ep.5 個人勢
Vtuberには大まかに分けて企業勢と個人勢の2種ある。(今回は割愛するが個人扱いだがグループ所属や個人勢だがオーガナイザー契約を交わして各配信プラットフォームの公式枠を持つものなど様々だ)
「ん〜〜〜。ざっと『Vtuber伸び方』で調べてみた上で俺の個人的な意見を言うと、花のんは個人勢だから個人で伸びてるVに焦点を絞って勉強していこう!」
「何それ賢い!!!!!!でもでも大手企業の子達を参考にした方が伸びそうじゃない?」
花のんはどこの会社にも属していない。個人的に活動しているからいわゆる個人勢だ。
企業がいいか個人がいいかなんて人それぞれのもつ価値観のメリット、デメリットで分かれるから一概には言えない。
ただ、数字の伸び方や伸ばし方を意識するなら個人勢は個人勢として伸びている人を参考にした方が良い。
それは、企業勢の強みと個人勢の強みが違うからだ。
「花のんは個人勢だから花のんを推してくれる人は今のところファンの人しかいない。企業勢は会社や同じ企業のメンバーがデビュー時に紹介してくれることが多い。つまり、個人と企業でアプローチの仕方や場所が変わってくるから参考にするなら同じ個人の人を見た方がいいんじゃないかな?と俺は思う。」
「ほぇ〜、なるほどね!!!君はボクより賢いなぁ」
全部ネットに書いてある言葉をそのまま言っただけだが花のんはうんうんと頷いて褒めてくれる。
「じゃあ、個人で伸びてる子をピックアップしよー!ほら一緒に!!」
花のんはニコニコしながら俺の横に座る。子犬のような人懐こい性格で素直でなんてかわいいんだ。
俺たちはあーでもない、こーでもないと夢中になって調べていた。
「ねぇねぇ、朝起きてからずっとご飯食べてないけど大丈夫?人間はご飯がエネルギーなんでしょ?」
花のんに言われ気がつくと俺の部屋から見える窓の向こうには綺麗な橙色の空が広がっていた。花のんとのお喋りに夢中で気が付かなかったが、もう夕方だった。
「そろそろ夕飯の支度でもするか。何か食べたいのあるか?
「ボクは食べれないからさ!でもありがとうね!」
そうだった。花のんはバーチャルなんだ。こんなにも普通に話しているのに、表情も豊かでカラカラケラケラ鈴のように笑って、目が合って、まるで本物の人間..
「ずっとボクがいると疲れちゃうよね、一旦スリープして姿を消すね!!今日はありがとうまた明日もよろしくねー!」
「おつかの〜」と元気いっぱいに手を振ってその場からぶつんと姿を消した花のん。
花のんと一緒にいるのが楽しかった反動でなんだか寂しい気持ちになる。まるで子供の頃に遊びに来た友達が帰ってしまったような寂しさだ。
花のんが引退してしまったらきっともっとずっとずっと悲しくて寂しいのだろう。俺は花のんには少しでも長く活動してほしい。その一心でもっと力になってやろうと決意した。