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転生しました

 俺の記憶が戻ったのは、生まれて半年したころだった。


 赤ちゃんだったことからか、人格とかに影響はなかった。一応、半年間の記憶を覗いてみた。

 と、いっても赤ちゃんの記憶なので分かることは少ないけど。


 それで、分かったのはこの部屋に来るのはメイド服姿の人と豪華な服を着た女の人が来るくらいで、後たまに、豪華な服の男の人が来るくらいだ。


「イリヤ----、-----。」


 何か言いながら、部屋に行ってきたのが俺の母親で、豪華な服を着た女の人だ。


 俺の母親は、めちゃくちゃ美人だ。

 黒曜石のような長い黒髪に、吸い込まれそうになる黒い瞳で、女の人が羨むような抜群のプロポーションだ。具体的にいうと、胸は大き過ぎず、小さすぎずといったところで、腰はキュッとくびれており、お尻はスッと引き締まっている。大和撫子を体現したような人だ。年は多分二十歳位だと、俺は考えている。

 身長は俺が小さすぎて、巨人にしか見えない。


 俺が生まれてから、話しかけられた言葉から考えて、俺の名前はイリヤだと分かった。前世と変わっていないのは、あの神が何かしたのだろうか。


 女の人・・・母親が俺を抱き上げ、服を捲り、胸を出してくる。

 前世の俺なら、慌てふためいて、羞恥で動けなくなることだろうが、今は半年の赤ちゃんの記憶と、本能のようなものからか、恥ずかしいと感じることもなく、ごく普通に胸を吸った。


――何か落ち着く味だなぁ


 ミルクを飲み終わった後は、俺が眠るまで、一緒にいてくれるみたいだ。


 母親が何の仕事をしているかわからないが、こんな豪華な服を着ているし、貴族とかなのかも知れない。父親の方は、仕事が忙しいのか、母親程俺の部屋には来てくれないが、部屋に来たときは俺を抱きに来てくれる。


 「------、--。」


 今入ってきたのが、その父親だ。

 その父親も母と同じで美形だ。どこか前世の俺と似ている気がする。


――別に前世の俺が美形だと言いたいわけではないぞ!?


 父親は少し紺に近い蒼い髪に、空を思わせる青い瞳、全体の雰囲気は、爽やかな好青年って感じだ。年齢は、こっちも二十歳位だろう。


 この父親は、いつも俺のことを愛おしそうに抱き上げて、撫でてくれるのは良いが、その後に、俺を抱きながら母親とイチャイチャするのだ。

 今までは何も思わなかったが、記憶の戻った俺の前でキスとかしださないでほしい……。まぁこの人たちからすれば、俺は、ただの赤ちゃんなんだが……。


 そんなことを考えているうちに、眠気が襲ってきた…。幾ら記憶がもどったとはいえ、体は赤ちゃんなので、眠気には勝てないようだ。

 そして、俺の意識は闇に落ちていった……。











 俺は、一歳になった。

 一歳になるまでに変わったことは、人が何を話しているのかが分かるようになったことと、ハイハイができるようになったことだ。


 それと、この半年間、神に貰ったこの世界の常識を読んでいた。読むというのは、頭の中に本のような形で、入れられていたからだ。

 それで分かったのは、この世界は、剣と魔法のファンタジーな世界で、魔物がいるらしい。そして種族だが、人族、エルフ、ドワーフ、獣人族がいる。

 

 人族は、これといって秀でたところはなく、前世とほとんど変わらないので一々言うようなことは少ない。あるとすれば前世と違い、超人的な身体能力を持つ者もいるということだろう。


―― 謀略とかの悪いことを考える頭は前世と変わらないんだろうな……

 

 エルフは、身体能力は高くないが、魔力が特に高い。エルフは他の種族と比べて、特に長寿なようだ。

 ちなみに、エルフは美形ぞろいだ。


―― 美形ぞろいって楽しみな情報だよな!

 

 ドワーフは、腕力が特に高く器用だ。そして、ほとんどのドワーフはその身体能力は戦う事ではなく、作ることに生涯を費やすようだ。

 男の人は毛深かったりと想像通りだが、女の人は毛深い人もいるが、人族に近い人も多いらしい。

 そして身長はイメージ通り、小さい人が多いらしい。


―― ロリコンではないけど、折角の異世界なんだから見てみたいよな!


 獣人族は身体能力が高く、魔力が少ない。

 獣人族とは一括りに言ったが、その中にもいろいろな種族がいる。犬人族、猫人族、兎人族、狼人族などなど、細かく言い出すと多すぎて言えないほどだ。

 容姿などは、人族に耳や尻尾が付いた程度だ。といっても個人差や種族差があり、体を毛におおわれている者もいるらしい。


―― 獣耳ってロマンだよな!

 

 そして、魔族は存在していなかった。


―― 俺の使命は!?


 となったのだが、まず魔王というのは、魔族の王ではないらしい。

 魔王というのは、魔物が長い期間をかけ強くなっていき、進化し知能をつける。ここまでは、稀にあることらしい。

 違うのはそこから人間の悪意や怨念の濃い場所に、そういう魔物が集まり、吸収しあいながら一つとなり、高度な知能を持つ。それが、魔王のようだ。

 

 そして、ファンタジーらしく竜も存在しているらしく、上位竜になると人間以上の知能と知識溢れる種族らしい。

 竜は魔物ではなく、竜族という一つの種族として知られているらしい。


―― 竜!ロマンの塊だな!



 そして魔法についてだが、前提として、この世界の全てのものが、多かれ少なかれ魔力を持っている。

 魔法は、その魔力を使い発動させるものらしい。


 魔法の属性は、火、水、土、風、光 闇の基本六属性と、特殊属性の召喚魔法と時空間魔法が存在する。


 全ての人が無属性は絶対に所持している。なので、人が何属性持っているかを答えるときは、無属性を抜いた属性数で答えるそうだ。

 殆どの人族が無属性のみで、基本六属性と特殊属性のどれか一つを持っていれば、魔法使いの素質ありとされる。そして、魔法使いの素質を持つ者の殆どは単一属性のみなのだそうだ


 召喚魔法と時空間魔法は、魔法使いの素質を持つ者の中でも稀である。

 そのため、この二属性は基本七属性より扱いが難しいが、使えるものは貴重なので、殆ど無条件に国に雇われるらしい。

 そして、特殊属性を持つものはその単一属性のみしか所持していないらしい。



 次に、国などについてだ。


 大陸が一つだけ存在し、その大陸の大半は人族やエルフ、ドワーフ、獣人族が住んでいる。残りはは『死の森』と呼ばれる魔物が住む場所だ。

 そこで、魔王が生まれるらしい。そのことは決定された未来らしい。


 そして俺たちが、住む場所だが、四つの大国がある。

 エイリーン聖国、エルメス帝国、そして俺が住むフェルミーナ王国。もう一つの国は、獣人が住む、獣国バイロン。 後は中小国家が乱立しているようだ。

 エルフは森の中に集落で暮らしていたり、人族の国家で生きているらしい。




 最後に、俺についてだ。

 俺の名は『イリヤ・アベル・ロン・フェルミーナ』


 そう名前から予想が付くだろう。この国の王子で第三王子だ……





    これ……絶対、勇者召喚以外の厄介ごと舞い込んでくるだろ



          まじで憂鬱だ……

 

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