7/103
【06】
結局、私は『女神』として召喚されたものの『女神』の力は何も持ってなくて、『女神』の力の源になる霊獣の封印を解かなくてはならないらしい。
と、いう訳で霊獣の封印を解く為に封印の神殿へアースレイとジェラルドさんと私とで向かう事になった。
そして、今、私は馬上の人である。
「馬で行けば半日で着きますよ」
そんな事言われても、ジェラルドさ~ん。
「私、馬なんて乗った事もなければ、触った事すら無いんですよ~」
「それなら、ヨーコさん、俺と一緒に乗りませんか?それともあっちの不機嫌男とどちらがお好みですか?」
お、お好み~?て訊かれたら、う~ん、正直二人とも顔はすごくイイ。
選ぶなんてとんでもないでしょう。
でも、今の私はアースレイと馬に乗って…なんて想像しただけで、血の気は引き…顔色は…青く…。
「ジェ、ジェラルドさんっ!よ、よろしくお願いしますっ!」
「勿論、喜んで」
ジェラルドさんがにっこり笑う。
私、この笑顔にもしかした弱い?今度は顔が赤くなるのを感じた。