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みずうみ──紬と繭と京子  作者: モリサキ日トミ


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16/16

その16

── 紬 ありがとう ──



紬、あの夏の海、キラキラして綺麗だったね。


ずっと孤独だった私にあなたはずっと寄り添ってくれた。あなたに出会って初めて毎日が充実してるって感じられた。


あの夏の海、キラキラして本当に綺麗だったね。


そして私は身籠もった。もちろん混乱したわ。不安定な私をあなたは守ってくれた。

あの子を生んでからは深い所に閉じ込められたけれど、しばらくすると時々あなたとあの子を俯瞰で感じられるようになったの。あなたはあの子を大切に育ててくれた。やがて、私は少しずつ奥の方から表に出られるようになった。でもこの体はあの子の意思でしか動かせなかった。

そして納戸であなたのお母さんの日記を読んだとき正直驚いた。あなたの過去に起こった事が今の私に起きている。



あの夏の海、キラキラして綺麗だったね。

あなたが仕掛けたあの時の出来事は、ずっとずっと私とあなたが二人で永遠にいられる為だったのね。だから恨んでいない。私は嬉しかったよ。サカリが来て、あの時は心身共にしんどかったけれど、これを乗り越えれば、あなたとずっと一緒に生きていけるのだ。でも、あの子は耐えられなかったの。私はあの子を止められなかった。もう少しで、紬、あなたとの永遠の毎日を手に入れられるはずだったのに…。



あの夏の海、キラキラして綺麗だったね。紬、私も愛してるよ。


            ── 繭 ──

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