続 精霊の悲(喜)劇
「いやしかし、嫌なことを忘れる為に飲んでたのか」ツッコは頭を掻いた。
「ピクシーの世界大変なんだね...すごそうな名前だけど..略さなければ」
ボッケはプルの丸まった背中を見てなんとも言えない顔をする。
「今は、いじめてくる奴いないんでしょ、それでも飲んじゃうの?」
アマリも心配そうに質問し、ドゥエンデも不思議そうな顔をしていた。
「ここに来てからは、ないけど。気晴らしに飲んだお酒が美味しいし気分が楽しくなるから...」プルは酔いが少し覚めたのかまともな話し方になっていた。
「お酒は時々来る人間に、木の上に生えているキノコを渡すと貰えたんですよね。クプル」カンフォラは真面目な顔でそう言うと
「仕事の対価として貰えたお酒だよ。他に欲しいもの無いもん」プルは落ち込んだ顔している。
「クプル、そんな、お酒だけに逃げないで生きて欲しいのです...ちょうどいいです、みなさん、この森に来た時は色々採集してるようですし、その間この子を一緒に連れて行ってくれないでしょうか」クプルは続ける
「ほとんど何もせず、お酒を飲んで、だらけているより、みなさんと行動をともにして少しはまともになって欲しいのです」カンフォラは疲れた顔で、クプルのために3人に頭を下げて頼んだ。3人は、ある意味「クソバカな子ほど可愛い」と言う言葉が浮かびカンフォラの無償の愛情が眩しかった。
「いやでもよ、可哀想とは思うけど俺たち別に薬草とキノコ採取とかしいてるだけだし、俺たちにメリット何もないし」
ツッコは少し考え困った顔で言った。
「そうだよ、まあ戦闘で役に立つこともあるけど、アル中状態のままだと足手纏いになって、みんな危なくなっちゃうし」ボッケも困った顔でツッコに同意した。
「私はプルがドゥエンデに謝るなら、別に一緒にいてもいいけど、謝らないなら嫌です」アマリは珍しく、はっきりと言った。ドゥエンデはアマリの顔を見るとプルの所に行き「プル ガンバルカ?」と聞いた。
「..あの時はワタイが悪かったよ...ごめんなさい。..ワタイだって、いつも1人は嫌だよ」プルは疲れた顔で少し考えたあと全員の顔を見回し謝った。
「あなた達にもメリットはありますよ。毎回森に来てプルを一緒に連れて行ってくれたら、薬草やキノコの取れる場所を教えましょう、まあ限度はありますが」カンフォラは、そう言って笑った。
そんな感じで、これ以降プルが西の森では大体採集が終わるまでは、ついてくる事になってしまったのだった。
「でもよ、お前のことなんて呼べばいいんだ、プルでいいのか、クプルの方がいいのか」ツッコは少し休んで二日酔いでから大体さめていたプルに話しかけた。
「プルでいいよ。昔の名前はカンフォラしか知らないし」
プルはボッケのカバンに座って話していた。
「そういえば、プルにお酒くれてた人ってエーリカって名前じゃないの」
ボッケが後ろを見て質問した。
「ツッコ達もエーリカ知ってるの?なんかキノコが欲しいのあるって見せてきたから取ってきて、あげたら何か色々くれたの。その中で、お酒が一番気分良くなったから貰ったんだ、もうあんま無いから、また来てくれないかな」
プルは思い出しながら言った。
「エーリカさんだったのか....まあよっぽど暗かったから、あげちゃったのかもね」アマリが呟くとプルを見た。
「本当にお前酔い冷めると、意外にまともで、おとなしいな」
ツッコは不思議そうに言った。
「ツッコも二日酔いの時、元気ないじゃん、そんな感じなんじゃないの」
ボッケはツッコに笑いかける
「まあ、確かに二日酔いの酒が抜けてる感じの時は何も興味なくなるよな」
ツッコは思い出しながら、少し酒が飲みたい気分になっていた。
「ねぇねぇ、プルって魔法とかスキルとか何が使えるの?」アマリはプルに聞いた。
「ワタイ?ワタイのできることは、少しなら回復ができるよ1日1回だけど。...あとスキルで言葉(応援)ってのがあって1日1回使用可能の使えないゴミスキルもあるけど」プルは少し考えて自信なさそうに答えた。
「ゴミスキル?僕たちも変なスキルあるけど、プルのスキルは、どんなスキルなの」ボッケは気になり質問した。
「えぇと最初は王族だからレアスキルってみんな言ってたけど使い道ないゴミだったよ。...確かボーナススキルの条件を応援で発動することが可能で、応援したい相手を思って応援する事って書いてあるけど、ボーナススキルがなにかわからないもん」プルが苦々しく言うと3人は顔を見合わせた。
「おいおい!まじか!最高のスキル持ちじゃねえか!」
「僕たちにとって救世主なんじゃないの!」
「やっぱ人助けはするもんなんだね!おばあちゃん」
全員が笑顔でプルを見つめた。
「え、え、え..少し回復するだけなのに...」全員に褒められ、照れるプルだった。
しばらく経つとプルも周りに慣れてきていた。
「でもアンタ口調といい外見といい色々不思議!」
プル眉間に皺を寄せドゥエンデを不思議そうに見て言った。
「アマリ コイツ ウルサイ」
ドゥエンデはプルに余り興味ないのか塩対応だった。
「ワタイ コイツ ムカツク」
プルは口調を真似して文句を言いながらも、笑顔だった。
アマリはプルが孤独から解放されたような、その光景を見て微笑ましかった。
しかし、そう思ったのも束の間だった。二人が顔の引っ張り合いを始めた。
「...同じようなのが増えちゃった」 アマリは肩を落とすと盛大なため息をついた。




