ポケットは生み出す
不思議なポケット。
この有名な童謡をご存じであろうか?
ポケットをたたくとビスケットがたちまち増えていくこのポケットに
現実的な視点から見る夢なき者たちが現代の日本には…いや世界には幾人といるはずだ。
もちろん君たちが言うように世界はできている。
ポケットの中でビスケットをたたくと二つに割れてビスケットが二つになるという単純なものだ。
だがこの童謡は至極当然なそんなことを説いているわけではない。
丸々そのまま同じ大きさのビスケットが出てくる。
物理法則や倫理的観念にとらわれぬユニークな発想。
もしこれが現代社会に存在しているならばそれはどんな経済効果を…
いや、こういうことを言いたいわけではなかった。君たちにとっての与太話はやめにしよう。
君たちにとってはとはなんだって?僕は君たちに問いているんだ。
この物語を目にする君に…
君はもっと深くへ…深くへ…Deepへ来るがよい
底なしのポケットという深い漆黒へと誘おう。
簡単な物語さ、僕が君たちの存在を知るまでを経緯をここに記すだけだ。
君たちにとってはフィクションだ。読んだところで何も変化しない。
本当にそれでいいのか?
さて、初めはどう綴ろうか?
僕はいらないだろうから君たちに話しかけることは物語の終末までないよ
安心して聞いてくれ。
deep jet-black