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黄の証言

おれは死神。生きてない。数年前に死んでから、死神になった。今日はおれの話をしようと思うよ。国語が昔っから苦手で、聞き辛いところもあるかもしんないけど、我慢してね。当時はちょっとだけ世間を騒がせた、男子高校生の親友同士の相次ぐ自殺、その後病んだ青年とその親友が死んだ話、そのすべての元凶であり真犯人が、おれだから。重要性、わかってくれたかな。じゃあ、話すね。纏まんないかもしんないけど、我慢してね。


最初にしゅーちゃんと会ったのは、幼稚園の時。その頃からしゅーちゃんはこだわりやで、面倒見がよくて、なんか、カッコよかった。気がする。なんで話すようになったかは覚えてないけど、なんか仲良くなって、一緒に遊ぶようになった。それからだよ。おれのあの体質。不幸体質って、しゅーちゃんは言ってたね。そう、それのこと。

知らないおじさんに声かけられて、おれ、バカだから、ついて行こうとしちゃって、しゅーちゃんが止めてくれなかったら、危なかったと思う。それから、大型トラックの前に踊り出たおれをしゅーちゃんがこう、間一髪スライディングで助けてくれたり、踏切に足はさまったおれのことをしゅーちゃんが引っ張って助けてくれたり、ほんと、色々、助けられた。しゅーちゃんにはどんどん怪我が増えていくのを、なんも怪我してないおれは隣で見てた。もうしわけないなぁ、とか、痛そうだなぁ、なんて、呑気に考えてたんだ。

小学校にあがっても変わんなくて、危なっかしさが進化してくおれにしゅーちゃんはつきっきりだった。何かしらの事件が起きることが日常茶飯事になって、しゅーちゃんの怪我も増えて、でもそれがなぜか日常として消化されるようになって、当たり前の風景となってしまってから、しばらくたった。

そんな時、クラスの、声がでかい、カイっていう奴が、おれに声かけてきた。


「おまえといっつも一緒にいるしゅうって奴、なんか、ずっとケガしてるよな。なんで?」


おれは普段起きてることをちょっとだけ説明した。カイは首をひねってちょっと考えた後、おれに言った。


「あいつがケガしてんの、おまえが原因なの?じゃあさ、おまえ」


あいつから離れた方がいいんじゃないの。

視界の端のしゅーちゃんが、すごい顔をしていた。そしてそのまま後ろから近づいてきて、おれの頭をくしゃりとなでて、言った。


「勝手なこと言ってんじゃねぇ」


その右腕には、大きな擦り傷。カイは、ごめんと言って、その後、変な提案をしてきた。


「ねぇ、オレもこいつのこと見てていい?」


カイはその後友達になった。

カイはみえっぱりで目立ちたがり。でも実は自分に自信がなくて、人一倍他人の反応を気にしていて、顔色を読むのが上手で、いつもにこにこ笑っていた。人の気分を損ねないように動き回るのが得意だった。そんなカイは、多分どうしようもなく優しかったんだと思う。そんなカイとも、いつしか喧嘩なんかできるようになったんだから、すごいよね。

そのまま中学に上がって、カイが紹介したい人がいるって言うから、会いに行った。メガネで、おとなしそうな奴。そーくん。

いい奴なんだけど、やなことあっても我慢しちゃうようなお人好し。そーくん、ひとりで色々抱え込むから、時々泣いちゃうんだよね。一回それでしゅーちゃんとカイがそーくんに意地悪した奴らをぶっ飛ばしに行ったっけ。懐かしいね。しゅーちゃんとカイがちょっとぼろぼろだけど無事に帰ってきた時は、そーくんと一緒に別の意味で泣いたよね。あいつら強いけど、やっぱり心配だったからさ。

そんなこんなで、どこに行くにも4人一緒の、バカでうるさくて楽しいグループができた。しゅーちゃんが楽しそうでほんとによかった。おれも楽しかった。青春!!って感じだった。みんなのことが大好きになった。この時間がいつまでも続けばいいのにって思った。

あと、カイが仲間になってから、事故にあうことが劇的に減った。それで安心してた。正直油断してたと思う。


高校に入って2年目の夏に、事件が起きたんだ。おれが死神を見るっていう、なんか夏ピッタリって感じのホラーな事件。でも、死神は俺たちを助けてくれた。優しそうな人だった。や、人じゃないや。死神だった。でも、本当に言われなきゃ人だとしか思えない感じで、おれはびっくりした。

さらにびっくりなのは、その死神が、しゅーちゃんが帰った後にもう一回おれの家にきたことだ。これはさすがのおれでも叫んだね。おれホラー苦手だし。

で、死神さんが何をしにきたのかというと、とある提案をしにきたんだって。


死神にならないかって。おれと、しゅーちゃんと、あとカイとそーくんも。


おれだけだと思ってた?もしかしたらそうかもしれないよね。だって、このことはおれしか知らないもの。しゅーちゃんもカイもそーくんも、自分が死神にされるかもなんて思うはずないよね。


それで、おれどうしたと思う?


聞いて、おれの最低なとこ。

承諾しちゃった。勝手に、全員分。あのね、おれの望み、教えてあげる。

大好きな3人と、おれ、ずっと一緒に居たかったの。おれらまだ高校生だけど、生きてる限りいつまでもこのままじゃない。わかってるよ、みんな知ってる。でもさ、そんなこと、あっちゃいけないよね。

おれとしゅーちゃんとカイとそーくん、揃ってないと完全じゃないの。わかるでしょ?わからないか。わかって欲しいのに、おれ、国語苦手だからさ。説明とかあんまり得意じゃないんだ。それはさすがにわかるでしょ?

おれはね、みんなと一緒にいたいの。死神は死なないし老いないし、死神さんが言うには、死神は会社みたいなところにたくさん勤めてるらしくてさ、つまり、職場一緒ってことだよね。一生。つまりは、永遠に一緒。

魅力的だよね。おれ、死神になってからしばらくたつけど、この時選択したこと、ぜんぜん後悔してないよ。


それで、死神さんが言うには、そこそこ回りくどいやり方をしないと死神にはなれないらしいの。

色々細かくてよくわからない基準があるらしいんだけど、ややこしくて。おれ難しい話苦手なんだよ。


あのね、めちゃくちゃ簡単に言うと、一回死んでから概念として生まれ変わる感じらしいの。わかるかな。わからないか。簡単に言いすぎたかもしんない。

皆に一回死んでもらわなきゃいけないのはちょっとだけ申し訳ないんだけど、でも、おれ、心底みんなと離れたくないの。あのね、これ、全部全部おれのエゴ。頭おかしいかな。でもしょうがないじゃん。

おれはね、みんなと一緒にいたいだけなの。それには、こうやって普通に生きてるだけだったら無理なんだ。そんなことわかってるよね。結局のところ、死神さんは、おれの悪あがきに手を貸してくれてる感じ。


そのほか細かいことはおれにはわからないから、死神さんに任せてる。そんな大切なこと任せていいのかって感じだけど、なんか信用できるんだよね、あの人。あ、人じゃなくて死神さん。

結果死神さんは、おれのために、ちょっと時間はかかるけど、おれたち全員を、きちんと基準とやらに合致する形で死神にする術を考え出してくれた。そして、最初の動きは今日の深夜。

まずはしゅーちゃんからだ。


デフォルトのままの呼出音。ほとんど待つことなくそれは途切れ、聞き慣れた低い声が端末から聞こえてきた。

おれは少し息を吐いて、一言。


「会って、話したい。しゅーちゃん、今どこにいるの」


おれの家の近くに、昔しゅーちゃんとよく遊んだ小さな公園がある。

待ち合わせ場所をそこに指定して、先に着いてしゅーちゃんを待つ。

一緒にいなかった時間の方が少ないほど毎日を共に過ごしてきたおれの幼馴染。ただ、そんなしゅーちゃんの中のおれは、小さな頃の危ういおれのままらしい。嘘が言えない、純粋で幼稚なおれのまま。

おれは、相変わらず嘘は苦手だけど、演技くらいできるんだよって。おれだってもう高校生なんだから、そんな心配しなくていいのにって、しゅーちゃんに見せてあげたい。

その為には、避けられない嘘がある。


少し息があがったしゅーちゃんの足音が聞こえる。おれは足元の石ころを見てた。

優しい声がした。いつもおれの少し上から降ってくるこの声。おれ、大好きなんだよね。

おれはゆっくり顔を上げる。しゅーちゃんはちょっとだけ笑って、おれの隣のブランコにそっと腰掛けた。


「珍しいね、お前から呼び出すとか」


おれは少し息を吐いて、ゆっくりと喋り出した。


「しゅーちゃん、しゅーちゃんのこと、おれたくさん知ってるけど、いっこ、聞きたいことあんの。きいて」


しゅーちゃんはこちらをじっと見つめている。

ほんとのことも言わないと、おれそんなに器用じゃないから、頭がいいしゅーちゃんにはすぐばれちゃうから。


「死神が、今日の夜ね、おれんとこ来たんだ。それで、おれに言ったの。死神にならないかって」


「ね、しゅーちゃん。おれ、」


がちゃん


えいちゃんがいきなり立ち上がっておれを見下ろす。ブランコがぐちゃぐちゃに揺れる。


「なりたいの、お前」


やっぱりしゅーちゃんは頭がいい。おれはちょっとだけびっくりしたけど、眉を下げて、少し笑った。しゅーちゃんの中のおれは、きっとそうする。今までずっとそうだったから。


しゅーちゃんは微動だにせずこっちを見ている。そして目を閉じて、大きく息を吐いて、一言。


「俺がなる」


おれは下を向いた。だめだ。こんな表情、しゅーちゃんに見せられない。

こんなにも嬉しい。しゅーちゃん、しゅーちゃんはやっぱり、おれの大好きなしゅーちゃんだ。

それと同時に、死神さんの読みが当たったことに驚いた。死神さん、おれが話したしゅーちゃんの性格だけで、こんなに色々当てられるなんて、死神さんもすごい。おれの大好きなしゅーちゃん。嬉しくて、にやけちゃう。今にも溢れそうな笑い声。抑えるのが精一杯だ。


「しゅーちゃんは、おれのために、死神になるの」


念を押すように、もう答えなんかわかりきった質問を投げる。


「そうだよ」


思わず駆け出しそうになった。

ありがとう、しゅーちゃん。それでこそ、おれのしゅーちゃんだ。


その後それぞれ家に帰って、死神さんに教えて貰った通りの内容の長い長いメールを、しゅーちゃんに送った。

すぐに、簡潔な返事が帰ってきた。しゅーちゃんらしいというか、ふふっ、なんだろう。なんとなくケータイを手に持ってうろうろする姿が目に浮かんでしまって、おれは笑った。

明日もしゅーちゃんはおれのところへ来るらしい。そうだよね。話したいこと、たくさんあるよね。メールの中には、一度死ななければいけない事実も書いてある。そういうものだろうと予測していたのかそれとも速攻で受け入れたのか、しゅーちゃんはすんなりと理解を示した。

やっぱりしゅーちゃんらしい。


その後、それぞれの用事でいなかったカイとそーくんが帰ってきて、いつもの騒がしいおれらに戻った。しゅーちゃんは、この2人には死神のことを話さないことに決めたらしい。こちらとしては好都合だ。カイとそーくんに話しちゃいけないってことをしゅーちゃんに説明する手間が省けた。

ただ、話しちゃいけないからと言って、完全にバレてはいけないという訳ではなくて、むしろ時々不自然に匂わせるくらいの方がよかったりする。

カイが勘づかないといけない。

でもおれは、カイの人を観察する目に関しては絶対的な信用があるから、心配してない。

カイの前ではほとんどの嘘が無意味だったりするんだよ。すごいよね。たぶん、おれが怪しいってこともそのうちバレる。けど大丈夫。頃合いを見て、死神さんがなんとかしてくれるって。だからなんも心配してない。


残りの夏休みはおおむねいつも通りだった。それぞれ学校に夏期講習を受けに行ったり部活をしに行ったり、暇な時は誰かの家に集合してゲームしたり喋ったり。

ただ、やっぱりしゅーちゃんが無口になったり何かを考え込むようなそぶりを見せることは少し増えて、カイはきっとそれに気づいてた。


そして、八月も半分を過ぎた時、死神さんからゴーサインが出た。早朝のことだった。

その日はカイが部活でそーくんが夏期講習。しゅーちゃんは何もなし。

そういえばおれも一応講習ってことになってたけど、サボる気でいた。

おれは制服を着て家を出た。道中、カイの家があるから、寄る。それで、何食わない感じで学校へ向かうの。

が、しかし、おれの携帯にはいきなり電話がかかってくる。

そしておれはカイに一言断って、しゅーちゃんの家へと走り出す。しかしカイはそれを不自然に思って追うんだ。積もり積もった不信感がカイをそうさせる。

そしておれはカイを引き連れたまま、しゅーちゃんの家に着いてしまう。


「しゅう、何隠してる」


ね、作戦成功。

おれはいつものおれでいれば、あとはしゅーちゃんが勝手に動いてくれる。

しゅーちゃんがカイを眠らせて、おれを見つめる。小さく数言交わす。

そしておれは問う。


「ほんとにいいの、しゅーちゃん」


答えの予想はとっくについてる。


「そんなん、今更だろ」


また口元に笑みが零れそうになって、思わず下を向いてしまう。だめ。いつものおれでいなきゃ。口元を引き結んで、しゅーちゃんの目を見て。


「行こう」


小さな頃からしょっちゅう遊びに来ていたしゅーちゃんの家。いつも通りの家。カーテンは閉められてて電気がついていないから、昼だけどちょっと薄暗い。

夏場、外で遊んで泥だらけになった時なんかは、この家の風呂場にお世話になったりもした。しゅーちゃんの家に泊まりに来た時は、一緒にお風呂に入る事もあった。

だけど今、風呂場にはしゅーちゃんひとり。

おれは脱衣場でしゃがみこんで待ってる。

今からしゅーちゃんは死ぬ。

おれのせいで、死ぬんだ。


おれは少し不安になって問う。


「しゅーちゃん、おれのこと、すき?」


しゅーちゃんは笑う。


「ちょっと今更じゃない?」


おれが、ちゃんと言ってよって言ったら、しゅーちゃんはそれに百点満点の答えを返してくれた。

やっぱり、それでこそおれのしゅーちゃんだ。


「じゃあ、また」


「またね、しゅーちゃん」


しゅーちゃんは躊躇うことなく手首に刃物を突き立てた。見たことないくらい湧き出る血を目の前に、しゅーちゃんは少し目を細めた後、そのまま手首を湯船につけた。

もやもやと広がっていく赤色が、しゅーちゃんの手を中心として徐々に濃くなっていくのをぼんやりと眺める。

これが終われば、おれは。


ついに抑えきれなくなった笑みが溢れてきた。それに気がついたしゅーちゃんが、怪訝な感じでおれの名前を呼ぶ。


ありがとうしゅーちゃん。おれを、大好きでいてくれて。


おれも大好きだよ。


声にならない言葉でもって伝えたその言葉が、しゅーちゃんに届いたか否かは不明だ。

死神さんがおれの横をすり抜けていく。その姿に目線だけでおねがいしますと伝えると、死神さんは頷いた。

直後、背後からばたばたと大きな足音が聞こえて、カイが脱衣場に飛び込んできた。


「っ、おい!何やってんだよ!!」


お前はなんで助けないんだ、何があった、なんでこんなことに。

カイは次々疑問を口にするけど、答える人はいなくて。

カイはそのジャージが濡れるのも構わずしゅーちゃんに駆け寄って、必死に声をかける。

まさに生死の境にいるであろうしゅーちゃんは、多分今死神さんとお話している。

だから、きっといくら声をかけても、今のしゅーちゃんには届かないだろう。


「無理だよカイ。戻ってこないよ」


カイはゆっくりとこちらを振り返った。

その表情は絶望に濡れている。

おれは動かないしゅーちゃんに近寄って、頬を撫でた。つめたい。

カイは見開いた目でおれを見ている。


「カイ」


びくりと肩を震わせた。

少し間をおいて、小さな声がおれに問う。


「なんで?」


おれは答えない。


「学校行こ。着いてきて」


カイは何が何だかといった様子だったけど、既に体温を失いつつあるしゅーちゃんをちらっと見た後またおれに視線を移して、何もかも失ったような表情で頷いた。


学校には夏休みにも関わらずたくさん人がいて、屋上に向かうまでの間何人もの人とすれ違った。皆いつも通りって感じで、おれもいつも通りって顔をしながら歩いてた。

道中、おれのクラスの教室の前を通った。

歩きながら教室の中をちらっと見たら、窓際の席で頬杖をつくそーくんがいた。

朝、しゅーちゃんの家に向かうまでの間にカイがそーくんに電話をかけていたけど、あの様子だと不在着信にも気づいていないらしい。

心の中でそーくんにごめんをして、おれは屋上に急いだ。


いつもお昼に4人でご飯を食べていた屋上。

一周ぐるっとフェンスが張ってあるんだけど、一箇所だけ緩いことをおれは知っている。

ジャージ姿のカイは呆然として言う。


「飛び降りるとか、言わないよな」


おれはそれに答えない。でも、答えたのと同じことだ。


「なんで、」


「今は、教えられない」


膝から崩れ落ちるカイ。誰よりも人の表情を読むのが得意なカイは、おれの顔を見て、どう足掻いても状況が変わらないであろうことをすぐさま悟る。そして、自分の無力さに絶望する。

そして、辛うじて動いた喉から拒絶を絞り出した。


「やめて」


おれは笑顔で振り返る。

そして、


「カイも、後でおいで。待ってる」


約束だよ。


おれはその一言で、カイに呪いをかけたんだ。


フェンスを抜けて、外側に立ったおれは、蒸し暑く晴れた青空を見上げる。


「じゃあね!」


重力がおれを強く引っ張った。

落ちる時、人は時間が遅く感じると聞いたことがあるんだけど、実際本当らしい。

落ちる途中に見えた教室は、偶然かわからないけどおれらの教室で、窓際に座ってぼんやりと外を見ていたそーくんと、目が合った。

すごい。こんなことあるんだ。

きっと一瞬のことだった。

でもおれはその時間をゆっくり堪能して、カイやそーくんに一時的なさよならをして、そして。


霞の向こうで待っていてくれた死神さんは、上出来だと言って優しく笑った。

一足先にそこにいたしゅーちゃんが諦めたような呆れたような笑顔でおれの頭をくしゃりと撫でる。

ごめんね、しゅーちゃん。騙しちゃった。


あとは、そーくんの話を聞けばわかる通り、全て計画通り、うまくいった。

後悔は全くない。

おれは、自分自身を含めた4人の人生をめちゃくちゃに狂わせた大罪人だけど、それでもいいと思えるくらい、今がしあわせだ。


しゅーちゃんの声がおれを呼ぶ。


今日も明日も人助け。


だいすきな3人と、永遠に。





………?

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