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こんな時に限って!
なんで、こんなドレスを!
分かってる、誰も悪くない。でも!!
シュ~カ~!!
私は侍女を付けていない。
身の回りの事は巫女達とシュカがしてくれたから。
器用に何でも出来てしまうシュカ。
“我が居れば他の者など要らないだろう”って言うから。
私もそれでいいと思った。しかも、髪はシュカがいとも簡単にアップにしてくれる。
今、私の身を包んでいるドレスもシュカが選んだもの。
シンプルなマーメイドライン。
「きゃっ」
抱き寄せられる。力を緩める事無く。
「相変わらず、好戦的だな」
「なっ!!!」
濃紺色の髪が頬に触れてくすぐったい。
「ア、アースレイ…」
「――しばらく、このまま…で…」
そんな事、言わないで!
私はただ、アースレイの腕の中で小さく震えるしかなかった。




