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女神降臨  作者: 塔子
47/103

【46】

「こんな所で何を?ヨーコさん」



と、ふいに背後から耳元に囁かれ、思わず「ひっ」と小さな悲鳴をあげる。


トレイの上のカップ達は、カチャカチャと不規則なダンスを踊ってる。


ゆっくり振り返る。



「ジェ、ジェラルド…さ…ん…」



侍女達の声が、一瞬にしてピタっと止まる。


侍女のえーっと1かな?2だっけ?それとも3?どれかなんて分かんないけど、一人出て来て蒼白な表情。


ジェラルドさんは、私の持つトレイをその侍女に「あとは、よろしくね」と言って渡す。


そして、空いた私の手を取って歩き出す。



「全く、貴女は何を聞いていたんです?立ち聞きなんて」

「えーっと、それは…」

「気になりますか?侍女の話」

「あの~、アースレイって結婚するの?」



私は、さらに訊く。



「いつ、行くの?ゴルデイへ」

「行きたいのなら、国王陛下の許可を貰って下さい」

「え?」



いつもと違う顔。ジェラルドさん怒ってる?少し怖い顔。



「俺には権限はありませんから」



そう言って、繋いでいた私の手を放し、先を歩いていく。



な、何?私、拒絶された?



何か言葉を!って、思っても何も出て来ない。


喉の奥に、何かが詰まってる感じ。


何だろう?この息苦しさは?


私は足を止め、黄金色の髪がきらりと揺れる背中を見つめる。


ただ、見つめるだけ。






結局、私はアースレイに「行きたい」って、言えずにいた。


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