【27】
国境付近の戦場に来て、2週間。
私は、最後尾に位置する救護班に居る。
出来る事と言えば、今の所治療のみ。だけど、私が…、つまり『女神』が、居るというだけで士気がこんなにも違うなんて。
怪我をしても『女神』が、居るからって無茶し過ぎでは?
死なない程度に頑張れって、誰かが言ってたっけ。そういう事を言うのは、止めて欲しい。
私の傍らには、シュカ。獣姿でいる。
こっちの方が、本来の姿だとか。
先日、シュカに「どちらがいい?」なんて訊かれても「どっちもシュカでしょ?シュカは、シュカだもん。どっちでもいいよ」と、答えた。
力の使い方にも、慣れてきた。
でも、シュカは「あまり使い過ぎるな」と言う。
確かに、使う度にちょっとした疲労感。
昔、身体が弱かったからかな~、なんて思うけど。
でも、少し休めば…、元気!元気!若いんだもん!このぐらい平気。
『女神』って事で、特別に私専用の天幕が用意されている。
仕事が無い時は、ここで休む事が多い。
シュカは相変わらず、隅っこで丸くなって目を閉じている。
私もこんな時、考えてしまう。
元の世界に、帰ったら…。帰れなかったら…。
どっちにしても、働いて自分一人で生活していかなくちゃ。
1年間、そうやってバイトと学校と…。
独りで頑張ってきたんだもん。場所が、変わっても結局、同じなんだね。
「―――ヨーコさん」
外で呼び声がする。この声は。




