狼さん
手に入れたショートソードを振ってみる。
案外軽い。
重心の加減だろうか。
ゴブリンの死体は壁の外。
これを食べに来る魔物がいるのかどうか。
検証結果は…
居た!
大型の犬のような生き物。
多分狼系の魔物だろう。
灰色の体毛に包まれた、1メートルほどの魔物が5匹現れた。
こちらをチラリと見たが、腹が減っているのか、ゴブリンに貪りついている。
残念なのは、この魔物達がゴブリンを壁から離れた所に、引っ張っていってから食っているため、ショートソードが届かないことだ。
試し斬りしたかったが、壁から出るのは躊躇われる。
だから眺めているだけだ。
あっという間に平らげて森の奥に消えていった。
これでゴブリンと狼とワイバーンを確認。
他も居るんだろうな。
とりあえずペットに餌やって寝よう。
家に入ると、オウムのアカが、何やら騒がしい。
オウムなので人間の言葉の鳴き声を出す事もある。
が、それは教えた言葉のはずなのだが、
『主、腹減った!腹減った!』
あるじ?
そんな言葉教えてない。
不思議に思うが、餌の準備をしていると、
『主、今日は向日葵の種が食べたい。』
と、宣う。
「へ?!」
『ヘ?じゃない。向日葵!向日葵食べたい!』
オウムと知能溢れる会話してしまった。
どうやら俺は疲れているのか?
向日葵向日葵煩いので、向日葵の種を出すと、
『やった!これ美味いんだよね〜』
と、器用に殻を割って中身を食べるアカ。
何かおかしい。