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さっきまでぼんやりだったのが、もう見えなくなってきている。
私はもう一度言う。
「シュ…カ…居る?」
「傍に」
そう言って、私の黒髪を撫でてくれる。
優しい手。目を閉じると涙が一筋頬を伝い落ちる。
「最期の……、願い……、聞…い…て…」
私の口元に耳を寄せて聞いてくれるシュカ。もう、か細い声しか出せない。
「私の…願い…は――――――――――」
「その願い、叶えよう」
「絶対…よ…」
「約束だ」
人の死など、こんなに呆気無いものなんだ。
私は罪人だから、罰が下ったんだ。
いずれこんな日が来るだろうと心の何処かで思っていた。
これで、私の罪も許して貰えるだろうか?
死んだら、お父さんとお母さんに会える?
きっと「こんなに早く来るなんて」って怒られてしまう?
これでも、私は私らしく生きてきたんだから――許してね。
シュカは絶える事無く私の髪を撫でている。
私の瞳は、もう暗闇しか映さない。
息をするのも面倒になってきて――。
「み…んなに…、ごめ…んね…って、それ…と…、ありが…と…つた…え…て……――」




