③ 求婚
「……え? ええ? あの、オリバー様? 冗談でもこういうことは……」
婚約破棄されたというのに、何故求婚されたのか理解出来ない。それに彼には連れ立っていた女性が居た筈である。私は混乱をしながら彼の名前を呼ぶ。
「冗談ではない。俺は真剣にシャーロットに求婚を申し込んでいる」
「……っ、えっ……な、なんで……」
私を見上げるオリバー様に、私は慌てる。彼の真剣な表情から冗談ではないことが分かってしまう。だがそれがより、混乱させるのだ。
「それは、俺がシャーロットを愛しているからだ」
「ふ……ふぇ……」
琥珀色の瞳が私を射抜く。彼から私に対する想いを言葉にされたことはなかった。泣き虫であり、恥ずかしがり屋なところもあった彼が一体如何いう心境の変化だろう。
オリバー様の発言より全身が熱くなる。彼の一挙手一投足に一喜一憂してしまう。それほどまでに私はオリバー様に惚れてしまっているのだ。何か言わなくてはいけないが口からは奇声しか出てこない。
「ほう! この者が、オリバーが惚れ込んでいる女子か!」
「……っ!」
突然、爽やかなグリーンの瞳と髪が私の前に広がる。オリバー様と共に現れた女性だ。彼女は私へと笑顔を向ける。
「俺のシャーロットに近付かないで下さい」
「狭量だなぁ? オリバー?」
立ち上がったオリバー様が、私と彼女の間に入る。そして何故か私を背中に庇い、美女へと対峙した。二人の間には火花が散っているが、優しい性格のオリバー様が女性に対してこのような態度をとるのが不思議でならない。
「あ、あの……オリバー様、そちらの方は?」
「……精霊王だ」
私は彼女について訊ねると、少し眉間に皺を寄せたオリバー様が静かに告げた。




