受付嬢の驚き
「ちょっとお待ちを」
私はそう言い、ギルドマスターの元に行く。
「マスター、冒険者登録に来た青年のギルドカードが、おかしいのですが?」
そう言うと、
「カードがおかしい?そんな訳ないだろう!あの水晶とカードは、間違いや故障は無い。」
そう言われた。
確かにあの水晶は、遥か昔よりこの世界に伝わる、奇跡の水晶。
奇跡といっても、数はかなりあるのだけれど、そのどれもが、故障や間違いを、記録した事はないと言われている。今まで、確かにこんな事は無かった。
「でも、見て下さい!」
そう言ってカードを差し出すと、マスターの目が点になる、そりゃそうよね。
そこに記録された数字。
フート-ウエッヂ
ネンレイ18
マモノツカイ
セントウリョクS
マリョクS
ソウゴウSS
ギルドランクE
そう書かれていた。
カードには、その時垂らした血により、ある程度の戦闘力などのランクが記載される。
上から3列は、書類に、記載したものが写されるのだが、下は水晶により読み取ったものを記載するシステムだ。
ギルドランクEは、分かる。
登録したてはEから始まるのだ。
だが、他のランクがおかしい。Sとか現在10人も居ないだろう。SSとか聞いたこともない。
戦闘力Aの戦士の男を知っているが、筋肉ゴリラの、ムキムキマンだ。
魔力Aの、魔法使いも知っている、嫌味ったらしいクソジジイだ。
この2人、この街での、トップ2だ。Sなど、王都に行かなければ居ないだろう。
このカードの持ち主が、筋肉ゴリラのクソジジイなら、納得したのかもしれない。でも、持ち主は、細身の美丈夫の魔物使いだ。魔物使いとは、本人は戦闘力はあまり無く、魔物を使役して、魔物の戦闘力で戦うのだ。
なのにあのランク…あり得ない。
「どうしましょう?」
マスターはこの声で、ハッとした顔をし、
「だが、水晶は間違えない。」
と、難しい顔をした。
「とりあえず、名前と職とギルドランク以外は、任意で本人が隠せる。本人に上手く言って隠すように伝えろ。これだけ強いなら、そのうち力を示すだろうが、その時は、その時考えよう。」
そう、ギルドカードは、本人の意思により、戦闘力などの記載部分を隠せる仕様なのだ。
「わかりました。」
私はそう言い、綺麗な顔の少年の元に戻ることにした。




