【05】
そして、私達4人は微妙に気まずい雰囲気の中、朝食を取る事になってしまった。
ジェラルドさんが「ヨーコさんは何か体術でも?」って聞いてくるから「去年まで10年ほど習ってました」と答えた。
出来ればこの話題は避けて欲しい。
だって、朝っぱらから投げ飛ばしちゃったんだよ。貴方の隣に座ってる人を…。
「今は?」
「やめました。ちょっと事情があって…。小さい時身体が少し弱くて、それで柔道を始めたんだけど…」
とにかく、この重い空気を変えたくて他愛ない話をしよう!と色々話題を振ってみる。
そこで、年齢の話になった。
アースレイが20歳で、ジェラルドさんが21歳。
私が「17」って言ったら男二人の手が一瞬止まった。
えっ?なんで?という視線をジェラルドさんに向けると――。
「もう少し年下だと…」
うっ、どうせ私は背は低いし…って言うか標準よ!標準!あんた達の方がでかいのよ、と心の中で悪態を付く。
気を取り直して、愛らしい口元にカップを運んでいる美少女をに顔を向ける。
「えーっと、グリンダリアはいくつ?」
今度ははっきりと男達の動きが止まる。
え?この質問ってマズいの?なんだかイヤ~な汗が…。
「……ヨーコ、私、今年で309歳になります」
「さ、さんびゃ…く…」
「私は大巫女です。大巫女はこの神殿に居る限り不老不死なんです」
「そ、そうなんですか…」
はははっと、乾いた笑いをしてしまった。
同性とは言え、女性に気安く年齢を聞いてはいけませんって事ですね、よく分かりました…。