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女神降臨  作者: 塔子
51/103

【50】

私の事を気にする様子も無く、話を続ける青灰色の瞳。



「親父もショックだったんだろうな。臥せってしまう事が多くなって、後を追うように…」



と言って、隣の墓標に視線を移す。


何も言えない、何も…。ただ、次から次へと涙が溢れてくる。



「で、なんでヨーコが泣くんだ?」



淡々とした言葉。



「だって、アースレイが泣かないから。代わりに泣いてあげてるんじゃない!」



意味不明な事を自分でも言ってるって分かってる。


でも、本当にどういう訳か涙が止まらなくて。こんな風に止め処無く涙が溢れてくるのは“あの事故”以来。


アースレイの指が私の頬に触れる。涙を何度も拭ってくれる。



「でも、どうして指輪なの?」



訊いていいのか、いけないのか、でも同じ『女神』この世界に召還された者として訊かずにはいられなかった。



「消えたんだ。身を投げた後。光に包まれて」

「それって、死んだって事なの?

「確かに見ていたのは俺と――シュカだけだ」



もしかして、シュカが望みを叶えたの?



「死んだと言っても、遺体は無い。最初は誰も俺の話を信じなかった。でも、どんなに探しても何処にも居ない。シュカは『女神』が死を望んだから自分が殺したと……」

「でも、消えたんでしょう?」



私は、グリンダリアのあの言葉を思い出す。



「きっと、お母さんは元の世界に帰ったんだよ。消えていなくなったのは!だから!!」



だから、それは自殺じゃない!


グリンダリアが言ったあの言葉――“貴女次第”


元の世界に帰る方法は、きっと『女神』として生き、役目を果たせば帰る事が出来るのでは――。


アースレイは、私の言葉を聞き漏らさないとしている。



「それが、本当なら。ヨーコ、おまえも俺の前から消えていなくなるんだな」



その声は低く、掠れていた。


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