初授業
俺はテスト二週間前に入りました( ;∀;)
大人になると学生がよかったと、よく聞きますが本当なんでしょうか…。
学生の皆さんは俺の気持ちがわかってくれますよね!?
もしかしたら投稿が遅れるかもしれないのでよろしくお願いします。
「イリヤ様起きてください」
「ん…ふゎぁ~。…あぁおはよう…。」
「おはようございます。」
俺はエステルに起こされ、眠りから覚めると、エステルによって用意された服に袖を通した。その服はこの学園の制服である膝までの長さがあるコートだ。
「エステル。いつもありがとな」
「いえ。当然のことですので。」
お礼を言うがエステルは少しも表情を動かさない。まぁこれはいつものことだ。
入学式から二日たち今日は初授業の日だ。一日空いたのは準備のための時間として取られている。
そして俺たちが今いるのは学園の寮だ。学園の寮ではほとんどが男女別に分かれているが、貴族や豪商の子息達は従者を連れていることが多く学園の校内に連れていくことは許されていないが、寮で生活する際に側に置くことは許可されている。そのためエステルは従者として同室にされている。
「じゃあ行こうか。」
「はい。」
朝ご飯は寮内に存在する食堂で作られるため俺は朝ご飯を食べるためにエステルを引き連れ食堂に向かう。
食堂に入ると、好奇の視線にさらされる。これは当然のことだ。貴族たちが従者を連れることはよくあることだがその従者が学園の生徒だというのは希少なことだ。そして、その従者が同学年でなく先輩であるということもそれに拍車をかけている。
エステルが着ている制服は俺が着ているのとほとんど差がないが一つ違うところがある。それは左肩につけられたバッヂの色だ。そのバッヂは本の形をしておりその色は薄い青色をしている。そのバッヂは俺の左肩にもついているが色は青の混じった白だ。バッヂは学年が上がるごとに黒に近付ていくため学年がバッヂの色により見分けられるようになっている。
「おーい!こっちだこっち!」
「こっちだよ」
「あぁ!」
食堂の入り口で見回していると少し奥の席から声をかけられた。声の主は入学式で仲良くなったエドワルド…エドとエイナとアーシアだ。俺達は手を振っているエドたちが座っている席に向かう。
エドたちはもう朝ご飯を食べ始めていたので俺達も朝ご飯をもらいに行く。ここではご飯は国によって負担されているのでタダだ。この学園自体がそんなに多くない魔法使いの雛を育てる場所のため学費は負担されている。これが魔法使いの適性を持った人たちの特権だ。
「今日から授業だけど楽しみだな!」
「まぁそうだな。」
エドは初授業が楽しみでしょうがないようでテンションが高めだ。エイナはエドの横でチョコチョコと朝ご飯を小動物みたいに食べている。すごく和まされる光景だ。俺が見つめていたことに気付いたエイナが顔を赤く染めて逸らされた。全然懐いてくれないなぁ…。
「それにしてもどんな授業があるのかな。」
「普通の事しかしないだろう」
「もう~夢がないなぁ」
アーシアも授業が気になるようで二割増しでテンションが高い。そんなこと言われても一年生の最初の授業に何を期待しろっていうんだよ…。
エドとアーシアは授業が気になるようでエステルに質問を色々と投げつけている。俺はエイナと仲良くなるために話しかけたりして、朝ご飯を終えた。
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今日は昼までに国語、数学と社会と魔法、昼から魔法の実技二時限が今日の時間割だ。この国での授業は言語の勉強とこの国の歴史や四則演算と他を少しが授業で行われる。他を魔法の授業に使われる。
「この国は523年前に建国されました。そして初代国王は元冒険者であったことは有名ですね。この国の周辺には死の森が広がっていますが、反対側には弱いモンスターが生息しているため多くの冒険者が集まります。そのため冒険者の国と呼ばれることも有名なことです。ですが、皆さんがよく知っているようにこの国では冒険者にあこがれる子供が多いですが、それ以上に騎士に憧れる子供たちが多いのです。この国の騎士は精強で有名であるので憧れの職業となっているのです。そして……」
女教師が教科書を片手に黒板のようなもの、魔物の素材によって作られた魔力に反応する壁に文字を書きながら、教科書を読んでいる。
教師が話している内容は良く知られた有名なものだが、生徒たちは必至で覚えようとしている。俺や貴族の子供たちは教養のために家庭教師が付き勉強が小さいころから行われているので、これくらいは当然知っている。
まぁ暇だから授業に沿ってこの国のことを考える。教師が言う様にこの国は死の森が近くに存在し、その反対側には弱い魔物の存在する平原や山脈が広がっているため、初心者冒険者からベテラン冒険者まで多くの冒険者が集まる。そのため冒険者の国と呼ばれている。じゃあこの国の民が冒険者を目指すのかといえばそうではなく、他の国と同じ花形の騎士を目指すことが多い。それは騎士が民を守るために周辺の魔物駆除を行いそして権力でなく実力主義であるため憧れの職業になっているのだ。
「リンゴが一つとリンゴが一つで二つになります。」
数学の時間はほんとの基礎をするため、暇でしかない時間だ。
国語の時間は字を覚える時間だったので話すようなことは何もなかった。
「皆さんがよく知るように魔法には火、水、風、土、光、闇の基本六属性と全員が持っている無属性。そして特殊属性である召喚魔法と時空魔法の10属性存在します。魔法はまだ未知のことがほとんどでよくわかっていません。特殊属性は希少な属性でそれ以上にわかっていないことが多いのです。」
魔法の授業ではみんながよく知っていることからのおさらいではあるが、全員が魔法を勉強するために来ているので目をキラキラさせながら聞いている。俺にとっては、これももう勉強したことなのでそんな興味があるようなものでもない。
「-ですので―です。-では―となります。…では時間となりましたので今日の授業は終了となります。」
時間になったため今日の魔法の授業は終わりとなった。これから昼食の時間となるので全員が新しい友達と賑やかに話し出した。俺も食堂に向かうため、エドたちに声をかける。
「エド、エイナ、アーシア。俺達も食堂に向かおう。」
「そうだね!」
「了解!行こうぜエイナ」
「…うん…」
エド達を誘うとすぐに反応してエイナに声をかけてくれた。エイナも言葉は少ないが一緒に行くことに否はないようだ。食堂に向かおうとすると教室の出入り口から声が掛かった。
「イリヤ様。私たちもご一緒してもよろしいでしょうか。」
「あぁ当然。エドたちもいいよな?」
「いいよ」「あぁ」「…うん」
「それでそっちの人は?」
「こちらの方は…」
「自分で自己紹介するわ。マリアっていうねんけどよろしゅうな。」
「俺はイリヤです。」「エドワルドです。」「…エイナ…」
エステルと一緒にいた女少女は一歩前に出ると前世の関西弁に似た独特とイントネーションで自己紹介をした。その少女は夕焼けのような赤みの強いオレンジ色の髪をサイドにポニーテールのように纏めている。左肩につけたバッヂを見ると薄い青色をしているのでエステルと同じ二年生のようだ。
「「よろしくお願いします。マリア先輩」」
「うーん。なんかその呼び方はむず痒いなぁ。敬語やなくていいし、マリアってよんでぇや」
俺たちは先輩であるため敬語を使うがマリア先輩は気に入らないようだ。俺も特に呼び方にこだわりもないのでマリアと呼ぶが、この人はぱっさりとした性格のようだ。
「それならそうさせてもらうよ。改めてよろしくマリア。」
「よろしく!」「…」「よろしく…お願いします」
「あはは。慣れないなら敬語でもええわ」
俺とエドはすぐに慣れたがエイナはぺこっと頭を下げるとすぐにエドの後ろに隠れて、アーシアは年上に敬語を使わないのが慣れ無いようだ。
俺は新しく増えた二人を加えて、食堂に向かった。食堂に入ると一瞬だけ好奇の視線にさらされたが、貴族だと思われたのかすぐに逸らされた。俺たちは昼食をもらい空いている席に着いた。
「にしてもエステルにもいい友達ができたようで良かったよ。エステルは無愛想というか微笑が標準装備で誰に対しても敬語だから大丈夫か少し心配していたんだよ。」
「そんなことなかったで、エステルは見た目が可愛いからなぁ。入学した時からいろんな男子に言い寄られてたし、魔法がうまいから女子に教えたりして慕われとるで。マリアもエステルのこと大好きやで」
「そんなこと言ったらマリアも可愛いんだからいっぱい言寄られたんじゃないのか。」
「か、可愛いって…。イリヤはいきなりやなぁ。」
「えぇマリアは人気でしたよ。気安い性格ですし話が面白いのでみんなから慕われていますよ。当然男子からも」
「もうっエステル!」
俺がそんなことを漏らすとマリアが理由を教えてくれた。エステルはその言葉を聞いても表情は動かなかったが大好きという言葉には顔を赤くしていた。俺はマリアをからかい気味に可愛いと言うと、思っていた以上に顔を赤く染めてそっぽを向いた。エステルも仕返しにかマリアのことを持ち上げると、マリアが照れ隠しにエステルの肩をバンバンと叩いた。
俺たちはそんな感じで賑やかに食事をしていると、俺の空間感知に近付いてくる反応があった。時空魔法を隠して入学したが、この魔法は魔力を薄く広げるようにして使う魔法のため魔力を感知され魔法を使っていることをばれることはあるだろうが、時空魔法だと気づくものはいないだろう。時空魔法を自分の目で見たものはほとんどいないため、ただの珍しい魔法だとしか気づくことはないだろう。…閑話休題。ただ近付いてくるだけなら別に気にすることではない。だが近付いてくる反応には悪意が感じられるため少し警戒しておく。
「おいっそこのお前たち!
「何でしょう」
そんなことを考えていると高圧的な態度で話しかけてきたので、一応俺が反応しておく。後ろに立っていたのは一人の男とその取り巻きだ。
「そこの女を俺に渡せ」
「あなたは馬鹿ですか?渡すわけがないでしょう」
高圧的に馬鹿なことを言ってきたので、俺は挑発の意味を込めて言葉を返すとその少年は顔を怒りで真っ赤に染めて権力を使ってきた。
「僕はニコラス・フォーセルだぞ!フォーセル男爵家の跡取り息子だぞ!俺に従え!」
「何言ってんの。この学園では権力は使えないのよ」
「お前らの家なんて簡単につぶせるのだぞ!」
まだ馬鹿なことを言っている少年にマリアが言葉を返すが、正論が悔しかったのかそれ以上にバカなことを言い出した。確かに他の国なら権力が使えないというのはただの建前でしかなかっただろう。貴族になれば少年が言ったことも簡単に行える。だがこの国では本当にそんな権力の使い方はできない。この国では周りに死の森が存在することもあり、家格が上になるほど貴族としての誇りを持つものがほとんどとなる。そのためこんな戯言を言っていると、こいつ以上の貴族が止めに入る。そしてその家は王家によって悪質な不正が行われていないか監査が入ることになるのだ。だかたこいつの行為は馬鹿としか言いようがないのだ。
周りを確認すると動こうとしてる人が数人確認できたため、その前に王子としてもこんなプライドが高いだけの少年の鼻っ柱を折って、更生を促すとしよう。マリアはニコラスの戯言に正論を返して口論をしているところに俺は割り込んだ。
「なら実力で決めよう。」
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