魔法の授業
俺は春休みに入りました( ´∀` )
ということで頑張って話を貯めたいんですけど、気分が乗るかが問題ですね。
今日の話は魔法の説明をしています!(^^)!
といってもまだまだ色々設定はありますけどね
決闘騒ぎから二週間近くたった。
あの騒ぎから、俺が魔法が得意だと周りに認識されたことで、クラスメイトに魔法の教えを請われるようになった。俺も何も隠すような秘術とかではないので快く教えた。するとクラスメイトとの必然的に仲も深まった。
そして魔法の授業は毎日行われていたので、魔法の練習を始めたばかりだったクラスメイト達も巧くなってきて、拙くはあるが初級の魔法を発動することができるができるまでになった。
「なぁイリヤ。この魔力放出のコツって何かないか?」
「私も知りたいなぁ。」「俺も!」「僕も!」
「うーんコツかぁ」
エドが俺に質問してくると、それに便乗するようにクラスメイト達が集まってきた。
今は魔法の授業中だ。
その中でも『放出魔力量制御』の授業だ。
まず前提として魔法とはいくつかの工程に分かれている。まずは必要な魔力を放出する『放出』。その魔力が足りなければ魔法が発動しない魔法失敗したり、魔法が安定しない。そして放出魔力量が必要量を超えると魔法失敗、または発動しても余剰魔力は空気中へと霧散し、無駄な消費となる。そのため精密な制御は魔法使いにとって必須の技術となるわけだ。
そして、その制御能力を鍛えるための機械がこの学園には置かれている。
当然、俺も魔法の練習を行うときには使ったよ。
まぁそれはいいとして、その機械というのは放出した魔力を数値で表すことができる。じゃあ各々が持っている魔力総量を測れないのか、という疑問が出てくる。
俺たちの魔力総量を数値で表せない理由は、まず前にも言ったように、俺達魔法使いは他の魔法使いの魔力総量を測ることは、経験や特殊な魔法でしか測ることができない。だが、空気中に存在する魔力や無生物が保有する魔力量を測ることは容易にできるのだ。
まぁ理由としては様々な意見があるのだが、最も有力なのは世界と自分を遮る壁が存在しているという説だ。なぜなら、何も魔法的な処理を行っていない無生物内に含まれる魔力は、時間が経つごとに空気中に霧散する。
まぁその後、もう一度世界から無生物に魔力が供給されるため、見た目の魔力は減っているようには見えないのだが。
そのような事実が生物には世界とは壁があると考えられている理由の一つなのだ。
まぁそれは置いておこう。
で、今はその機械を使って授業を行っているわけだが。その機械の見た目は近未来のキーボードと言えば想像できるかな?その右側に手を置き魔力を放出すると、それを感知してどれだけ放出されたかキーボードの部分の画面に表示される。
どう考えても時代が合いそうにないのだが、中は機械的なものは少なく、ほとんどは魔法的な処理により作られているので再現はそう難しくなかったらしい。
言うのは忘れていたが古代魔法機械の劣化版らしい。
「コツというとな。魔力っていうのは自分の思考で操作できる精神感応体とでもいえる物質なんだ。で、毎回、感覚で操作するのはムラが出てくるんだ。だからしっかりと基準を覚えるのが大事なんだよ。
これだけの魔力が100だと基準が頭の中にあれば、あとはそこから明確な想像をもっていれば放出魔力量の制御は少しは簡単になると思うよ。」
「おー!」「へぇー!」
「…う~ん。なんか難しいことはわかんねぇけど。体に覚えこませればいいんだな!」
大体のクラスメイトは重要なところはしっかりと理解できたようで、感心してくれていたのだが、エドは脳筋的な発言し、他の数人も同意するように頷いていた。
まぁエドらしいな、と苦笑するほかない。
俺の説明を聞いたクラスメイト達は早速実践するべく機械の元に向かっていった。
「…あの…『魔力変換』にも…コツ…ないかな?」
「……」
「…どうしたの?」
「あぁいや気にしないでくれ。…そうだな。『魔力変換』なら、俺は基本属性に適性はないから難しいな。特殊属性と基本属性だと感覚が結構違いがあるらしいから。…そうだ!アーシアに聞いてみるのはどうだ?アーシアなら多分うまいと思うぞ。」
「…うん?ボクを呼んだかい?」
「あぁエイナ達が『魔力変換』のコツが知りたいらしいんだ。」
「…そうだね。やっぱりその属性のことを知ることが大事だよ。」
「…属性を…知る?」
エド達が離れると次はエイナが恥ずかしがりながら聞いてきた。
エイナは俺たちに慣れてきたようで、今までみたいにエドの後ろに隠れているようなことは少なくなった。今では自分から話しかけてくるまでになったので嬉しいな、と感じて少し頬を緩める。
けど、まだエドと同じようには話してくれないので仲良くならないとな、と考え、エイナの訝しげな声に我に返る。まずは質問に答えないとな。
だが俺の適性属性は時空と召喚だ。この二つは根幹から基本属性とは違うようで、俺ではコツを教えることが難しいので、代わりにアーシアを呼ぶ。アーシアは種族がエルフで基本的に魔法に長けている。
その上、適性属性も多いから一つ一つの説明も巧くできるだろうという考えからだ。
『魔力変換』とは人の体に流れる無属性の魔力を他の属性に変化させることを言う。その変換が巧ければ魔法の効果が上昇する。当然と言えば当然だが、90%を火に変換と40%を火に変換で同じファイアーボールを放ったとすれば密度が違ってくる。そうなればどちらの威力が高いかなど、一目瞭然だろう。
あぁまず前提として、変換ができていなければ魔法失敗することは明白だ。
で、その変換率を測る機械は水晶に手を置いて魔力を変換し放出すると、どれだけ指定された属性に変化しているかを百分率で示される。
そしてエイナ達が首を傾げている属性を知るというのは、知らなければ想像ができないのは勿論、その属性の性質を知らなければ他の属性が混ざったりすることがあるのだ。
「ねぇねぇ授業で聞いたんだけど、私たちって適性属性以外でも基本属性なら使えるんでしょ?なら適性属性って何が違うのかなって。」
「そうだね。ボクが教えて貰ったのは、変換効率の違いかな。」
「変換効率?」
「うん。例えば火が適性属性だとすると、100の魔力で90に変換できるとすれば、適性属性以外では100の魔力で20しか変換できないっていう違いかな。」
「へぇー!そうだったんだ。」
女子生徒の尤もな疑問をアーシアは快く答えていた。
そう基本6属性の適性とは、その人のその属性への変換効率が一定以上の属性の事なのである。そのため他の基本6属性が使えないというわけではない。
だが、適性属性以外では必要以上の魔力を必要とするのだが。
特殊属性はその名の通り特殊で、適性属性以外を扱うことはできない。
「ねぇイリヤ君。私に無属性魔法を教えてくれない?」「私も教えてほしいな。」「俺も聞きたい!」「僕も無属性魔法について聞きたいな!」
「別に教えることに否はないんだけど。そんなにおすすめはしないよ。」
「えーどうして。」「なんでだよぉ。」「けちー」
「…いやいやそういうことじゃなくて。威力も難易度も魔力効率も普通の属性の方がおすすめなんだよ。」
「そうなの?」
「あぁ。魔法っていくつかの工程に分かれているだろ?普通の属性魔法のボール系を例にとると『変換』『放出』『性質付加』『形成』『射出』の5工程に分かれているんだけど、無属性のボール系だと『放出』『形成』『射出』の3工程で工程が少ない分、魔法の発動速度は速くなるんだ。」
「それっていいことじゃん!」
「まぁここまではな。でも威力の面だと悪いんだよ。同じ魔力でボール系を発動した場合、威力で負けるんだよ。」
「へぇー!でも決闘でファイアーボールを相殺してたじゃん」
「それは通常以上に魔力を込めたからこそなんだよ。だから基本属性の適性を持っているのが羨ましいぐらいだよ。」
「そうなんだ!」
無属性魔法をおすすめしないというと、全員からブーイングが飛んできた。この反応には苦笑するほかない。皆も本気で言っているわけではなく冗談みたいなので、こういうやり取りは前世を思い出して楽しいものだ。
で、俺の説明の単語の意味を軽く説明すると、『変換』で無属性から他の属性へと変換し、『放出』その魔力を体外へと放出し、『性質付加』で例えば”爆発”、”燃焼”を魔法に付加し、『形成』で球形を作るなどして形を形成して、射出で魔法を飛ばす。
これが基本的な構成となる。ここから魔法の階級が上がるごとに工程も増え複雑化していくのだが今はいいだろう。
そして当然、工程が少ない分発動までは早くなる…ものによっては工程が少なくても難易度が高いものも存在する…が威力の面では低くなるのは明白だろう。
例えば敵にファイアーボールが当たったとすれば”衝撃”だけでなく”燃焼”などの付加効果があるが、無属性では”衝撃”のみなのだ。
まぁそれだけではなく属性に変換をしないと安定せず、魔法強度が低いというのもあるが。
まぁこのことからわかるように、ファイアーボールと同じ”衝撃”を与えようと思うと相手の倍近い魔力が必要だったりするのだ。
だから基本6属性の魔法適性を持っているのが羨ましいのは本音なんだよ。
まぁ俺にもいくつか|隠し玉≪・・・≫があるから嫉妬するほどではないけどな。
「じゃあいいや!」
「…そうか。」
無属性魔法がそこまで良くないと分かった途端、興味を無くしたようだ。子供はやっぱり気分屋なので一気に元の魔法の練習に戻っていった。この変化には笑うしかないだろう。
クラスメイトに指導するのも一段落して、落ち着くことができた。
「イリヤは魔法の練習に参加しなくていいの?」
「俺は自分でやってるよ。機械を使わなくてもできるしな。それにアーシアもそうだろ?」
「まぁね。ボクも基本はできているから、自分の感覚で練習できるからね。」
指導が落ち着くと少し暇ができたので、アーシアと雑談をする。
「そういえば。ニコラス。あの決闘からちょっと変わったよね。」
「そうだな。」
「もっと突っかかってくるものだと思っていたのに、そこまでは腐ってなかったみたいだね。」
「今まで、甘やかされて煽てられて育てられてきたんだろう。それでも貴族としての誇りも義務もしっかりと持っているんだろう。」
「ふーん。」
アーシアが目を向ける先に魔法を練習しているニコラスがいた。
あの決闘の後、ニコラスは少し変わった。さすがに今までの生き方を変えるのは、そう簡単ではないので大きい変化ではなかったが、それでも良い変化がみられるようになった。
俺の時のように傍若無人に振舞うことはなくなり、選民意識がなくなったわけではないが力あるものには一定の敬意を払う様になった。
それだけでは無く、魔法の練習に励むようになっていた。多分今まで、頑張らなくても才能でうまくいっていたのだろう。
だが、俺に負けたのが相当悔しかったのか、暇があれば常に訓練し、人の努力も笑わなくなった。
ニコラスは俺たちが見ていることに気が付くと、睨んでくるが、あの頃のような負の感情よりも、悔しさと向上心が宿っているように俺には見えた。
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授業が終わって放課後になったので俺は調べ物をするために図書館に向かっていた。
この学園には王城より多くの書物が置かれている。
といっても調べたい内容を言えば王城に持ってきてもらうことも可能だったのだが、俺の知りたいことはそれをどこで知ったのか、という話になる内容だったので頼みにくかった。だから自分で調べることにした。
その内容は『勇者召喚』についてだ。
転生するとき、神はこちらの世界に来ればそのことはわかるといっていた。だが、『勇者召喚』を知っている人も書物も見つからなかった。
俺が父さんに「勇者ってわかる?」と聞いたことがある。そしたら『勇者?それって街を救う英雄とか勇気ある者のことか?』と返された。
だから勇者召喚って何?と聞くことはできなかった。もしあったとしても、どこで聞いたと怪しまれたくはなかったのだ。
『魔王』についても聞いたことがある。『魔王』については伝承も歴史としても書物に残っていた。
『魔王』は何百年かごとに現れているらしい。
『魔王』は前にも言ったように、魔族の王とかではなく。魔王というのは、魔物が強くなっていき、進化し知能をつける。ここまでは、稀にあることで、そういう種族もいる。違うのは、人間の悪意や怨念の濃い場所に、そういう魔物がが集まり、吸収しあいながら一つとなり、人間のような知能を持つ。
それが『魔王』らしい。
そして魔王が現れるたびに甚大な被害を出しながらも討伐を成功させてきたらしい。国がいくつか滅びる。そんなことも起こってきたらしいが、人類が滅びるような『魔王』が現れたことはないらしい。
それを聞くと、『勇者召喚』を頼まれる意味も分からないし、その必要性もないように感じる。
俺も王族として生まれているので、自国が危機に陥りそうなら『勇者召喚』も行うだろうが、そう出なければ、この国に関係のないものに背負わせるわけにはいかないので、神の言うことに従うつもりはない。
まぁその召喚するための陣も見つかっていないのだが…
そういうわけで図書館に来て、伝承や歴史の関係のありそうな本を探したのだが、手掛かりになりそうなものはなかった。
伝説とかの小説になれば異界から現れた勇者が魔王を討伐する、という有りがちな話は見つかったが、『勇者召喚』に繋がるような本を見つけることはできなかった。
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