カンフォラの小言の悲(喜)劇
カンフォラはニコニコしながら「ハイ」と手を軽く叩いた。
「これからも採取したいなら、アオイノシシがいる所にも行くしか無いですね!」
「は!...」「へ!...」「え!.....」
衝撃の内容に3人は絶句した。
「もう薬草のある場所でアオイノシシのいない所は教えてしまいましたからね」
カンフォラは普段と何も変わらず、のほほんとしている。
「あ、あのアオイノシシと戦わない方法ってないですか」
ツッコが青い顔の表情のまま訴えた。
「戦わずにですか?まあ、逃げるしかないんじゃないですか?」
カンフォラは頭を傾げ不思議そうな顔をした後続けた。
「でも、あの程度の雑魚に逃げてるようでは、どこ行ってもダメでしょう?それに、これからLV上げるのに、ものすごい時間かかると思いますし、採取もできませんよ?」
3人は辛い現実に死んだ魚のような目で何かを見ていた。
少したち、現実に戻ってきたツッコの眉間には深いシワが刻まれていた。
「背に腹は変えられねえし、腹を括るか」
「僕はもう、お腹くだしそうだよ」ボッケは嫌そうな顔でお腹を抑えた。
「そ、そもそも私達だけで勝てるの?」アマリは青い顔の表情のままだった。
「勝てるかじゃねえ、採取できねえと金なくて餓死なんだぞ」
ツッコは、もはや諦めの表情だ。
「で、でも何か作戦があるだよね?」ボッケが期待感持ってツッコを見た。
「ねえ」ツッコはもう表情が無かった。
「もうダメだあ」ボッケは頭を抱えた。
「もう終わりだよ」アマリは泣きそうになっている。
その時プルがどうでも良さそうに言った。
「カンフォラに頼めばいいんじゃないの?」
「「「「えぇええええ」」」」
3人は歓喜で驚き、カンフォラは呆れて驚いていた。
「ま、待ちなさい!私は手を出しませんよ!あなた達で倒しなさい」
カンフォラは落ち着きを取り戻すと迷惑そうな顔で言った。
「ワタイ達を助けてくれないの?」
プルが言うとカンフォラは困り顔になったが、突き放すように言った。
「いつも助ける事はできないでしょう?それに私を見ると逃げちゃいますしね」
「「「「そんなあ!!」」」」プルを含めた4人はガックリした。
「まあ頑張りなさい、ダメなら木に登ればいいでしょ、多分勝てますよ」
カンフォラ的にはプルは飛んで逃げれるし、余り深刻に考えてなかった。
その後3人は異なる木の上で思う存分、木に抱き付き質感や香りを堪能していた。訳ではなく、その下を見るとアオイノシシがウロウロしていた。
「あのアオイノシシ、元気だねえ」ボッケは嫌そうに呟いた。
「じゃあ作戦通り行くぞ?わかってるな」ツッコが威勢よく言った。
「ええと、『会ったら逃げて木に登り、そこからスキルで攻撃しまくる作戦』だったね」ボッケはため息をついた。
「我ながら、情けない作戦だね」アマリは嫌そうな顔をした。
「シュウタイ シュウタイ」「ワタイあいつ嫌い、バーカ!バーカ!」
妖精達はアマリの両肩に座り好き勝手言っていた。
...木にしがみ付いてなければねえ、カンフォラならそう言ったろう...いや、コッソリ近くの木の中から見て大笑いしていた。
「しょうがねえだろ俺達弱いんだからさ...もう一つぐらいレベル上がらねえと防御しても、すっ飛ばされるだけだろ。じゃあ行くぞ!」ツッコの号令で全員スキルを発言させた。
「アオイノシシって具合でも悪いの?」
「俺達と同じだな」ボッケ、ツッコと続き2人で苦笑いをした。
アマリは木のお面を付け、デュエンデが飛び立つと体の外側の空間から2ビートが響いた。
「エコー! アイッ(Aight)!」仮面アマリが元気よく叫び、さらに続けた。
「アッ(Uh)! アッ アオ イーノ しぶとい 図太い 帰りたい ダン(Done)!」そしてドゥエンデも同じラップを元気よく繰り返した。
ボッケのボケが終わる瞬間だった。アオイノシシが後ろに滑って背中を打ち倒れた。すぐに起き上がろうとした所でさらに滑ると後頭部を打ちつけた。そして頭を振って起き上がると同時に約25cmの石が結構な勢いで頭に落ちたが、多少ぐらついただけだった。しかしまた同様に頭に当たるとバタンと横に倒れた後によろよろ立ち上がろうとしていた。
その時カンフォラは、これは見たことがあった変なスキルだなあと思っていた。
そして絶え間なく3人はさらに続けた。
「青イノだって、おかしいの!」
「お前だけで十分だな」笑顔だったボッケはツッコをジト目で見ていた。
「アッ(Uh)! オッ(Oh)! いの しし 回し 落とし いとをかし イェア(Yeah)!」
仮面アマリの元気なラップをドゥエンデがノリノリで繰り返す!
アオイノシシがやっと立ち上がった時だった、その周り半径50cmぐらいの範囲の地面が足ごと6cmの厚さで凍りついた。それに驚きつつ足を抜こうとしていると氷ごと後ろに滑り頭を打ちつけた。そして間髪入れず全身が3cmの厚さで凍りついた。その上、頭に約25cmの石が結構な勢いで頭に落ちると、その部分の氷が壊れ倒れ込んだ。
それを見計らったようにプルが叫んだ。
「アマリィ、いけえ!あと酒飲みたああああああい!」
その瞬間だった、アオイノシシの上空で丸い暗闇が開き、稲妻が落ちると轟音が鳴り響いた。刹那、アオイノシシに落ちた電撃が1秒ぐらい体の中で暴れ感電させると完全に動かなくなった。
「た、頼む、これで終わりだろ!?」「これで、終わって下さい!?」
「倒れて下さい、お願いします!?」「バカに対する天罰じゃああああ!」
プル以外が祈りを捧げていた。
それを初めて見たカンフォラもスキルは知っていたが実際見るとでは全然違っていて口が開いていた。
その後、木に登ったまま3分待っても動かなかったので、ジャンケンで負けたツッコが確認しに行き、やっと倒したことがわかると全員安心したのか座り込んだ。
「本当に木があってよかったなあ」ツッコがしみじみ言った。
「僕たちには森が必要なんだよ」ボッケもどこか遠い空を見ていた。
「森、上がる」
アマリが小声で呟いたしょうもないギャグでカンフォラが吹き出していた。




