【80】
私は、改めて光りの神殿で暮らす事にした。
王妃となられるのだから城内でと言われたけど、断ってしまった。
それに、はっきりとアースレイには返事もしてない。
でも、あの人の事だから、きっと本気で王妃にしようと水面下で進めてそう。
そして、私は国王陛下の執務室に通う日々。私が望む日常。
こういうのが幸せなんだと思う。
ゴルデイ国のオクサーナ姫は、光りの神殿で見習い巫女としてグリンダリアが預かる事になった。
「もし、何かあっても、私は神殿内に居る限り不老不死ですから。少しぐらい刺激が無いと退屈で…」
と、そんな事を言っている。
* * *
この世界に来てから、どのぐらい経ったんだろう?
遠い昔から、ここに居たような感覚になる。
どことなく、懐かしささえ感じる。
この世界での生活が、すっかり私のものになって来ているのが分かる。
オクサーナ姫もここでも生活に慣れてきた頃だろうと、様々な教育係りを付ける事になった。
いくら、敵国の姫であっても、まだ11歳の小さな姫君。
国内に対しても国外に対しても、教養ある女性に育てる事が大切だとか。
私も、姫を見かけると声を掛けてみるが、畏怖の目で見てるのが分かる。
だから、最近は見かけても、そっとその場を離れる事にしている。




