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女神降臨  作者: 塔子
92/103

【91】

アースレイは濃紺色の髪をイラつくようにクシャっとしている。


ジェラルドさんはいつもと同じ。優しく微笑んでいる。



「ヨーコ…おまえ、知ってなかった訳?」

「んん?何が?」



今、とてつもなく嫌な予感が!汗が背をつたってる。



「ヨーコさんの居た世界ではどうだか知りませんが、このヴェルドゥール国では、女性の数が圧倒的に少ないんです。だから、この国の女性は複数の夫を持つ事が許されています」



な、な、な、何ですってーーーーー!!



「う、うそ?」

「本当です」



知らなかった!!しかも、全然気が付かなかったーー!!


何?って事は、多夫一婦制ですかーーー!?



もう、目が回る。今度は私が頭を抱えたい。知らなかったとはいえ私は……!



「ヨーコさん…、俺の事、嫌いになった?」



うっ!そんな目で見ないで!思わず「ううん」と首を振る。



「結婚してくれる?」

「うん」

「良かった!」



あれ?今、私、頷いた?条件反射って言うか、無意識に…。


また、やってしまったの~~~~!!!


ど、どうして?ジェラルドさんの前だとこうも簡単に~~!!


目の前には煌く緑の瞳、満面の笑顔。


私って、最初からこの笑顔には弱かったっけ…。


そして、私は未来の第2夫の腕の中。



「と、いう事だから、よろしく!アースレイ」

「おまえら、ふざけんなーー!!」



アースレイは私の腕を強引に掴み、引き寄せられてしまう。



「コレは俺のだ!」

「ちょっと!あっ、アースレイっ!!」



私はバランスを崩し、倒れそうになる。


こっちも、やっぱり条件反射って言うの?


私は倒れそうになるのを踏ん張り、自分の夫を投げ飛ばしていた。


またまた、やってしまった~~~!!!


強かに背を打ってしまったアースレイ。痛みで顔を引きつらせている。



「ごめん!ごめんなさいっ!!アースレイ!!わ、わざとじゃないからね!!信じて~~~!!!」



こんな私達を横で見たいたジェラルドさんは、お腹を抱え必死に笑うのを堪えていた。






   *   *   *






――こんな風に、いつも慌しく忙しない毎日。


でも、幸せに満ちた生活。


幸せすぎて、時々不安が溢れてくる事もあるけど


私は二度もこの世界に舞い降りた。


この先に何があっても、迷う事無く何度でも舞い降りよう。


愛する人達のもとへ――。


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