【47】
いつもなら執務室に居る時間。
「今日は行かないのか?」
シュカが訊いてくる。今日のシュカは人の姿。
「う~ん、何となく……。あ!今日はシュカと一緒に居ようかな~」
なんて言ってみる。可愛い子ぶって「ダメ?」と言って、首を傾けたりして。
まぁ、シュカに対して効果無いのは分かってるんだけど。
「付いて来い」
* * *
――付いて来い――
ここは、光の神殿の最上階。
屋上?見張り塔っぽい。遠くの景色が霞んで見える。
しかも、今日は風が強い。髪が舞う。
シュカが風を遮るように立って、私の髪を束ねてくれる。
「どうしたの?このリボン」
私の髪には緋色のレースのリボン。
「――グリンダリアが、おまえにと」
あ、そうよね。今、着ている洋服だって彼女が用意してくれた物。
「いつものように、三つ編みにしておけば良かったね」
長く伸びた黒髪をシュカはもてあそんでいる。
シュカはいつも無表情。
「ここは、シュカのお気に入りの場所?」
亜麻色の髪が、強い風に舞い表情が分からない。
「何だろう?不思議な感じ」
「初めて来たのに、前にも一度来た事があるような」
「ここで、こうしてシュカと一緒に」
変だね~って、笑ってみせる。
今日のシュカも変。いつもと違う。
ここに来たから?




