冬の備えの悲(喜)劇
ドゥエンデのついでにプルのスキルも、改めて見てもらった。
『 言葉(応援) LV1 』
[
使用回数:1日1回 範囲:対象が聞こえる所 対象:見て指定した対象
対象がボーナススキルの発動条件を満たしている場合に、応援することでボーナススキルを発動することが可能。ただし、応援したい相手に感情を込めて応援すること
]
『妖精の回復 LV1 』
[
使用回数:1日1回 範囲:対象と同じ 対象:見て指定した対象
妖精固有の回復能力で怪我や体力をLVに応じた割合で回復できる
]
「てことは、プルも戦闘に参加してれば、レベル上がってくんじゃないの?」
ボッケは思い付くとプルに話した。
「ワタイも強くなるの?」
プルは急に言われても信じられなかったのでカンフォラに聞いた。
「そうですね...彼らと一緒に行動すれば、できるかもしれませんね」
「ワタイもドカーン、ドカーンって魔法とか出せるの?」
プルは興奮してカンフォラにさらに詰め寄った。
「...それは、魔法はわかりませんが、何かは発現するかもしれません...」
カンフォラが引き攣った顔でプルを落ち着かせながら言った。
「...ワタイ強くなる!強くなって...」
真剣な表情にカンフォラ含め全員がバカにした仲間達を見返す為だと思った。
プルは少し考えた後に迷いの無い表情で言った。
「...たくさん、お酒を買う!」
考えて出した答えの残念さに全員がガックリした。
「...まあ、頑張るのはいいことですから...」
呆然としていたカンフォラは無理やり前向きに考えた。
「も、目標があるのはいいことだよな」ツッコは苦笑いになった。
「う、うんプルらしいね...これは...」
ボッケは欲望に忠実なこととシンプルな結論に、これが天然の考え方なのかもしれないと何の役に立つかわからない思考を巡らせていた。
「...飲み過ぎには注意してね」
アマリは少し呆れ、ドゥエンデはアクビをしていた。
それから、アマリとドゥエンデの連携攻撃も成功し3日後には全員レベルアップした。そこで、再度カンフォラに調べてもらった。
結果、プル以外はレベル4に上がり、プルはレベル2に上がった。
ツッコとボッケはツッコミとボケのスキルがレベル4になり、使用回数が1日15回から18回に増えた。
アマリもラップのスキルがレベル4になり、使用回数が1日15回から18回となった。そしてDJのスキルもレベル4になり、保存できる数が3から4に増えた。
ドゥエンデも補佐のスキルがレベル4になり、全ての使用回数が1日15回から18回に増えた。
プルは応援と妖精の回復の2つのスキルがレベル2になった。ただし使用回数が1日1回から2回に増えたのは妖精の回復だけだった。
夜締め切っていた窓を開けると、鳥の声と共にゆるやかな気持ちのいい風が部屋に入ってきた。あれから2日過ぎ休日になり、前日に公衆浴場へ行ったこともあり気持ちの良い気分で朝食を終えると、のんびりと今日の予定を話し合っていた。レベルアップにより狩りも上手くいき採集も含めると銅貨4311枚になっていた。
ツッコは以前ギルドの帰りにマーサと話したことを思い出した。
「そういや、この前マーサさん冬があると言ってたよな」
「ああ確か...『あんた達、本当に何もしらないけど、そんなんで冬は大丈夫なのかい』から何だっけ?」ボッケは最初の方の記憶しか思い出せなかった。
「もう忘れたの?その後に色々聞いて、この世界も12ヶ月あって今は6月だって言ってたよ。...あと11月から1月までは雪が降って狩りはできないから、その間どうするかは後で考えようって言ってたでしょ」
アマリは兄に呆れつつ心配な顔になった。
「要するに...冬までに食料とお金貯めないと餓死ってことだな」
ツッコの言葉に全員が特大のため息をついた。
「もし、雪のない所に行けても宿を借りて生活するお金はないしね」
ボッケは机の上に置いてある、お金を見ながら言った。
「そもそも結界の家があるから今生活できてるんだよね」
アマリは以前泊まった街の宿より部屋数といい設備といい数倍マシだと思った。
「そうだよな、宿代なんて払えてねえから野宿だったはずだよな」
ツッコは野宿の想像してみたが全滅してるイメージが浮かぶだけだった。
「本当に結界の家様様ってやつだね」
ボッケは愛着のある自分の家に似た、この結界の家が気に入っていた。
「でもよ、暮らせるにしても寒い時の暖房なんかあったっけ?」
ツッコは寒くなった時を想像して心配になった。
「...確か以前、倉庫見た時に魔石で動くストーブがあったし、分厚いキルト(羊の毛を布地に挟んだようなもの)もあったから、やっぱ問題はお金じゃないの?」
アマリも机の上のお金を見て、これでは少ないだろうなと思った。
「結局また金次第か。...しかし6月なら8月になると暑いのか?クーラーなんて無いだろ?」ツッコは新たな心配事に気づいた。
「クーラーも扇風機も無かったよ、あんま暑くないことを祈るしかないと思う...そうだ!雑貨屋のハックに聞いてみたら」
アマリの提案により雑貨屋に向かうことになった。
洗濯等を終えると街へ向かいハック雑貨店に入った。しかし先客がいたので、そのお客さんの会計が済むまでは商品を眺めていた。
ツッコはハックに近づくと挨拶をした。「こんにちは、ハックのじいさん」
「こんにちは、ツッコ君」ハックは笑顔で返した。
「名前覚えてくれたんだな、爺さん!...西の森で結構取れたキノコあるから食べてくれよ」ツッコは西の森でたくさん取れているキノコを袋から出した。
「何回も来てくれたからな...しかしキノコか、ありがたいのう...それで今日は何のようじゃ」ハックは笑顔でキノコを奥の部屋に置いてくると質問した。
「もうすぐ暑くなるんだよな?何かさ家にいる時に涼しくなる魔石を使う道具とかあるのか?」ツッコは真面目な顔になり質問した。
「そうじゃの魔道具(魔石で動く道具)でか?...冷やすというか凍らせる魔道具は都会の魔道具屋ならあるかもしれん。ただし、ものすごい高くて庶民の買える値段じゃないがの」ハックは馬鹿馬鹿しい感じで言った。
「それじゃあ暖かくする時どうするの?」ボッケが続けて質問した。
「普通に家に暖炉があるじゃろ、ついてないのか?」
ハックは当たり前だろと言う顔をしている。
「あ!ああ...そうだったな、ついてたの忘れてたぜ」
ツッコは変に怪しまれると思い嘘をついた。
「その年でボケとるのか?しょうがないのお」
ハックは冗談と思ったのか笑い出した。
「この街に魔道具に詳しい人っていないの?」
ボッケは魔道具が気になったので質問した。
「昔、栄えてた時は魔道具屋があったそうじゃが今は無いしのう、フラムルにでも聞いてみたらどうかの」
「フラムル?」ボッケはハックから出た意外な名前に少し驚いた。
「簡単な物なら魔道具も直してた気がするが違ったかの?」
ハックは若干自信なさそうな感じでそういうと、さらに続けた。
「そんな暑くはならんと思うからウチワで扇げば少しはマシになるし、寒い時はお湯を入れて使う陶器の湯たんぽとか分厚いキルトで寝ればマシになるじゃろ。ウチワと湯たんぽと分厚いキルトなら、そろそろ倉庫から出すからその時にでも買っておくれ」
その後、魔石を3個銅貨300枚で買うと魔道具が気になったので、フラムルの店に行くことになった。




