戻りたい
凍りきった木々の下に一つの影。その影に気づく者は…
{ひー}
「はぁ、スゥぅー はぁ、スゥぅー」
「寒い寒い寒い寒い寒いバカ寒い…」
もう歩いてどれくらい経ったかな?
(ドス!?)
あああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
足になんか刺さって……ってめっちゃ血出とるー」
白い雪に赤い色が染まる
「ボスボス!?」 落ちる音
ああああああぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ
「落っこちた?…もう散々」
「ここ…洞穴!!やった・・・・やったぞぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
やったぞぉぉぉぉぉおおおおお!!!_やったぞぉぉぉぉぉおおおおお!!!
奥から跳ね返ってくる声
「うぉ!跳ね返ってくるから本当に穴の中に入れたんだよな」
「ひとまず休も」
{ぎし}
やったぞぉぉぉぉぉおおおおお!!!_やったぞぉぉぉぉぉおおおおお!!!
やったzzzzzzzzz_yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy
繰り返し聞こえ、次第に静まる
ビク!!
「びびびび、びっくりした!」
「??なんの音だ?」
ドキドキドキドキ
「いやいや。ど、どう考えても人の声の音だろ寒すぎて頭逝ったか?俺!」
サクサク ドシドシ カサカサ チャプチャプ
近づいてくる音
「足音!? どんどん近づいて来やがる…」
やっぱ人が来たか、どうする逃げるか?でもここいい場所なんだよなぁ
いや、万が一あいつらだったら、あぶねえな
ここは逃げるのがベストか 早く支度しねーと
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん?」
(そういえばなんか音消えた気が
見に行ってみるか?食料欲しいし)
先ほどまでの音が聞こえなくなった
こそこそこそこそこそこそこそこそこそ
静かに忍びよる足音
「そーっとそーっと」
(あっ!?
見たところ子供?俺と同じくらい…)
(話しかけようかな、いや危険はあるしなぁどうしようか、荷物奪ってトンズラこくかぁ?
いや、そんなクズにはならないもんね!!ここは男、ぎし動きます)
そんなとき、突然…
「■■■■(■■■■■■)」
詠唱された瞬間…
「スパン」
「ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」
「ゴォォォぉぉぉぉぉぉぉゴゴゴゴゴゴゴゴ…」
あたり一面に鳴り響く轟音。
「ザァァァァー」
氷河の破片が土石流のように迫ってくる。
しばらくするとあたり一面が真っ白に。
無論、二人がいた洞穴など跡形なく消えていた…