【64】
きっと、私はアースレイの事が好きなんだと思う。
でも、どうしてはっきりと好きって言えないんだろう?
臆病になってる。自信が無い。怖い。
規則正しく回っていた歯車が、上手く噛み合わなくなって全てを狂わせてしまう。
なんだか、そんな風に考えてしまう。
“ここに居る”
私はそう決めた。決めだけど…。
私の未来は何処へ向かっているのだろう?
* * *
朝。寒くてなかなかベッドから出られない。でも、思い切って着替え始める。
「何か、あったか?」
シュカが尋ねてくる。昨夜、眠れなかったのがバレている。
「う~ん、何も無いよ」
そう言いながら、背中側にあるボタンを手を背に回して外す。
シュカはそれ以上何も言わず、背後に立ってボタンを外すのを手伝ってくれる。
「ありがとう。でも、どうして毎日ドレスなの?」
「……」
今日のドレスは黒色。自分でも分かってる、お子様体型には似合わない。
それなのに、ゴルデイに来てからこの着飾りよう。
シュカは、何も言わず髪を結ってくれる。
櫛で梳くぐらい自分でって言ってるのに、それすらさせて貰えない。
ちょっと過保護すぎる!って思うけど。
「やっぱり、似合わないよ。私には」
「そんな事は無い」
きっぱりと返される。
シュカの黄赤色の瞳が“ご褒美下さい”って言ってる。
身を屈めるシュカに私は彼の睫に唇を寄せる。ほんの少し触れるか触れないか…。
シュカは照れたように、安心したかのように一瞬微笑んだ。




