【77】
あれから、どうやって戻って来たんだろう?
私であって、私でなかった、あの瞬間。いろんな想いが混じり合って。
ここまでの事が思い出せない。
今、眠りから覚めて、窓に張られた布の隙間から日の光が溢れている。
朝?それとも。
ゆっくり起き上がって、ベッドから降りようと。
そして、側に居るだろうシュカの姿を探そうとした時――。
痛っ!
三つ編に編んだ髪が何かに引っ掛かった?
視線を髪に移すと、そこには濃紺色の髪が……!
なっ!!!
初めて見る、寝顔はまるで少年のよう。
手にはしっかりと私の編んだ黒髪を握っている。
どうして?ここ、どこよ?――な、なんでアースレイの部屋なのよー?
髪の毛をクイっと引っ張っても、放してくれない。
ど、どうなってるの~~?
今度は思いっきり引っ張ってみる。
えいっ!あ、放してくれた!!
と、思ったのも束の間、腰に手を回されベッドに引き込まれる。
「ア!アースレイ!!」
びっくりして、大きな声で叫んでしまう。
「朝から大きな声出すなよ」
「ちょっと、これって、どういう事なの?」
「――覚えてねぇの?」
「え?あ、いや、覚えてるよ…。でも、私、何でここに居るのかな~?なんて」
「ふ~ん、覚えてねぇんだ」
「あ、だからね、えーっと、あの後、何も無かったよね?」
アースレイは疑いの視線。
私は引きつった作り笑顔。
「――何もねぇよ」
「そ、そっか…。そうよね」




