オオトカゲと遭遇の悲(喜)劇
その後、少しずつ範囲を広げ探していく。目当てのものは見つからないがオオヤスデは普通に何匹もいたし、のんびりしていた。
「しかしこいつ、どこでもいるな、こりゃ確実にレアモンスターじゃねえな」ツッコはボッケを見る。
「そうかもしれないけど、こんだけ、のんびりしてるってことは、よっぽど不味いのか毒でもあるのかもね」ボッケは興味深そうだ。
「もう、そんなことより、薬草探さなきゃ」アマリは真面目に探していた。
ツッコは倒木を見つけ、その近くで赤い突起物を発見した。
「なんかこれキノコか?変わってるな?..確か毒きのこって、やばいんだっけか?」ツッコは細長い三角錐が若干溶けたような形の赤いキノコを取ろうと手を伸ばす。
「エーリカがキノコは、もっと森に慣れてからでいいって。あと迂闊に触ると危ないって」ボッケはツッコが、どうなるか横で真剣に見ながら言った。
「お前え、毎回おかしいだろ!言うタイミングが!」ツッコはボッケが逃げるので追いかけている。
「お兄ちゃん…懲りないね…でもこれ、綺麗だな」アマリはそう言いながら、キノコの形を興味深そうに確認していが腰は引けていた。
さらに少し時間が経ちツッコは別の特徴的な形の倒木を見つけ、目印にちょうどいいと思った。
「この倒木に印つけとくか...こんでいいだろ」ナイフで傷を一つ入れておいた。
「そういや、極端に傷つけるか、特定の木だとダメって言ってたね。精霊が怒るとか」ボッケも傷を確認した。
「だから倒木につけたんだ。確か落ちた枝ならいいって言ったからな!」ツッコはボッケにドヤ顔した。
「そうだ!ドゥエンデも精霊だった!」アマリは気づくと言葉が出ていた。
「ドゥエンデ、この辺に何かいるか見える?」とドゥエンデに聞いた。
するとドゥエンデは周りを見渡すと
「ココ ナニモ イナイヨ」と答えると
「さすがだなドゥエンデ!」ツッコが感心している。
「そうだ!ついでに精霊との交渉してもらおうよ」ボッケが嬉しそうにいい、アマリも嬉しそうに頷くと、
「アマリ セイレイッテ ナニ?」と頭を傾け、3人はズッコケた。
しばらくして、多少ひらけた場所で薬草と3本、毒消し草1本、ツノウサギ1匹を狩った後の時だった。
少し雑談をしていて目を離した隙に、ツノウサギにオオトカゲが近づき噛み付いていた。動く速さはツノウサギよりは早くはないが、食いちぎろうとしている顎や頑丈そうな足と、食い込んでいる爪に小さいながらも肉食獣の迫力を感じた。
スキルはすでに発動していた。ツッコの合図で昨日の作戦会議で決めた行動に移る。少しづつ近寄りオオトカゲから10Mぐらい離れた所で攻撃を始めた。
「オオトカゲって汚い影だね」
「二日酔いのお前じゃねえか」ツッコのツッコミにボッケは渋い顔だ。
「YO! オオ オオトカゲ 怪しげ 嬉しげ 物欲しげ イェア!(Yeah)」
アマリは木の仮面被ると、やる気満々で喋り出した。
その瞬間オオトカゲは後方に滑り頭を打ち、さらに滑り頭を打ちつけた。少しふらついて起き上がると約20cmの石が結構な勢いで頭に落ちた。しかし、頭を動かし石をどけ睨むと同時に口を開け突進してきた。
だが3人は、すでに次の行動に入っている。
「オオトカゲっていうなら、僕は神様だね!」
「まあ存在といい色々ペラペラだもんな」
ツッコのツッコミにボッケは不満そうだ。
「Oh!トカゲ ゲェ ゲェ ゲロリンパ 硬そう まずそう でも食べそう アッ!(Uh)」
アマリのラップにドゥエンデは楽しそうだ。
その瞬間のオオトカゲの約半径50cmの範囲が足ごと5cmの厚さで凍りついた。そして、氷ごと後ろに滑って頭を打つと、その衝撃で氷が割れて壊れた。
オオトカゲがヨロヨロ立ち上がると約20cmの石が結構な勢いで頭に落ちた。当たった瞬間、糸の切れた人形のように石が乗っかったまま動かなくなった。ツッコが盾を構え拾った長い枝で突いたりしながら倒した事を確認した。
その後、ツノウサギを見ると、オオトカゲに噛まれていたところは、肉がえぐれ一部はちぎれていた。
「ウゲェッ、噛まれたら、きつそうだなこれ..まぁツノウサギより動きが遅いのが救いだな。」ツッコは少し顔が青くなっている。
「マーサさんが複数の時は逃げろって言ってたのもわかるね」ボッケも周りを警戒し出すと、アマリもキョロキョロしていた。
「さっさと収納に入れるぞ」ツッコの焦った声で、全員で急いでドゥエンデの収納に入れた。
さらに周辺を見るとツッコが不自然な茂みの盛り上がりを見つけた。
「なんか少し盛り上がってるな、これなんだ」
ツッコは長い枝で突いてみると、突如オオトカゲが中から現れ枝に噛み付いた。
「うわぁ!」驚きと同時に棒を放し逃げ出すツッコ。
「待ってよ!」ボッケも逃げる、そしていつものようにアマリが二人を抜かしていった。3人が逃げ出すとオオトカゲは枝を吐き出し頭を振るとまた茂みの中に入っていった。
オオトカゲは、この後も木に張り付いていたりしていたが、よほど呑気な人じゃなければわかるぐらいだった。
「しかし、こいつら、色んなとこで待ち伏せしてるみたいだな。まあわかりやすいけど」ツッコはだんだん慣れてきた。
「まあ、そうやって獲物捕まえてるんだろうね。足もそんなに早くないし」ボッケは手を組んでいる。
「待ち伏せか...そういや罠とか使って取れれば楽だよな」ツッコが言うと
「落とし穴でも作っとく?けど他の冒険者がかかると問題なんじゃない?..でも最初はツッコかな!間違いないよ!」ボッケは嬉しそうだ。
「お前をまず、餌にしねえとな」ツッコはすでに逃げ出したボッケを追っかけ、アマリは呆れたように、ため息をつくと後を追った。




