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【10】
私は言葉に詰まる。
今は背を向けていて良かった。
「その辺は大丈夫…、私の両親は1年前に亡くなってるから……」
気にしないでって、分かって欲しくて、声だけは元気な振りをした。
「それは…、悪かった……」
「ううん、だから、きっと、私が落ちて来たんだね」
だって、私がこの世界に来た事で、悲しむ人はもう居ないのだから…。
それに、アースレイは何も悪くない。
「謝らないでよ。アースレイだってご両親居ないでしょ?」
グリンダリアから聞いたよって言うと、「そうだな」と短く答える。
「それに、さっきの村…」
「……………」
「お年寄りと子供しか見なかった……やっぱり戦争中なのかな?って。早く終わらせないとね!」
「――おまえは元の世界に帰る事だけ考えていればいい」
そんな風に言われると…、確かに私は『女神』の力なんてどんなものか知らないし。
何が出来るなんて分かってない。
帰る?
帰りたい?
帰れたら…?
少し先の…、もしかしたらずっと先の未来の事かもしれない。
――貴女次第です。
私はどんな時、どんな風に願うのだろう。
“帰りたい”と…。




