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異世界言ってみよう  作者: サラニネル


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ランクアップとギルドのお願いの悲(喜)劇

それから2日後に夕方ギルドで報告が済んだ時だった。

「あなた達に少し話があるから、ちょっと奥に来ておくれ」

マーサの案内で奥の部屋に行くことになった。


その小部屋は相談用のようで、机を挟んで3脚ずつ椅子が置いてあった。

奥の椅子には髭を生やしたお爺さんが座っていて、その横にマーサが座った。

椅子にかけるよう促され、緊張した面持ちで話が始まるのを待った。

「まずは、あなた達のランクがFから初心者のCランクに上がったんだよ」

マーサは取り出したカードをそれぞれに渡した。


「...そうかあ、てっきり悪いことで呼び出されたのかと思ってビビったな」

ツッコは安心した顔になり、ほっと息をついた。

「本当だよ、奥の部屋に呼び出されると碌なことないイメージだもんね」

ボッケも緊張から解放された途端に姿勢が崩れた。


マーサは少し呆れると、疑った感じで聞いてきた。

「あなた達なにか悪いことでもしてるのかい?」

その時、誰も気づいてなかったが隣のお爺さんの目が鋭くなった。

「そ、そんなことしてねえよ!...で、でも川で魚とか捕ったけど?ダメだったんですか?」ツッコは焦った顔で聞き返した。

マーサも隣のお爺さんも余りのどうでもよさに肩透かしをくらい止まった。

「さ、魚は取っても大丈夫だよ」

マーサは苦笑いをして続きを始めた。


「さっきの続きだけど、今まで狩りや薬草採取の依頼をたくさんしてありがとうね。これからはランクC以上の仕事も受けれるんだよ。これまで以上に頑張りなさい」マーサは優しい顔で微笑んだ。

「ありがとうございます。俺達がんばります」

ツッコが頭を下げるとボッケもアマリも頭を下げた。

そしてボッケはもう終わりと思い立ち上がりながら言った。

「それじゃあ、失礼します」

つられてツッコもアマリも立ち上がった。


その時だったマーサの隣のお爺さんが声を上げた。

「ち、ちょっと待て!...わしはギルドマスターのブランという、よろしくの」

ボッケは老人を見るとツッコとアマリに聞いてみた。

「ギルドマスターって何?」

「お兄ちゃん多分このギルドの一番偉い人だよ」「タブン エライ」

アマリはゲームの知識を生かして耳打ちしたのにドゥエンデが真似して普通に言っていた。


「ええ!このおじいちゃん偉い人なの?てっきりマーサさんの夫が一緒に休憩してるのかと思ってたよ」

「こんなとこで夫が休憩してるわけねえだろ!このボケが!ってだあ!すいませんでした」ボッケの頭を掴んだツッコは一緒に謝った。

「休憩と言われとるよ」マーサが呆れた感じで言うとブランが笑い出した。

「ええよ、ええよ、そんな畏まらんでも。座って、座って!それにマーサは本当に、わしの嫁だし」ブランに促され驚きつつも全員座り直した。

「もっと威厳を持ちなさいよ、休憩中のおじいちゃん?」

じと目マーサの言葉にブランは嫌そうな顔で頷くと話を進めた。


「さて、本題じゃ」ブランは真剣な顔になった。

「お前達、ロルフ達と一緒に西の森に行ってカンフォラさんに会ったと聞いてな、わしもロルフ達に頼んで確認に行ったんだが、そもそも巨木に辿りつかんかった」ブランは腕を組むと3人を見ると質問した。

「そこで、普段から会ってるお前達に聞いてみようと思ったんだが、どうなんだ?」

「...俺達、普通にいつも歩いてるだけで何もしてないけどな?」

「そうだよ。僕も何もしてないし、アマリもしてないよ?」

3人とも見当もつかないという顔をしていた。

「わしもそんなことだろうと思っての、ということはカンフォラさんが何かしてるわけだ!ロルフが嘘言うとは思えんし。じゃから次に会う時にわしらの手紙を届けてくれんだろうか?後カンフォラさんにわしら人間が悪かった、もう2度と無理やり切り開こうとしないと言っておいておくれ」そう言って、ブランは手紙をツッコ達に渡した。


次の日になり、プルを迎えにカンフォラに会いに行った。

いつものように巨樹の上からプルがフラフラと降りてきた。

「眠いいい。...みんなおはよう」

「プル、毎回皆さんを待たせるなんていけませんよ」

カンフォラが現れ、いつものように小言を言い始めた。


早速ツッコは昨日のことを聞いてみた。

「あのうカンフォラさん、ロルフ達とギルドの奴が会いに来たけど、ここに来れなかったって言ってたんだけど」

「ああ、それはですね。私人間に特に会いたいくないので、いつも会えないようにしてるんですよ」カンフォラはそっけなく言い不思議そうな顔をした。

それを見てダメそうと思ったがボッケも一応聞いてみた。

「なんか偉そうな人が会いたいって言ってましたよ」

「そんなものは、毎回無視してるからいいですよ。会っても、めんどくさいだけですし」カンフォラは全く意に介さず、どうでも良さそうに言った。


「じゃあなんで私達には、会ってくれてるんですか?」

アマリの質問にカンフォラは目を上に逸らして考えた後話した。

「そ、それは...プルと知り合いのようでしたし...ああ、あと、この西の森に一緒に住んでる仲間ですからね」

カンフォラにとっては、自分の森にできた理解できない結界から、ものすごい弱そうな人間が出てきたことに少し興味があっただけなのにプルとも関わり合いができてしまい自分でも戸惑ってることを、正直に言えなかった。


「カンフォラさんこれ」

ツッコはダメ元でカンフォラにギルドマスターからの手紙を渡した。

カンフォラは手紙を指でつまみ不思議そうに見回してから言った。


「ペラペラですね」


3人は口を開けた。そんな様子にボッケが気をきかした。

「すいません、ちょっと貸してください...これを読んでください」

ボッケはカンフォラから手紙を受け取ると中身を差し出した。

しかしカンフォラは受け取る前に言った。


「読めませんけど?」


カンフォラは頭を傾げ3人は頭を下げた。

しょうがないので、ボッケが手紙を読み上げることになった。


要約すると昔のギルドが行った西の森を切り開くのは間違いで謝りたい事と、これからは共存していきたいので、したらいけないことを教えて欲しいとの事だった。

「そうですねえ、これまで通り不必要に木を切らないなら少々切ってもいいですよ、嫌な時は、これまで通り精霊が注意をしますからと言っておいてください。注意で済んでるうちにやめれば怒りませんよ」

カンフォラはそう言って微笑んだが一瞬悲しそうに見えた。

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