【08】
村が見えてきた。
ちょうどお昼だからここで休憩かな?なんて思ってたんだけど…。
畑仕事をしてるおばあさん、数人の子供達が家の中に走っていく。軒下でただ座ってるおじいさん。
何だろう?変な感じ、悪く言えば奇妙な…。
人は居るのに活気が感じられない。
村の人は私達が通り過ぎるのをちらっと見るが関心が無い様子。
結局、その村は素通り。
そして、森の中の入って少ししたら「休憩にしましょうね」とジェラルドさん。
アースレイは先に馬から降りて、適当な木に手綱を括り付けている。
ジェラルドさんも降りて私に向けて手を広げてる。
独りで乗れないもん。当然独りで降りられない。
私も両手を出して「ありがとう」とお礼を言おうとした所で……。
――っ!!
抱き締められてる!と言うより抱っこだよ~~!!これって!!
「あ、あの、降ろして下さい~!」
「まるで羽根を抱いてるようです。誰かさんは重たいなんて言ってたけど」
う、うわぁ~、なんて事言うんですか~!!
勿論、アースレイには聞こえてる訳で…。
わざと聞こえる様に言った?何でそんな事言うのよ~~。
――って言うか、睨んでるー!何で?何で私を睨むのよ~!わ、私は絶対悪くないって~!!