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女神降臨  作者: 塔子
91/103

【90】

「おはようございます、お二方」



いつにも増して、爽やかな微笑で挨拶をしてくる、ジェラルドさん。


あれから、数年も経つし結婚もしてるのに相変わらず、私の額に朝の挨拶を欠かさずしてくれる。


アースレイも諦めたのか完全に見て見ぬ振り。無視してお茶を飲んでいる。



「おはよう!ジェラルドさん」



私もにっこり微笑み返す。


さて、お仕事の邪魔になるといけないから、部屋を出ようとした所で――。



「ヨーコさん、二人目の出産、考えてるの?」

「えぇ、まぁ…」



いくらジェラルドさんでも、こんな事、訊かないで欲しい。


だって、恥ずかしいって言うか…。



「では、二人目の父親は俺って事で」

「…?…えええぇ~~?!」

「なっ?おまえ、何、言って――」



ガチャン!


さっきまで、黙ってお茶を飲んでいたアースレイがカップをソーサーに置き損ねて、空のカップは横になってクルっと1回転している。



「ジェラルド!!おまえ!!」



怒ってる!本気で!こんなアースレイ初めて見る。


私は二人の顔を交互に見て、唖然とするばかり…。



「ちょ、ちょっと待って!アースレイもジェラルドさんも!!」



二人の男の間に入って、とにかくアースレイに落ち着いて貰わないと!



「ジェラルドさん!私は、アースレイと結婚して…。だから――」

「だから、1番はアースレイに譲ったんですよ」

「え?」

「ヨーコさん、以前に貴女に言った言葉“2番目でも3番目でもいい”――そして、貴女の返事は…。俺は受け入れてくれたものだと思っていたのですが…」



頭の中で記憶をグルグルと巻き戻す。


そう言えば、そんな事があったような…。



「……あ!」



思い出した。でも、あれって、そういう意味だったの?



「“あ!”じゃねぇ!ヨーコ!おまえまで!!」

「えっ!でも、だって、すでに私は結婚してるんだから」



けらけらって感じで、この場の雰囲気を和ませようと笑ってみせる。


それなのに、何?この感じの悪い空気は……?

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