顔がびちゃびちゃにしたかわかりずらかったので追加とビチャビチャに変更しました。すいません。




