【45】
ある日の午後。
ティータイムも終わり、いつもならティーセットは、侍女がやって来て下げてくれるんだけど、今日はなかなか来ない。
でも、まぁ、私だってもう少し何かしたい。
たかが、ティーセットをトレイにのせて調理室に運ぶだけだけど。
侍女の控え室の前を通ろうとした時、数人のひそひそ声。
あ!こんな所でサボってる。
話に夢中で、きっと時間なんて忘れてるに違いない。
侍女の一人が『女神』という単語を発したのを私は聞き逃さなかった。
悪い事だと想ったけど、ちょっと立ち聞き。
侍女1「ねぇ、結局『女神』ってどっちが本命なのかしら?」
侍女2「勿論!宰相補佐官様でしょ!」
侍女3「そうよね~、だって抱き合ってたわよ~。しかも、おでこにキスまでしてたしね~」
――なっ!見られてる!!
侍女2「だから、言ってるでしょ!宰相補佐官様だって!」
侍女1「でも、先日、ソファで転寝されてる『女神』に、陛下が毛布掛けてたの見たわよ。」
侍女3「え~~?あの陛下が~~~?」
――ななっ!あの毛布はアースレイが?私、ジェラルドさんだとばかり。
侍女2「でもね、陛下はゴルデイの姫とご結婚話が出ているのよ」
侍女3「まさか~~?あの姫って、まだ11歳でしょう~~?」
侍女2「敵国の姫だから正妃は無理だけど、側室にするっていう話よ」
侍女3「う~そ~?信じられな~~い!!」
侍女1「あんた、どっからそんな情報を?」
侍女2「しかも、近々お会いにゴルデイまで行かれるとか」
――なななっ!11歳のお姫様と結婚?あいつが?




