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異世界言ってみよう  作者: サラニネル


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カンフォラの魔石の悲(喜)劇

次の日はスッキリと晴れていた。

巨樹に向かうとまだ雨が乾き切ってないのか草木には水滴が付いていて、ドゥエンデが触って遊んでいる。根本に着くとプルが欠伸しながらフラフラ降りてきた。

「はぁあああぅぉおはよう」

カンフォラが大樹から現れてプルの口に朝食代わりの何かを飲ませた。

「プルさあこれ食べて。...しっかり目を開けなさい」


ツッコは早速カンフォラに魔石のことを聞いてみた。

「あのお、カンフォラさんって、魔石とか、あげたりする事もあるんですか」

「...魔石ですか?私はあげた事はありませんね」

カンフォラは不思議そうな顔をした。

「た、た、大変申し訳ありません...魔石を一つもらえないでしょうか?」

ツッコが頭を下げると、ボッケもアマリも慌てて続いた。


カンフォラが驚きながらも答えてくれた。

「...そうですねえ、昔作ったものがありますが、余剰エネルギーのストックなんですよ。だから非常事態に使うので、ポンポンあげるわけにはいきませんが...」

「そ、そうですか、大変もうしわけありませんでした」

ツッコが再度頭を下げると再度ボッケとアマリも続いた。

「けど、なんで魔石なんか欲しいんですか?」カンフォラは頭を傾げた。


「俺達防御が弱いので良い性能の装備が欲しいんですけど高くて買えないんです。それで、装備に魔石付けると、精霊の能力に近い効果が出ると聞いたので欲しかったんです」ツッコは申し訳なさそうに頭を掻いた。

「...しかし私の能力なら何が付くんでしょうね?大半が戦闘に向いてないですけどね」カンフォラは興味深そうに考え、苦笑いをした。


「カンフォラ、ワタイ魔石見てみたい!」

プルがそう言うと、カンフォラは、わずかに考えてから言った。

「まあいいでしょう一つあげます。プルのレベル一つ上げてくれましたし、私も装備になった時の効果は興味ありますし」

そう言いカンフォラが手を開くと、親指大の丸くて濃い緑色の魔石が現れた。

「すごい綺麗な石」アマリがそう言って目を見開き、皆も魔石から目が離せなかった。

「スキル以外も私は道具の能力も分かりますから、持ってきてくれれば見ますよ」

カンフォラも魔石の装備は興味があるようだった。

「わかりました。できたら、すぐ持ってきます。ありがとうございました」

ツッコが頭を下げ全員がそれに続いた。


いつもなら採集に向かうのだが、まさかの精霊の魔石が手に入ってしまったので、先に街の鍛冶屋へ行く事にした。

休んでいたフラムルが気付くと相変わらずでかい声が響いた。

「おう!今日は何の用だ?」

ツッコは前のめりになるとフラムルに聞こえるよう大きい声で言い返す。

「この前の話って本当だよな?やってくれるよな?」


「この前の話かあ?」フラムルは考えたが記憶に無いようだった。

「精霊の魔石もらったら銀貨1枚でやってくれるって言ったろ!」

ツッコは少し焦りながら言った。

「な、なに?...お前ら精霊から魔石もらってきたのか?」

フラムルはツッコ達の装備的に信じられないのか口を開けていた。

「ドライアドの精霊って言ってたけど」

ツッコはカンフォラからもらった魔石をフラムルに差し出した。


フラムルは魔石を手に取ると、メガネをかけて入念に調べ出した。

「ドライアドか...まあ、ドライアドでも、お前らよくもらえたな。...とりあえず鉄の兜につけるか?それともペンダントトップにするか?」

フラムルは魔石を見ながら想像していた...鉄の兜につけるとかっこいいなあと。

「ねえねえ、効果は何が付くかわかるの?」ボッケはたまらず質問した。

「俺にはわからんな。...ギルドで鑑定してもらうか、鑑定できる人に頼むんだな」フラムルはそっけなく言った。


その後、全員でどっちにするか相談して決めると、ツッコが言った。

「じゃあ、ペンダントの方にしてくれ。効果次第で誰につけるか選べるしさ」

「ペンダントの方か、じゃあ銀貨1枚なら鉄で、銀貨10枚なら銀で、金貨10枚なら金で土台作れるけどどうする?」

フラムルは少し残念そうな顔をした後、鉄と銀と金のペンダントを見せてくれた。

ツッコは高い価格にうんざりした顔で聞いた。

「土台変えると何かいいことあるのか?」


「金、銀、鉄の順に引き出せる力が高いんだ。銀の方が1割ぐらい、金なら2割ぐらい力が上がるらしいぞ」フラムルは腕を組み思い出しながら言った。

「金は無理だけど、銀なら払えるから銀にした方がいいよ」

アマリが言うとツッコも意見を決めて言った。

「そうだな。じゃあペンダントの方を銀で作ってくれ」

「よし、わかった。ペンダントトップに革紐も付けとくから、込みで銀貨10枚と銅貨100枚になるな。...作るのに2日はかかるからな3日目以降に取りに来てくれ。支払いはそん時でいいからな」フラムルがそう言うと、お礼を言って外に出た。


そして3日後の休日に鍛冶屋で受け取ると、興奮しながら次の日を迎えカンフォラに見てもらう事にした。

「これが、私の魔石を使った装備ですか?」

カンフォラはペンダントを受け取ると指でつまんでしげしげと眺め出した。それは、まるで桜餅のように魔石を1枚の葉で包んであるような形をしていた。

「葉の形をしているのが最高ですね!...中々綺麗な形ですねえ...」

カンフォラはかなり気に入ったのか笑顔で見つめていた。


「す、すいません、効果は何があるんでしょうか?」

ツッコが恐れながら質問すると、カンフォラはやっと気付いたのか返事をした。

「ああ、そうでしたね。見てみます」

カンフォラは、さらに集中して見つめた後、微妙な顔をした。

「あ、あのですねえ。効果は...」

「「「効果は?」」」 全員が息を飲み込んだ。


「光が当たってる時は元気になります」


カンフォラの答えに全員がぽかんと口を開け固まった。

「あのう、元気ってどうなるんですか?」ボッケが立ち直るや質問した。

「そうですね。...具体的にいうと、日が当たってる間は体力が回復します。回復量は1日中浴びてポーション1本分ぐらいですね。...あと他には、防御力が1割上がりますね。それと回復する時に効果が3割増しになるみたいですが。...微妙ですね」

カンフォラは期待ほどの効果がないのか、ため息をついていた。


「すっげえ!いい効果じゃないですか!」

ツッコは目を見開いてガッツポーズした。

「やったあ!これなら、もっと楽できるね!」

ボッケは複数の効果に信じられない顔をしている。

「すっごい!これなら少し怪我しても安心だね!」

アマリは回復の効果が高まるので嬉しかった。

カンフォラは一瞬意外そうな顔をすると、笑顔で言った。

「よかったです。そんなに喜んでもらえたなら嬉しいですね」


「それじゃあ、ツッコ囮役よろしくね!」

ボッケは当然と言った感じで言った。

「てっめえ毎回毎回!!...けど、順番は次お前だったよな?」

ツッコはボッケを余裕の笑みで見返した。

「し、しまったあああ!...け、結構時間経ったから、じゃんけんやり直そうよ」

ボッケは焦った顔でツッコにしがみついた。

「順番は順番だ!ざまあみろ!」

ツッコはボッケを引き剥がし笑い出した。

「恥ずかしい!」「ザマア! ザマア!」

アマリは両手で顔を押さえ、ドゥエンデは真似して喋り出した。

プルも面白がってドゥエンデに続いた。

「ザマア! ザマア! そんなことよりワタイもなんか欲しい!」

そしてプルの言葉にカンフォラはプルとお揃いで作るのも悪く無いと考えていた。

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