【28】
「…ジェラルドさん、どうぞ」と、中に招き入れる。
ジェラルドさんは忙しい中、こうして私の様子を見に来てくれる。
「どこか怪我とかしていませんか?」と尋ねると、「大丈夫ですよ」と、笑い掛けてくれる。
会う度に必ず尋ねる言葉。
初めて『女神』の力を使う事になったのは、この人の怪我を治したいって思ったから。
「明日の朝、一度城に戻りましょう。お迎えにあがりますから」
「は、はい」
「では、また明日…」
「あの、…あ、アースレイはどうしてる…かな~?なんて…」
「相変わらずですよ」
「そ、そっか~」エヘヘって、笑って何となく誤魔化して「明日ね」と言って、ジェラルドさんを送り出す。
アースレイとは、あれっきり会ってない。ここに来てからも。
きっと会っても「帰れ」って言う。それなのに「俺のだ」発言。
一体どっちが本当の彼の気持ち……?
「いっその事、帰っちゃおうかな~?」
そうしたら分かるかも、自分の気持ちも彼の気持ちも。
と言ったところで、帰り方なんて分かんないけど…。
「帰りたいのか?」
シュカが、問う。
あれ?さっきまで、獣姿だったのに、いつの間に人の姿に?
――って言うか私、声に出してたの~?
自分の気持ちを…。慌てて訂正する。
「あのね、別に、帰りたいって、心から…おも…って…」
最後まで、言わせて貰えなかった。
だって、シュカは私を抱き締めて――。




