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【30】
「ヨーコ!!起きろ!!!」
シュカ?……まだ、夜明け前だというのに。
「敵襲だ!!早く、起きろ!!!」
その言葉で、目がパっと開く。頭は動いていないけど、身体は動いてる。
天幕から飛び出る。
ゴルデイ軍が攻めてきている。ここは、怪我人と医師と看護士――戦えない人ばかりで。
逃げ惑う人と斬り付ける人。
雄たけびと悲鳴と血の匂いと―――死。
私の姿を見た味方の兵士達が「女神はこちらへ!!、早くっ!!」って、言ってるけど。
私は―――!
「みんな!早、くここから離れて!私が、敵を引き付ける!だからっ!」
私が『女神』である事は隠せない。黒い髪に黒い瞳。そして、横にはシュカ。
私は走る。
ここが、狙われたのは私が居るせいだ!
だからと言って、何が出来る?
でも…!!
一人のゴルデイ兵が、私の姿を見つけて何か叫んでる。
―――『魔女』だ!『魔女』を見つけたぞ!―――
武器も何も持っていない。なんて無謀なんだろうと後悔しても遅い!
死ぬの?私が?ここで?斬り殺される?
私の背後から、見事な跳躍で目の前の敵兵に跳びかかるシュカ。
「シュカーーーー!!」




