続 冬の備えの悲(喜)劇
扉を開くと、いつも通り大きな呼び鈴が鳴り響き奥からフラムルが出てくると、でかい声で言った。「なんだツッコ達か、どっか壊れたのか?」
「フラムルが魔道具治せるってハックに聞いたんだけど」
ボッケはフラムルの前に出ると聞こえるように大きい声で聞いた。
「魔道具か?簡単なランプぐらいなら治せるが難しいのは無理だぞ」
フラムルは、あんまり興味なさそうな顔をしている。
「ところで、魔石で動いて暖炉みたいに暖かくなるものがあるなら高けえの?」
ツッコは魔道具のストーブの価格に興味があった。
「暖炉みたいにか?...確か都会の金持ちが使ってる魔石が動力の魔道具があると聞いたが、金貨3枚はするんじゃねえのか」フラムルはそっけなく言った。
「も、も、もし、そんなん持ってたら売ったら金貨3枚で売れるのか?」
ツッコは金額に驚きつつも、もう売る気になっていた。
「この町では買えるのは一部の金持ちだけだな。ただし、そんなもん売りに来た冒険者で普通にランクが低ければ捕まるだけだろ。盗品だろうしな」
フラムルは眉間に皺を寄せ言い放った。
「...そうなのか...そ!その遺跡とかで、見つかったとか言えばいいんじゃねえか」
ツッコは諦めきれない値段なので食い下がった。
「はあ?遺跡にそんなもんねえだろ、使える魔道具が残されてるとは思えねえ」
フラムルの反論の余地を与えない言葉が響いた。
「そうなのかあぁ...」
ツッコ達は大金がゲットが夢と消え見るからに意気消沈した。
「なんだお前ら泣きそうな顔して、なんか嫌なことでもあったのか?」
「い、いやいや、ちょっと、冬場の寒さ考えたら泣けてきたんだ」
ツッコは意地で泣き笑いになりながら言った。
「そうなのか、まあ頑張れよ」
フラムルは寒い冬を耐える3人の健気さを想像し目頭を抑えた。
「ねえねえ、魔石を使って火とか光とかに変えるってことなら、どうやってるの?」ボッケは魔道具の仕組みの方に興味があった。
「それは...魔道具関連のスキルを使って魔石をはめる金属に魔法陣を刻み込むんだ」フラムルは身振り手振りで教えてくれた。
「その魔法陣てスキルないと無理なの?」ボッケがさらに質問した。
「まあ無理だろな」フラムルが断言した。
「僕も魔道具作りたかったなあ。...そういえば魔道具あるなら、武器とか防具にも組み込んだのあるの?」
ボッケは残念そうしたのも束の間、さらに別の質問を続けた。
「ん...あるにはあるが特別な魔石がいるんだ。...それがあったら付けてやってもいいぞ。付けるだけなら俺にもできるしな」
フラムルはボッケの勢いに押されながらも答えたが、さらに質問が続いた。
「特別な魔石ってどこにあるの?」
「まあ...特別なモンスターを狩ったら出たり、精霊に貰ったりするらしいから、普通に無理だろ」フラムルは顎に手をかけ考えながら言った。
「精霊に?」ボッケの声に全員がカンフォラの姿が浮かんだ。
ツッコも気になったのでさらに質問した。
「も、もし精霊にもらえた魔石なら、どんな効果つくんだ」
「そりゃあ、その精霊の能力に近い効果が出るんじゃねえのか」
フラムルは曖昧な記憶を言うと、さらにボッケが質問した。
「そ、それで、もしあったら何にでもつけれるの?取り外したらまたつけれるの?いくらぐらいするの?」
「そ、そうだな、その魔石の大きさ次第で付けれる場所があるなら大体付けれるな。あと取り外しもできるぞ。ただし、金属だと同じ材料が必要だから希少な材料だと高くなるぞ」フラムルはだんだん疲れてきた。
「じゃあ今の革の鎧とか木の盾とか鉄の兜だったら付けるのと外すのはどんぐらいかかるの?」ボッケはさらに詳しく質問した。
「まあ、その中なら金属だから鉄の兜がおすすめだな...その場合、付けるのも外すのも銀貨1枚ってとこだな。...それか、ペンダントにしてもいいぞ、鉄でいいなら同じような価格でできるし。...しかしお前ら精霊の魔石なんかないだろ?」
フラムルは、やけに詳しく聞いてくるので手持ちがあるのか確認してきた。
「い、いや、いつか手に入った時のためにさ。聞いておきたかったんだ」
ツッコはカンフォラに一度聞いてみようと思いながら、誤魔化しておいた。
「まあ、先は長そうに見えるが、頑張って見つけてこいよ」
フラムルは若い冒険者の憧れだろうなと納得し温かい目で見ていた。




