表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神降臨  作者: 塔子
98/103

【HAPPY BIRTHDAY・前編】

このお話は、ヨーコとアースレイの結婚1ヵ月後ぐらいの設定です



【登場人物】


ヨーコ:異世界に召喚された『女神』。現在アースレイの奥さま


アースレイ:ヴェルドゥール国の国王さま


ジェラルド:宰相補佐官。アースレイの幼馴染み


グリンダリア:光の神殿の大巫女。300年以上は生きてます


シュカ:『霊獣』と言うより大きな子供?


それは、グリンダリアと他愛無い会話を楽しんでいた時の事――。



“私の世界では四季というものがあって、きっと今頃はクリスマスシーズンでイルミネーションが綺麗で、雪なんか降ったりしたら素敵だよ”


という話を菫色の瞳を持つ少女(外見だけ)に熱く語ってしまった。


ここヴェルドゥール国には四季は無く、朝晩の気温差はあったとしても、一年を通して安定した天候と気温。


そして、この異世界も1年365日。意外に、初めて知る事実。


同じなんだ~っと感動しつつも、こんな事も知らないなんて、王妃として、『女神』として一抹の不安が過ぎる。


この世界で生きていくと決めたからには、きちんと勉強しなくては!!



「どうかしたの?ヨーコ」

「え?あ、何でも…、無いよ」



とりあえず、にっこり笑う。



「それより、今日はどうするの?」

「?……今日?」



え~っと、暦はこっちとあっちと同じだから――今日は12月9日のはず。



「そうよ、今日!」

「12月…9日よね」



12月9日。


何度も何度も頭の中で呪文のように繰り返してみる。


特別な何かある日だっけ?



「ヨーコ。まさかとは思うけど…、今日はレイの誕生日でしょう」

「え?――えぇっ~~~?!」



本気で驚いてる私に“全く、あの子は何も言ってないのね?”と呆れ顔でグリンダリアは小さな溜め息を付いている。



「仮にも貴女は王妃なのだから、ね?」




“仮”って、何?


ちゃんと結婚したのよ!!


だから、“仮”じぇないわよ!!王妃よ!!妻なんだから!!嫁なんだから~!!



「ちなみに、ルドも今日なのよ」

「はっ?」

「あの子達、1年違いで同じ日に生まれたのよ」

「お、同じ…日…」

「二人ともヨーコには教えていないのね。言いにくいのかしら?言えば相手の誕生日まで教えてるようなものだものねぇ」

「………」



大巫女も菫色の瞳はまるで悪戯少女そのもの。


それは“どっちを選ぶのかしら?”と、でも言ってるようで…。


選ぶも、何も、無いじゃない!


私は既に選んでる!そうよ、選んでるじゃない!!


――でも、知らないままで居るより、知り得て良かったと思う事にする。



「ありがとう、グリンダリア。教えてくれて」

「いいのよ、仲良くね。3人(・・)で!」



“3人で!”って所を強調するのは、なぜ?



「ヨーコ、あとでシュカにも会って行ってちょうだいね」

「?」

「忙しくて最近会っていないでしょう?あれで、あの人、拗ねているのよ」



す、拗ねてるって…。子供じゃないんだから。



「わ、分かった。これからシュカに会って来る」

「宜しくね」



そう言って大巫女は優雅に微笑む。


そして、“大変ねぇ、男3人も相手にするのって”と小さな声で呟いている。


きっちり、聞こえてるわよ!!グリンダリア~!!


男3人って、どういう意味?私はきちんと1人の人と結婚して――。



「4人で仲良くね」



だから、3人から4人に増えるのは、どうしてよ~?

















少し、モヤモヤした気持ちのまま、グリンダリアの言葉通り、シュカの部屋に行く。


そこは以前、私が使っていた部屋。



「シュ~カ~」



ドアをそーっと開けると、シュカはベッドの上でくるんとなって、ピクリとも動かない。


眠ってる?


違う。完全にご機嫌斜めだわ。



「怒ってるの?」

「………」



確かに、“拗ねている”そういう表現がピッタリ。



「ごめんね。こっちに戻ってから、ずっと忙しくて」



甘えて宥めてご機嫌を取って…。何をやってるんだか…。


亜麻色の毛並みに顔を埋め、温かさに心委ねる。



「日なたの匂いがする~」

「………」



相変わらず、無視ですか…。



「そう言えば…、ねぇ?シュカの誕生日って、いつ?」

「――ヨーコ、それを知ってどうする?」

「え?だって…」



やっと、ここで黄赤色の瞳に私を映す。



「シュカだって、あるでしょう?生まれた日って」

「――知らぬ。気が付いた時には無の世界に居た」



興味本位で尋ねた事を後悔した。



「ごめんなさい…。シュカは独りじゃないよ、ずっと傍に居るね」

「簡単な事だ。それをヨーコが望めばいい」



この『霊獣』は、私の望みをいとも簡単に叶えてしまう。


それなら、望んでみようかな?



「シュカの誕生日…」

「?」

「今日にする!!」

「?!」

「いいよね?」

「すまないが、ヨーコ…」

「なぁに?」

「生まれた日の意味するものとは何だ?」

「え?…え~っと…」



難しく考える必要など無い。


この気持ちをそのまま、伝えればいいだけの事。



「この世に生まれた事を感謝する日」



そう、そして――。



「奇跡に近いほどの確率で、貴方に出逢えた事を幸せだと感じる日」



シュカとの出逢いが、私の物語の始まりだと思うから――。



ストック内を整理していたら、昔、書いたおまけのお話が出てきました。


折角なので、このお話もこちらに引越しです。


後編に続きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ