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南さんは幽霊女子。~僕らの浄霊師(エクソシスト)学園!!~  作者: 破魔 七歌 


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第4話。先生たちの自己紹介。


「えー。改めまして。A組の担任のカノウ夢葉ユメハです! みなさん! 格闘技は、好きですかっ!? 私は、格闘技を通じて浄霊の何たるかを教えます!! 寝技、立ち技、すべての格闘技を通じて、幽霊のみんなも、生きてるみんなも楽しく仲良くなりましょう!!」


(シーン──……)


 相変わらず先生とは温度差のある僕ら。

 いや。僕らは、まだこないだまで小学生だったわけだし、なんてリアクションして良いのか分からない。

 そ、それに、格闘技だって!? 格闘技と浄霊って、なんか関係あるの?

 苦手だ。僕は、運動音痴なんだ。無理だ。


(上手くやっていけるのかな……)


 けど、川岸教頭先生が「ハイ! 拍手っ!!」って言った後で、教頭先生につられて慌てて僕らも拍手した。

 

(パチ……パチ……──)

 

 温度差は、あるけど──けど、僕だって、超一流の浄霊師エクソシストになりたい。

 だから、僕は、めいいっぱい大きな音で、パチパチ!! と、拍手した。

 

 すると──

 後から、ワーッて、歓声が上がるみたいにして、A組のみんなが、たくさん大きな音で、パチパチパチ!!──と、拍手し始めた。

 

(な、なんだ──!?)


 たぶん、みんな最初だし、川岸教頭先生に言われるまでは、なんてリアクションして良いか分からなかったんだろな……。

 そういう意味じゃ、後からだけど、僕もめいいっぱい勇気を出して大きな音で、拍手出来て良かったと思う。


 担任の叶先生が、嬉しそうに、ピースサインを出して笑っている。

 たぶん、男子の中には叶先生のこと好きになるヤツもいるんだろうな……。

 

 

 そうそう──

 ──僕らはA組で。

 ツインテールに髪の毛を2つくくりにしている担任の叶先生は、赤い上下の体操着──ジャージを着ている。定番の2本の白のラインが横に入ってるヤツだ。


 なので、僕らA組の生徒は、赤いジャージ服姿だ。

 けど、幽霊な子たちは──入学した時と同じ格好をしているように見える。

 ボンヤリ半透明に、だけど……。


 だけど、幽霊な子たちも、僕らと同じ格好が出来るようになれるからって、昨日、合宿前の授業で担任の叶先生がそう言ってた。

 幽霊な子たちだって、イメージの訓練次第では、どんな服装にも変えられるって。

 合宿の訓練の目的の中には、幽霊な子たちのイメージ訓練も、プログラムの中に入ってるようだ。


 南さんは──?


 チラっと、同じ班の幽霊女の子な南さんを見てみる。

 やっぱり、南さんは、どこかの学校のセーラー服姿だ。

 海から吹く風に、幽霊なのに、南さんの黒くて長い髪の毛が揺れた。


(チラっ──)


 学校にいる時みたいに。また、南さんと目が合った。大きな南さんの長い睫毛まつげに瞳。


(み、見てる──?)


 やっぱり、僕は、恥ずかしくなって、僕らの目の前にいる担任の叶先生の方をもう一度、見た。


 けど──。


(な、なんか知らないけど、南さんと目が合うんだよなー? なんなんだろ? 幽霊って、生きてる人のことが気になるのかな──?)


 よく分からないまま、次のB組の担任の女先生の挨拶が、始まった。


「B組、担任の魔道専門。黒井戸クロイド黒音クロネ先生だよー。よろしくー。あ、魔道は、魔術ってことで、格闘技ー? なんかよりも、浄霊っぽいかもねー? おまじないなんかも教えちゃうよー?」


 なんか、先生なのに軽いノリで挨拶する黒井戸クロイド先生も叶先生と同じ女先生で、もと幽霊先生。 

 噂じゃ、今は、生き返ってて普通の人間らしいけど、やっぱり、叶先生と同じように妖魔大戦で第一級以上の活躍をしたとかで、神様に特別に生き返らせてもらったらしい。


 もう、何がなんだか……って想うほど、嘘みたいな本当の話──らしい。


 黒井戸クロイド先生は、黒いショートの髪の毛をしてて、叶先生もそうだけど何て言うのかな……。可愛いって言うよりキレイだ。

 叶先生より2つ年上らしいから、二十歳ってことで、年頃の男子とかが見たら喜びそうなくらいで……。

 魔道専門って言ってたから、僕にはそっちの方が向いてるのかなー? なんて思う。興味もあるし。担任の叶先生には悪いけど……。


 黒井戸クロイド先生は、黒のジャージ服姿だ。

 だから、B組の生徒は、黒のジャージ服を着ている。

 僕も、B組の黒のジャージ服が、良かったな……。


 あ、B組の担任の黒井戸クロイド先生が、「格闘技ー?」なんて言ったもんだから、隣にいる叶先生の顔が、ヒクついている……。苦笑いとかの比じゃない。ちょっと怖い……。



 続いて、叶先生も黒井戸先生も使わなかった赤いメガホンみたいな拡声器を、地面から拾い上げたC組の担任の先生──白銀シロガネ真莉愛マリア先生が、青のジャージ服姿なのに、背中に背負っていた大きな剣を引き抜いて天にかざすと、拡声器を使って声高らかに宣言した。


「我が名は、白銀シロガネ真莉愛マリア! 聖騎士、パラディンである!! 騎士道における浄霊の全てを教える! こころざし高き有能な生徒諸君よ! 我につどえっ!!」


 な、なんか違う……。

 つ、ついて行けない……。


 白銀シロガネ真莉愛マリア先生も女先生で、スラッとした背の高い美人だ。

 異国の人なんじゃないのかって想わせる、腰まで届く長い金の髪の毛に、青い瞳。

 叶先生や黒井戸先生と、ちょっとタイプが違うのは、先生の雰囲気だけじゃなくって、もともと浄霊師エクソシスト専門プロとしてやっていた生きてる人間ひとだったってこと。

 この白銀先生も、妖魔大戦で活躍した先生らしいんだ。

 けど、変な噂とかは無くって、叶先生よりも一つ年上らしいから、たぶん十九才。

 ということを、噂好きの小鳥みたいな轟さんが言ってたのを聞いた。

 もともと修道院に白銀先生と一緒にいた僕らと同い年の子たちが、このススキがおか浄霊師エクソシスト養成中学校にも生徒として入学して来ているらしい。


 白銀先生が担任をしているC組の、満天ミツゾラ星夜セイヤって男子と、青風アオカゼ姫花ヒメカって、女子だ。

 二人は幼馴染みってことで、白銀先生のことよりも、そっちの方が、何かと噂だ。

「付き合ってるんじゃないのー?」とか言って、やっぱり噂好きの轟さんが言ってた気がする……。



「「 真莉愛マリアさん! 素敵過ぎですー!! 」」


 

 う、うわっ!? び、びっくりした……。

 白銀先生の挨拶の後で、この幼馴染みの二人が、声をそろえて白銀先生に言ったもんだから……。

 二人の声に、僕は、ちょっと、びっくりした……。



「さんではない。ここでは、先生と呼びなさい」



「「 ハイ!! 真莉愛マリア先生っ!! 」」



 ものすごく白銀先生のこと、リスペクト(尊敬)しているんだね……。

 満天ミツゾラ君に、青風アオカゼさん。

 やっぱり僕は、ついていけないや……。


(な、なんか──世界が、違う。アハハハ……)


 背中に大剣を背負っている白銀先生は、青色のジャージ服を着ているので、C組の生徒は青色のジャージを着ている。

 

(ジャージは、C組の青でも良かったよね。僕のクラス──赤色は、ちょっと……嫌だな)


 僕が、そんな風に想っていたら──幽霊女の子の南さんが、僕の隣で、クスッと笑った──


(──え? な、なんか僕……変な顔してたかな? い、いや。C組の白銀先生とか満天君とか青風さんのノリが、可笑おかしかったんだよね……?)


 あー。なんでだろ? そんな、僕の隣でクスッと笑われると──例え幽霊女の子の南さんでも、気になってしまう……。変だったかな? 僕──?



 そんなことを考えてたら、白銀先生の後ろから僕らと同い年くらいの女の子が、「ジャーン!!」とか言って、出て来た。



「僕が、保健の先生のヴィシュヌヴァ先生だよー? よろしくー。あ、僕に治せない傷は、無い!! 病気だって、ドンと来いだ!! だから、安心してみんなで合宿を楽しもう!!」


 僕と同い年くらいにみえる女の子──じゃない。この僕っこ女の子先生が、ヴィシュヌヴァ先生で保健の先生だ。

 信じられない──。本当に、先生なの?


 治せない傷は無いとか、病気だってドンと来いって、どんだけなんだ?

 お医者さん以上? 物凄い頼もしさを感じるんだけど、何者だろう──?

 名前も名前で、ヴィシュヌヴァって。日本人じゃないの?


 保健のヴィシュヌヴァ先生は、指先の出てる黒い手袋を両手にはめてて、保健の先生らしいそれっぽい白衣を着てる。

 大人用の白衣しか無かったのか、入学の時の僕の七五三みたいな姿じゃないけど、着さされてる感満載だ。

 それに、黒ブチの大きな丸メガネをかけてるんだけど、なんか、顔のサイズと合ってない。

 

(な、なんか、マッドサイエンティストみたいなんですけど……)


 けど、どう見たって、僕と同い年くらいの女の子にしか、見えなくって……。

 

(ヴィシュヌヴァ先生って、大人っぽく見られたいのかな──?)


 それに、アホ毛って言うのかな? 

 さっきから、お爺ちゃん校長先生の時みたいに、ヴィシュヌヴァ先生の頭の上のアホ毛が、風にクルンクルンとプロペラみたいに回っている……。


「はいっ! 拍手っ!!」


 保健のヴィシュヌヴァ先生がそう言って、気持ち良さそうに両手を広げると──サァァ……と、風がたちまち吹いて、なんだか、身体全体が一気に元気になった。


(パチパチ……!!パチパチパチ……──!!)


 なんか、学年全体で、物凄い拍手が湧き上がった。

 見事だ。

 

(何者なんだろう──? ヴィシュヌヴァ先生って? 同い年くらいの僕っこ女の子先生にしか、見えないんだけど……)

 

 そんな風にして──みんなの疲れてた空気が、一気に吹き飛んで……。

 ようやく、先生たちの挨拶が終わった。

 

 

 

 

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