#13 シルビア
セーマはエリックと別れ、とりあえず部屋に戻ることにした。
今日は、結局、スカーレットにはまともに会えなかった。
会う機会はいくらでもあったと思うのだが・・・
(避けられてんのか、俺は?)
そんな考えがセーマの頭をよぎる。
しかし、そんなことを気にしていても仕方がない。
明日会えばいいだけのことなのだ。
セーマは気分を切り替えるため、風呂にでも入ろうと思っていた。
(?)
なぜか部屋の中が騒がしい。
(だれかいるのか?)
セーマはドアを開けた。
カギがかかってない。
とゆうか、しなかった。
盗られて困るようなものはなかったからだ。
部屋に入ると、いいにおいがする。
誰かが食事の用意をしてくれているようだ。
とするとそれは・・・
「え?セーマさま?」
部屋の奥からシルビアの声がする。
「ただいま・・」
思わず返事をしてしまうセーマ。
「セーマさま、ごめんなさい。まだちょっと準備が・・・。申し訳ありませんが、ちょっとだけ部屋を出ていてくれませんか?」
シルビアが部屋の奥から姿を見せずに、そう言う。
「お願いします。ちょっとだけでいいですから、ドアの前でお待ち下さい」
シルビアが懇願してくるので、仕方なくセーマは外で待つことにした。
待つこと5分・・・
「シルビアまだ~~?」
痺れを切らして、セーマが中のシルビアに声をかける。
すると・・・
「お待たせしました。どうぞお入り下さい」
そう返事があった。
シルビアの許可が下りたので、ドアを開け、部屋に入るセーマ。
すると玄関には、三つ指をついてセーマを迎え入れるシルビアの姿があった。
しかも《裸エプロン》で!
(な、なんじゃこりゃ~~?)
突然のシルビアの行動に、驚くセーマだった・・・
◇
「えっ、え~~と、セーマさま、先にお風呂にします?食事にします?それとも、あ・た・し?」
シルビアは、かなり恥ずかしそうに、エロゲーでよくあるセリフを吐いた。
これは彼女なりに考えた、セーマへのもてなしなのだろう。
セーマはそう考えることにした。
せっかくシルビアが、自分をもてなそうと頑張ってるのである。
(据え膳喰わねば男の恥)
そう考えたセーマは、このシルビアのもてなしに乗ることにした。
「そうだな、まずは風呂かな?」
そういうと、シルビアは、セーマの手を引き、浴室へと案内した。
彼女の後姿は、もちろん裸。
小柄だが、スタイルがいいのが良く分かる。
お尻は大きく、特に胸はエプロンから零れ落ちそうなほど大きい。
それは後ろから見ていてもわかるほどだ。
セーマは脱衣場で、服を脱がされる。
お互い向かい合い、見つめ合う。
「セーマさま、そんなに見ないで」
シルビアがはずかしそうに言う。
そんな表情もかわいい。
薄く化粧をし、まだ少し幼さが残る顔。
顔とは裏腹に、見事に成長した身体。
(あの魔導服の下に、こんな姿が隠れていたのか・・・)
昼間のシルビアの姿を知っているだけに、そのギャップがセーマを興奮させた。
「きれいだよ、シルビア」
思わず、声が出てしまうセーマ。
そのまま、抱きしめる。
すこしびっくりした様子のシルビア。
ちょっとの間、そのままでいたが、すぐ身体を引き離そうとした。
「セーマさま、それはもう少し待って下さい。まずは先に入って待っててくれませんか?」
シルビアの意図がわかっているだけに、セーマは暴発しそうな身体を押さえて、浴室へ先に入ることにした。
浴室で風呂椅子に座り、シルビアの登場を待つセーマ。
ガラガラッと引き戸が開く。
「セーマさま、お背中お流ししますね」
バスタオル1枚で身体を隠したシルビアが入ってきた。
(キターーーーー)
セーマとしては夢にまで見たエロゲー展開である。
元の世界にいた時、妹・美羽に隠れて興じたエロゲー。
セーマはいつか、美羽にこの役をやらせたいと常々思っていた。
それがいま、美羽でなくシルビアではあるが、実現しようとしているのである。
「頼む」
などと平静を装ってはいるが、セーマの下半身は暴発寸前である。
セーマの後ろにまわり背中を流す準備をするシルビア。
スポンジにボディソープをつけ、セーマの背中を流しだす。
時々シルビアの手や体がセーマに触れる。
それだけでも、セーマには堪らなかった。
しかし、いつまでも、そのままというのもつまらない。
セーマはシルビアの左手を軽く握り、あの部分へ導いた。
「あっ・・・」
シルビアはセーマが催促してきていること気づき、更に身体を密着させてきた。
バスタオルをとり、自分の胸をスポンジ代わりとし、セーマの背中を流しだしたのだ。
そして、またセーマの手に導かれ、左手であの部分を握り、さすりだした。
(もう、死んでもいい)
セーマはついに、夢をひとつ叶えた。
◇
「セーマさま、気持ちいいですか?」
シルビアが恥ずかしそうに後ろから聞いてきた。
「サイコー」
セーマがメロメロにされた声で答えるとシルビアはさらに攻勢に出てきた。
空いた右手で、今度はセーマの右乳首を軽く転がしだしたのだ。
(やばい、このままだとイキそうだ)
セーマは《このまま果てるのはもったいない》と思いつつ、シルビアの性技に驚いていた。
その手馴れた感じは、数人は経験している風であった。
それで思わず聞いてしまった。
「シルビア、本当に処女なの?」
「はい・・・」
「そこまでしてくれるなんて凄い・・・」
シルビアの性技にメロメロにされつつ、思わず、本音を呟くセーマ。
だが、その瞬間、シルビアの動きが止まった・・・
◇
突然のシルビアの停止に、後ろを振り返るセーマ。
「どうしたの?」
「あの、もしかして、しないんですか?」
シルビアがキョトンとして尋ねる。
セーマは考え出した。
同じく処女だったアリシアは、こんなことはしなかった。
とゆうか経験ないんで、できなかった。
やったことといえば、お風呂に入って、バスタオル1枚でセーマの前にきたこと、だけである。
あとは、セーマの性欲の赴くままであった。
それ以降も、特に性的にセーマに奉仕するようなことはしなかった。
そんな必要もなかったのだ。
セーマが一方的にアリシアを貪ったので。
アリシアは、ただ、セーマを拒絶することなく、受け入れてきただけである。
(おそらく、自分を一度も拒絶することなく全て受け入れるだけでも凄いことなのではなかろうか?)
そんなことをセーマは考えつつ、シルビアに返答した。
「しない・・かな?でも、すごくうれしいよ」
それを聞いた瞬間、みるみる真っ赤になるシルビア。
続けて質問してきた。
「あの、殿方と初めてのときは、必ずこうするんじゃないんですか?」
(へっ?)
シルビアの質問の意味が、一瞬わからないセーマ。
「あの、誰から聞いたの?それ?」
セーマは聞き返した。
「グロリアちゃん・・・」
恥ずかしそうに答えるシルビア。
「はめられたね」
セーマは、少し笑いつつ、ぼそっと答えた。
「イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
一際、大きな声を上げるシルビア。
両手で顔を隠し、その場にヘタリこむ。
「そんなに大声出さなくても。すごくうれしかったよ、俺」
少し笑いながら、フォローのセリフを入れるセーマ。
「あたし、本当は、すっごく恥ずかしかったんです」
涙目で、鼻水をすすりながら、答えるシルビア。
「そうだろうね。初めてであれはキツイよね。でも、凄いと思うよ」
決して彼女の行為を否定しないセーマ。
その辺はさすがに心得ている。
ぐすぐす泣き続けるシルビア。
それを軽く抱きしめるセーマ。
「グロリアは少し悪乗りしすぎだね。でも、シルビアの頑張りはすごくうれしかったよ」
そういって、セーマは彼女を慰め続けた。
そのセリフに安心したのか本格的に泣き出すシルビア。
強く抱きしめるセーマ。
ひとしきり泣き尽くすとシルビアはおとなしくなった。
「落ち着いた」
「はい」
セーマはシルビアに話しかけた。
2人は浴室で裸で抱き合ったままだった。
「かわいい」
そういいながら、セーマはシルビアにキスをした。
ちょっとびっくりしたようなシルビアであったが、セーマが強く抱きしめると、観念したのかすぐ為されるがままになった。
「このまま、俺の夜の警護、お願いできる?」
そう問うセーマにシルビアは
「はい。あの、先にベッドで待っていてくれませんか?」
「うん」
そう答えるとセーマはもう一度軽くシルビアにキスをし、先に浴室を出た。
こうして、シルビアの警護が始まったのだった・・・
◇
話は数時間前に遡る。
グロリアは魔導通信で、宿場の近くの酒場に呼び出されていた。
「アル・アーシェフ!」
グロリアがその男を見つけ、呼ぶ。
そこには若くやさしそうな顔をした男が微笑んでいた。
その男こそ彼女の遠距離のお相手である。
「会いたかったよ、グロリア」
「どうしたの急に?」
「仕事で近くに来ていたんだ。そうしたら君がここに来ているって知って、会いたくなって・・・」
「そうなの・・・」
惚れた側の弱みなのだろうか、この時点でおかしなところがあるのだが、グロリアは気づかない。
「ちょっと出ないか?」
そのアルという男に誘われるがままに、グロリアは外に出たのだった。
◇
ここはスカーレットの部屋。
スカーレットはひとり悩んでいた。
セーマに2年前の事件について聞こうかどうかを。
なぜあの時あの場面で突然現れたのか、そしてその後、消えるようにいなくなったのか?
(あれは夢だったのか?)
そうスカーレットが思うのも無理はない。
セーマとは今朝が初対面のはずなのだ。
(なぜ2年も前のあの場面でセーマが出てくるのだ?)
自分のこの記憶がおかしいことは、自分でも分かっている。
だが、あれが夢とはとても思えないのだ。
あの日のことを口に出すのはイワンによって禁じられている。
それでも、セーマに聞きたいという衝動が抑えられないのだ。
(それに、なんだ、このドキドキは)
セーマのことを考えると、どうしようもなく胸が苦しくなるのだ。
(どうしてしまったというのだ、この私は)
そう思いながら、枕に顔をあて、ベッドにうずくまるスカーレットだった。
◇
ここはセーマの部屋。
「ふうっ」
息をつくセーマ。
3連続でシルビアを抱き終えたところだ。
隣ではシルビアも、同じくハァハァいっている。
そのまま横になり、シルビアに腕枕をして、ピロートークへと移行する。
なぜかむくれているシルビア。
「どうしたの?」
「やっぱり、グロリアちゃん、許せない・・・」
騙された件をまだ根に持っている。
「まあ、そこまで恨まなくても・・・。かわいかったよ、シルビアは・・・」
すかさずフォローを入れ、これ以上、彼女が気分を害さないようにするセーマ。
「でも、これだけじゃないんですよ。これまでもずっとあたしの事を馬鹿にしてきたんですよ」
シルビアは堰を切ったように、これまでにグロリアから受けた一言一言を言い連ねだした。
グロリアの何気ない一言に、シルビアはかなり傷ついていたようだった。
「彼女もそれだけ君を意識しているということだよ。遠距離でも彼がいる分、君より上だってね」
それに切り返すようにシルビアは答える。
「でも、もう私にはセーマさまがいます」
そういうと、上半身を起こし、セーマの上に覆いかぶさるように顔を近づけてきた。
「セーマさま、わたしはあなたに初めてを捧げました」
真剣な表情でセーマに迫るシルビア。
「わたしを彼女にしてください」
OKだとわかってはいるが、はっきり言葉にしてもらいたかったのだろう。
頭のいい彼女らしい。
この世界では、一夫多妻が認められている。
力のある男はいくらでも妻を持つことができるのだ。
エリックなんかはすでに3人の妻を持ち、「男の価値は女の数で決まる」と豪語している。
それだけに、強い男が彼女をいくら持とうが誰も文句はいわなかった。
弱肉強食の色の強い世界ならではの、暗黙の了解であった。
「もちろん」
セーマはなんのためらいもなく返答した。
彼女の顔が急に明るくなる。
そして、シルビアを抱きしめキスをし、再びその身体を貪り始めた。
◇
ところ変わって、ここは酒場近くの安宿。
その一室に、グロリアと彼女の彼、アル・アーシェフがいた。
「うっ、うううっ・・・」
2人がキスをしている。
だが、少し様子がおかしい。
なんだか、アルがグロリアに無理矢理キスをしているように見える。
そのキスは長々と続き、あるとき急にアルの方が、全身の力が抜けたようにヘナヘナ倒れこみだした。
それを倒れないように、抱きかかえるグロリア。
グロリアは静かにアルを部屋のベッドに寝かせ、その隣に置いてある姿見で自分の姿を確認した。
「ふっ」
グロリアはニヤッと笑うとベッドに寝かされたアルを見た。
その姿は若者ではなく、どうみても老人であった・・・
◇
またまたセーマの部屋。
再びピロートーク中。
「明日はグロリアちゃんとですか・・・」
隣でシルビアが不満そうに唇を尖らす。
明日の夜の警護はグロリアの番だからだ。
「そうだけど・・・。そういえば、なんかグロリアの様子がおかしくなかった?」
セーマは話題をそらした。
「そういえば、昼間、魔導通信で呼び出されてから、なんかそわそわしてましたわね」
シルビアが答える。
「ご家族になんかあったんじゃ?」
「いいえ、それはないです。グロリアちゃんのご家族はみんな中央にいますし、なにかあっても、身内だけで十分対応できる家です。わざわざ隠密行動中のグロリアちゃんに連絡をいれるような真似はしないでしょうね」
続けて、シルビアが自分の考えを述べる。
「だから、まず彼氏ですよ」
それを聞いて、セーマに疑念が生じた。
「ねえシルビア、僕ら隠密中だよね?なんで一般人であるグロリアの彼氏がここに連絡入れられるの?」
セーマの疑念は当然である。
セーマが村人に出発を隠さなかったとしても、エリザベス殿下に居場所がバレバレであったとしても、それだけで、セーマたちの居場所が一般人にわかる訳が無い。
ましてや、隊の魔道通信機に連絡を入れるなど、一部の軍関係者しかできないはずである。
「あっ!そういえばそうですね!すいません、あたし舞い上がってたのか気づきませんでした。確かにおかしいですね」
聡明な彼女らしからぬ見落としであるが、今日は特別な日である。
多少のミスは仕方ないだろう。
そしてセーマはグロリアについて、しばし考え込んだ。
「ねえ、シルビア、お願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」
「なんですか、セーマさま?」
「明日、グロリアにこっそりこう言ってほしいんだ」
セーマの中で危機回避の本能が、警鐘を鳴らしていた・・・
◇
セーマたちが泊まっている宿泊所から少しはなれたところに豪華な宿がある。
その宿の最上階のスイートルーム、そのバルコニーからは町一帯が一望でき、今そこから、セーマたちの宿の方向を見つめる男がいた。
エリックである。
部屋のベッドには、きれいなホステス(夜のお仕事専門)が、裸で息を切らせながら横たわっていた。
エリックは、ガウンだけを羽織り、ワイングラスを片手に、外を見ていた。
(今日はシルビア、明日はグロリア、まあ、1回目は仕方ない。セーマに譲ろう。だが、2回目からは・・・)
エリックは考えていた。
あのセーマの強烈な性欲を一度でも受け止めたら、2人のガードは確実に下がると。
(フッ、計算ど~うり!)
そういうと、またニヤッと笑い同時に左目が光る。
(チャンスはいくらでもある。まずは明日、シルビアからだ。セーマに抱かれたことでどう変化したか見極めてやる!)
彼のあそこは、さっき使ったばかりのはずなのに、これでもかというほど怒張していた。
こうして、移動1日目が終わり、2日目の朝を迎えようとしていた・・・
登場人物紹介
アル・アーシェフ
男 T175
グロリアと遠距離恋愛中の彼氏。
隠密行動中のグロリアに連絡を取ってくる。




